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コラム

「新・定番メニュー」競争が始まった!

飲食業界ではいま、「原点回帰」という言葉がキーワードになっている。いわゆる「定番メニュー」の見直し、強化もその一つだろう。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


ここ数年、飲食業界では「個店化」というキーワードがあまりにも多用され、他店とどう違うかという「差別化」「オリジナリティ」が重要視された。しかし、その動きが行き過ぎ、マニアックな業態や珍奇なメニューに走って失敗するというケースも垣間見られる。そうしたなかで、「原点回帰」が叫ばれ、30年、40年続く老舗飲食店や古典酒場への再評価の動きが高まり、それらの繁盛店のキラーコンテンツとなっているメニューをベンチマークし、自店のメニューに取り入れたり、新業態をつくる際の目玉メニューにしたりという動きが活発になってきたのだ。その成果かどうか、いま新しい話題の店の売りは、オリジナルメニューではなく、定番料理をその店ならではのアイデアと技で改良した「新・定番メニュー」であることが少なくない。「新しい原点回帰」とでも言うべき動きが見られるのである。昨日、リサーチで訪問した「神田バル」。3週間前にオープンしたばかりだが、台風模様の水曜日ですでに常連客で満席。フレンチ出身の小菅実オーナーシェフのコンセプトはバル値段で楽しめる本格フレンチ。ほとんどの料理がワンコイン500円と800円。いま都内で増殖しているカジュアルワイン業態。その定番メニューといえば、「パテ・ド・カンパーニュ」である。小菅シェフは言う。「パテ・ド・カンパーニュは定番だからこそ難しい。その店の力、クオリティがわかるんです」。和食でいえば、「鮨屋のこはだ」「おでん屋の大根」と同じだろうか。なかなか違いを出しづらいが、職人の年季、技、アイデアで差別化できる。これが「新・定番メニュー」の醍醐味である。最近、「俺のハンバーグ」や「俺のホルモン焼き」といった「俺の~~」を謳う店が増えているが、それもいわば「新・定番メニュー」のストレートな打ち出し方だろう。繁盛店を例にあげれば、「刺身の盛り合わせ」で圧倒的にコスパ、クオリティで群を抜いた「魚金」。厚みが半端ないレバ刺しで強烈なインパクトを放った「金舌」、ボリュームたっぷりの1,500円「フォアグラのソテー」を出す「ヴィノシティ」、低価格居酒屋なのに専用のフライヤーと油で揚げ豆腐を手作りする「一軒め酒場」、関西ダシで煮る湯豆腐をサイドメニューとして提供する「串カツ田中」など、ほんの一例だが、定番料理がその店の代名詞になっている。ほかにも、「カルパッチョ」「バーニャカウダ」「ソーセージ」「ポテトサラダ」「煮込み」などの定番料理で、その店ならではの個性をつくる。一皿に込めた店のメッセージ。お客さんはその意気込みとパワー、価値、クオリティを五感で受け止め、しっかりと記憶に刻む。これぞ、飲食店とお客さんのハイレベルなキャッチボールである。「新・定番メニュー」競争、これから大いに期待したいところだ。あなたの店の「キラー定番メニュー」は何ですか? 

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