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てっぺんがサウナ・フィットネス事業へ挑戦。「お客様の人生が変わる」をミッションに掲げ、飲食店ノウハウを生かした渋谷「サウナ道場」の全貌に迫る


飲食店ならではのホスピタリティを感じられる場所に

―飲食店との共有点はありますでしょうか?

和田氏:たくさんありますが、飲食のサービス力やホスピタリティ精神は、正直どの業界でも通用すると思っています。

「サウナ道場」では、受付する際に笑顔で丁寧な接客で、居酒屋での声かけ同様に「行ってらっしゃい」「おかえりなさい」とお声がけしています。他にも、居酒屋のトイレに置いてあるアメニティが喜ばれていることから、「サウナ道場」にも化粧水、乳液、クレンジングなどお客様からご要望があり、必要があれば色々と設置するようにしています。居酒屋の発想が至るところに生きていますね。

館内に設置された自販機で販売するドリンクには、ひとつひとつスタッフの手書きでメッセージを付けている。これも飲食店ならではのホスピタリティを生かしたサービスだ

高田氏:「サウナ道場」では、大きなうちわで熱波を扇ぐアウフグースを1日に48回やります。当施設にいらっしゃったお客様全員に、アウフグースを体験して、気持ちよくなっていただきたいという思いから、12時から24時まで、1時間に4回行っています。アウフグース開催時間を知らせる時刻表にも「頑張っているな、と思ったらイオンウォータープレゼントしてあげてください!」というコメントを書いているのですが、これがいい循環を生んでいます。実際に、サービスに満足していただいてたお客様がスタッフにドリンクをプレゼントしてくれ、それがスタッフのモチベーション向上にも繋がっています。やりがいはどこの場所でも見つけられる、というのは居酒屋からの発想。アウフグースのサービスは、なかなか体力的にきつい部分もありますが、導入してよかったと思っています。

この頻度で行うアウフグースは「他のサウナ施設ではめったにない」とお客から好評を得ている

―今後、飲食店はどのようなことに積極的に取り組むのがいいとお考えですか?

和田氏:飲食業界は人材教育にとても長けていると思っています。だから、いままで培ってきた人材育成力や、接客におけるホスピタリティなどのノウハウを、他の事業に当てはめて挑戦してみたらポテンシャルがあるのではないかと感じています。今回我々がスタートしたサウナ・フィットネス事業のように。

僕らのような中小企業は、効率を重視する大手企業にはできない、非効率さを武器にしたやり方で、実現できることはまだまだたくさんあると思っています。

―今後の展望について教えてください。

和田氏:「サウナ道場」では、いま約7割のスタッフが飲食店で勤務したことがあるものの、飲食店を辞めてしまった経験があるメンバーなんです。てっぺんには飲食店もあるので、また飲食店で働ける機会を緩やかに作っていけると良いな、と。そのために、「サウナ道場」で働くスタッフとてっぺんの居酒屋で働くメンバーを集めて一緒に研修を行ったり、イベントを開催したり……それをきっかけに会社を好きになってくれたら、飲食店でもう一度働きたいと思ってくれる人が出てくるんじゃないかと思っています。スタッフには、お客様に喜んでもらうことの楽しさを知ってもらい、居酒屋でもサウナでもどちらでも楽しく働いてもらうことが理想的な状態です。また、てっぺんの良さをサウナに活かす企画などを発案できる人材育成も進めていきたいことのひとつですね。

サウナ・フィットネスをご利用いただいたお客様に、てっぺんの居酒屋、「男道場」「女道場」にも足を運んでいただけるように、渋谷近隣での店舗展開という特性を活かした”動線づくり”も模索しているところ。今後もてっぺんは、グループ理念の「お客様の人生が変わるような貢献ができる」に基づいた挑戦をし続けていきます。

―飲食にとどまらない展開、これからも期待しています。貴重なお話をありがとうございました!

(取材=後藤 沙織)

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