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単なる業態プロデュースだけでなく、飲食店経営者の人生に必要な“伴走者”でありたい――飲食プロデューサー・森 智範氏

博多のエンタメ酒場「魚男(フィッシュマン)」をヒットさせ、数々の業態開発やプロデュースを手掛けてきた、M&Coの森 智範氏。20歳の頃から長年にわたり飲食業界で活躍し、自身が52歳になったいま、改めて飲食店経営者の人生について考えているという。孤独であり、何かと不安定な飲食店経営者にとっての“伴走者”になりたい――そんな森氏に話を聞いた。


森 智範氏プロフィール
1970年大分県日田市生まれ。株式会社M&Co.代表取締役。調理師専門学校を卒業後、“フレンチの鉄人”として知られる石鍋裕氏の経営する「クイーンアリス」に入社。サービスマンとしてソムリエ、マネージャーを務め、同社の成長を支えてきた。その後、飲食店のコンサルや数店舗での経験を経て、31歳で独立。 2002年、福岡市今泉の「パロマグリル」(閉店)をオープン、「博多のカフェのムーブメントを変えた」と言われる繁盛店へと成長させた。2009年には「魚男」をオープン。居酒屋の枠を超えたパフォーマンスが“変態系超エンタメ業態”と呼ばれ、オープン後2ヶ月で黒字化、30坪で月商1500万円超の売上を叩き出すことも。現在は店舗プロデュースやコンサルタントなど幅広く手掛ける。4児の父。

組織の内部に入り込み、経営者の良き相談相手に

他の飲食プロデューサーと私の大きな違いは、単に業態開発をするだけでなく、組織の内部に入って経営の様々な悩みに寄り添うことです。

実際に経営者って相談できる人がいないことも多い。以前は社長とその右腕となる二番手のツートップで経営する飲食企業が多かったのですが、最近は二番手不在の企業も増えていきました。経営するうえで腹を割って話せる相手というのは必要だし、外部の人だからこそ言える本音もあると思います。そういったニーズ寄り添う、伴走者の役割を果たせたらと思っています。

飲食業界に必要なのは“他業種の視点”

他業種とのアライアンスを積極的に取り入れることも私の強みです。

これからの時代、飲食業の中だけで情報交換しているだけでは厳しい。外の業界の視点も広く取り入れることが、お店の経営のみならず、経営者自身の長い人生を考えて必要です。

これまで飲食業界で生きていく中で多くのパートナーとのつながりをつくることができました。例えば金融やマーケティング、組織マネジメントや医療、不動産業態の専門家など。例えばマーケティングをとっても、飲食のマーケティングというのはかなり感覚に頼る部分が大きく、本当の意味でマーケティングを実践している飲食店というのは、かなり少ないのではないでしょうか。大手消費財メーカーとも組むような、きちんと数字としてマーケティングを行えるマーケターとアライアンスを組むことによって、より的確な業態開発や商品開発が可能になり、業界が発展していくと考えています。

2022年10月には、医療や栄養学のプロフェッショナルと協業し、大手町に「梯子」をオープンした
【記事】大手町に「梯子(はしご)」がオープン。ミシュラン和食店出身の料理人と、最先端栄養学の専門家が手がけるのは、分子栄養学に基づいた「美味しくて、食べるだけで健康になれる」理想のメニュー

プロデュース一例。コンセプトや商品の見直しから、PLの数字部分までメスを入れ、大幅な売上アップに成功。人材面では外部のコンサルのアライアンスを組むことで成果を出している

お店のこと、本当に好きですか?

本当にお店が好きで経営している人というのはどれくらいいるのでしょうか。本音のところでは、儲かるから続けている、という側面が強い人も少なくないように感じています。しかし、結局お客様が集まるのは、経営者が本当に店のことを好きだと思っているお店。世の中に「いい店」、「悪い店」といった正解はありません。お客様は「いい店」ではなく「好きな店」に行く。経営者自身が本当に好きな店を作れば、それに共鳴したお客様が集まるわけです。

どうやったら成功するか?ではなく、どうつぶれないか、が大事。長く続けて利益が出るからこそ、その先の人生プランまで考えられる。私や周囲の経験談も含めて思うのですが、勢いで目先のことだけ考えていると、30代、40代はいいのですが、50代になるとだんだんしんどくなってくる。万が一会社を閉じることになっても、破産の前にもいろいろ手段はあります。民事再生だったり売却だったり、ただ、やり方がわからないという人は多いので、そういった手助けもできればと思います。年を取ってからの飲食店経営者としてのライフプラン、会社の財務状況や資産形成なども含めた提案をしていけたらと思います。

経営者の姿を見て、若い人が10年後、20年後に「こうなりたい!」と思えるような飲食店経営者人生を見せていきたい。何よりその方が、楽しいじゃないですか。

私の仕事としては、単なる業態開発やメニュー開発に加えて、先述したような会社全体の悩み事、経営者のライフプランの提案に応えるようなコンサルティングを行っています。一緒に楽しい飲食人生を送りたい人のために、まだまだ尽力していきたいです。

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