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コラム

街場”が面白くなってきた!”

都心型商業施設の開発が一巡し、これからは「街場の仕掛けが楽しみだ」と思ってたいたら、次々に型破りの店がオープンし、新しい話題を提供している。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


2003年、2007年と二つの山があった都心の大型商業施設がだいたい出尽くした。三菱地所、三井不動産、森ビルといった大手ディベロッパーも、 次の手を打つには少し時間がかかる。今は既存の施設を再構築することに注力せざるを得ない。大不況の波がひしひしと押し寄せ、大手ブランドの威力で集めた 錚々たるテナントといえども、決して業績が順調とは言えないからだ。とくに東京ミッドタウンや銀座エリア、丸の内の飲食フロアは厳しいと言われている。そ んな中で、5周年のリニューアルを終えた六本木ヒルズはいまのところ好調の様子。最近、商業施設プロデュースの仕事も始めたゼットンの稲本健一さんは「ヒルズはやはり映画館や気取らない日常のカルチャー提案があるから強い」と分析していた。 その稲本さんが久々に東京の街場で仕掛けた店が「ニホンバシ イチノイチノイチ」。 この地番に本社を置く食材流通大手の国分ビル1階。ニッポンの諸街道の出発点である「日本橋」のたもとの本社スペースのいわば顔を改装、しかも川沿いを眺 めるオープンテラスを設けた造り。6月25日のオープン以降、テラス席は予約で埋まる。情緒は異なるが、天王洲の「T.Yハーバーブルワリー」のような感 じ。この場所にレストランを出すという発想そのものが稲本さんならではだが、妥協せずに川沿いテラスをつくり上げたのは“イナケンマジック”と表現するし かない。渋谷・神南軒の屋上テラスを見たときの感動が蘇ってきた。「国土交通省や中央区と随分交渉を重ねましたよ」と振り返る。また、本社1階を明け渡し た国分の度量の大きさにも拍手を贈りたい。 ビルや土地オーナーと一体にさえなれば、型破りの飲食店づくりができる。これが街場のポテンシャルを押し上げる。飲食店が起爆剤となって通りが面白くなり、街が活性化する。5月末にオープンした恵比寿の古いビルインのマーケットを再生した「恵比寿横丁」もその例の一つ。それをプロデュースしたネオサポートの浜倉好宣さんが7月1日、こんどは新宿思い出横丁に海鮮居酒屋「トロ函」の小岩、赤羽に続く第三弾をオープン。元は質店の大黒屋だった3階建てのビルを一棟ごと改装した。 そうかと思えば、同じ日、渋谷のマークシティ脇には、中目黒の名物立飲みだった「根室食堂」がこれまた地下1階、地上3階建てのビル一棟ごとスタン ディングバーにしてしまった。処狭しと北海道直送の魚介類や野菜が並び、ガラス張りの窓側には今回の売りの一つである北海道産ワインがぐるりと置かれた “ガブ飲みワインバー”スタイル。行けばわかるが、とにかく「飲食店づくりにタブーはない」と思い知らされる。やればできるのだ。いまこそ、街場で“突き 抜けた店”、“突破者”ならぬ“突破店”をつくって不況風を吹っ飛ばすべきだろう。

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