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コラム

グローカル発想”が問われる時代に”

洞爺湖サミット開催中、マレーシア出張→金沢講演と東京を離れていたが、海外と地方で「食」について考えるいい機会となった...

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


サミットで提起されたテーマの一つに食糧問題がある。穀物を使ったバイオ燃料が増え需給逼迫を引き起こす一方、世界的な投機マネーが穀物に流れ、食 料高騰を招いている現状が貧しい国を苦しめているのだ。また、原油高騰による燃料値上がりが漁業従事者を圧迫、マグロを始めとした魚類が市場に入らなくな る恐れが出てきた。 東京にいてレストランマーケットを見ていると、あたかも食材は無尽蔵のような錯覚に陥るが、米も野菜も魚も肉も決して安定して入るものではない。そ のことをサミットが問題提起した。中国やインドなどの巨大新興国、あるいは中東富裕国が日本の米や和牛、マグロなどを食べつくす日がすぐ近くにやってくる 可能性がある。ミシュラン上陸で東京はますます世界の食通が注目する都市になり、それを当て込んで世界の食が押し寄せ、ますますグローバル化していくだろ う。 マレーシアで面白かったのは、首都クアラ・ルンプール(KL)でイタリアンやフレンチレストランが急増し、どの店でも「WAGYU」がメニューに 載っていたこと。しかし、店員に聞くと、それは和牛ではなくオージービーフ。イスラム系の住民が多いKLでは、豚肉はもちろんダメだが、牛肉も“ハラル” という御祓いが済んでいない肉は食べられない。しかし、牛肉へのニーズは高く、とくに“和牛”は現地の人の憧れの食材なのだ。マレーシアは“イスラム金 融”政策が成功し、中東のイスラム系富裕層が観光に押し寄せてきている。今後は国策として“ハラル食材”のハブ拠点になることを目指している。 いま、講演先の金沢のホテルでこの原稿を書いているが、昨日得た情報では、地元の有名な高級割烹である「A」の顧客はいま85%が中国、台湾の客だ という。とくに小松空港と直行便のある台湾からは観光客が押し寄せてきている。ローカルがグローバル化している。これは金沢だけのことでなないが、日本の 地方都市の食の在り様も大きく変わる時代が来るに違いない。グローバル×ローカル(グローカル)という方程式がどんな変化をもたらすか、それは食を担う飲 食店にとって、今後新しい課題になるだろう。

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