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【フースタ食材特集vol.1】青森県むつ市が誇る、津軽海峡の荒波で育つ養殖サーモン

本州最北エリアに位置する、青森県むつ市。津軽海峡を望むこの地で、サーモンの養殖をしているのはご存知だろうか?最高級品の鮪の水揚地として知られる「大間」も近いことから、旨い魚のイメージはあるだろうが、同地の養殖サーモンが今注目されつつある。何年もかけて確率した波の荒い外海での養殖業。加工事業と連携し、品質の高いサーモンの安定供給を目指す、むつ市の漁師業と加工事業に密着した。


無謀とも言えた挑戦
養殖といえば、一般的には波の立たない内海で行われるものだが、むつ市では、荒れ狂う津軽海峡の外海でサーモンを育て地元事業者が「海峡サーモン」としてブランド化に取り組んでいる。当然、これまでの常識を覆すこの挑戦は誰もが不可能と思ったが、苦節30年、ようやくここ数年で同地ならではの立派なサーモンが安定的に供給できる体制が構築できたのだそうだ。

生産組合と加工事業者の連携
「海峡サーモン」の養殖に取り組むのは、北彩漁業生産組合。同組合は津軽海峡の沖合3km、水深25mに6基の生簀を有している。これまで、荒波によって何度も壊れた生簀だが、改良を重ね続けることでようやく荒れる冬の海にも耐えられる生簀となった。ここで扱うのはドナルドニジマスという品種で、この魚は川で生まれ海に下るという習性があるのだという。2年間淡水で育てたあと、数日間かけて少しずつ海水に馴らしてから生簀に移し、エサを与えながら約8か月かけて育てていく。大きなもので体調は50〜60cm、重さは6kgを超えるまでに成長する。津軽海峡の厳しい環境の中で鍛えられたサーモンは、引き締まった身とさっぱりとした品の良い脂が特徴的で、口当たりのよいなめらかな食感がたまらない。


旬が短いからこそ、加工技術にこだわる
旬は5月〜7月にかけてで、生食が楽しめるのは非常に短い期間だ。活〆で出荷するサーモンは、生簀から一匹ずつ網ですくいあげ、すぐさま船上で脱血処理を施し氷水を張った水槽で冷却する。こうすることで鮮度を保ち、美味しい状態を極力キープしたままサーモンを客へ届けている。旬の時期以外は冷凍品として出荷している。ホテルや飲食店へ卸す業務用のフィレなどのほか、小売用商品も様々に展開しているが、こうした一連の製品加工を担うのは株式会社北彩屋(青森県むつ市、代表 能戸みか子氏)だ。港からすぐの場所に、昨年加工場を新たに整備し環境を整えた。1年のなかで冷凍出荷期が長いことから、冷凍品であっても美味しく味わってもらえるようにと、凍結技術にもこだわっている。



同社では液体凍結機を使って素早く凍結。細胞破壊を極力抑え、凍結ムラを起こさず、解凍時にも旨味成分を漏らすことなく生に近い食感で食べさせたいと気を配っている。生産組合と事業者がグループとなり、一貫したチェック体制を確立して安全・安心なのはもちろん、質の高い商品づくりに努めている。


養殖に対しての一般的なイメージは、まだ明るくない部分も多い。しかし、「海峡サーモン」は自然の海に近い環境で育てながら、自社で管理しているエサのみを与えていることから、安全性に対しては自信が持てると北彩生産組合の濱田勇一郎氏はいう。「『食べたものが自身の体をつくる』という考え方は、人間でも魚でも同様。我々の『海峡サーモン』は美味しいだけではなく、安全であることもお客様にちゃんとお伝えし、価値を理解してもらいたい」と語る。

(取材=小野 茜)

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