上目黒5丁目にアブサン専門バー「The Condition Green」がオープン。芸術家たちを魅了した“禁断の酒”100種を揃え、オリジナルアブサン作りにも意欲を見せる

夢は、世界で一番おいしいアブサンを、自分の手で作ること

前所氏の願いは、ひとりでも多くの人にアブサンの魅力を伝えること。19世紀、パリの街では夕方になるとカフェでアブサンを楽しむ人々の姿が当たり前のように見られたのだとか。そんな“グリーンアワー”と呼ばれた光景を、この上目黒の街で再現したいという。「16時から開けているので、これから夕飯の準備をする主婦の方だったり、お子さんがいる方にも気軽に使っていただけたら嬉しいですね。アーティストの方たちにも、新しいカルチャーの発信地として、ギャラリーを活用していただけたら」。

今のところ提供しているフードは軽食のみだが、今後はアブサンと料理とのペアリングの提案や、元世界史教員のスタッフ・小田悠太氏によるセミナーなども企画している。さらに「自らの手でアブサンを世界一美味しいアブサンを造りたい」という夢に向けてプロジェクトも進行しており、早ければ来年には自身がプロデュースしたアブサンが発売される予定だ。

かつて“禁断の酒”と呼ばれ、ゴッホやモネなど多くの芸術家たちを虜にしたアブサン。近い将来、前所氏のアブサンが“大衆酒”として親しまれ、現代のアーティストたちを虜にするかもしれない。

写真左から、歴史背景からアブサンの世界に入り込んだというスタッフの小田悠太氏と、“アブちゃん”ことオーナーの前所優香氏

（取材＝河西みのり）

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