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上目黒5丁目にアブサン専門バー「The Condition Green」がオープン。芸術家たちを魅了した“禁断の酒”100種を揃え、オリジナルアブサン作りにも意欲を見せる

5月8日、上目黒5丁目にアブサン専門バー「The Condition Green」がオープン。30歳からバーテンダーの世界に飛び込んだという店主の前所優香氏は、恵比寿の薬草酒専門カクテルバーでアブサンに出合い、その独特の香りや味わいに加え、歴史や1本1本が持つストーリーに魅了されたという。現在、約100種のアブサンを揃えるほか、世界で一番おいしいアブサンを造るという夢を掲げ、原料のニガヨモギ(ワームウッド)の栽培などにも取り組んでいる。


さまざまなハーブの香りが凝縮されたアブサンの魅力の虜に

「The Condition Green」がある上目黒5丁目は住宅街だ。中目黒や池尻大橋、祐天寺の各駅から徒歩で約15分、代官山や三宿方面へは20分強と、アクセスがいいとは言い難いが、「私にとってここは、理想の場所」と前所氏は微笑む。「例えば中目黒に行くときにちょっと寄り道したら思わぬ発見があったり、新しいことをはじめたくなったり、そんな拠点になれたらいいなと思っているんです」。

そんな前所氏がバーテンダーを志したのは30歳のとき。それまでも酒を出す店で働いてはいたが、「カウンターに立つお仕事って、ひとつの“ショー”だと思うんです。もともと表舞台に立つことが好きだったということもあって、華やかでドラマティックなバーテンダーに憧れました」と思い切って転職した。まずは麻布十番のオーセンティックバーで、さまざまな酒の知識やカクテルの作り方など、バーテンダーとしての基礎を身に着けた。さらに知見を広げたいと入店した恵比寿の薬草酒専門カクテルバーで、アブサンとの衝撃的かつ運命的な出合いを果たす。「そのバーには100種類ものアブサンが揃っていて、『アブサンってそんなにたくさんあったんだ!』と驚きました。アブサンの魅力は、ひと言で例えがたい味わい。アルコール度数の高いスピリッツに10種類前後のハーブを漬け込んで造られるのですが、それぞれのハーブの香りや味が混ざり合うことで、初めて生まれる味わいなんです」。

ワインやウイスキーに関する専門書籍は多く出回っているが、日本ではマイナーゆえ、便利なインターネット時代においても情報がほとんど手に入らない。そこでフランス語や英語を駆使して、アブサンに関するさまざまな情報を調べるにつれ、どんどんのめり込んでいった。「自分が調べた情報をもとにお客さまとのコミュニケーションも広がっていって。ちょっと“アブサンソムリエ”のような気分でした(笑)」。

その後、フレンチレストランで料理とカクテルとのペアリングを学ぶが、やはりアブサンに特化した仕事がしたいと思うように。畑を借りてアブサンの原料となるワームウッド(ニガヨモギ)の栽培をはじめたほか、スイスやフランスなど世界各国のアブサン蒸留所へも足を運んだ。さらに、国内各地のバーやイベントでゲストバーテンダーとしてアブサンを使ったカクテルをふるまったり、アブサンの魅力を伝えるセミナーを開催したりと、アブサンの魅力を広める“伝道師”として活動を続けた。そんなときに知人から、現在の物件でバーをやってみないかと声をかけられたという。「ここはかつて、ベーシストの照井利幸さんのアパレルショップだった場所で、店内のデザインも照井さんが手がけているんです。この世界観を残したまま、この場所で新しいことをやってみないかと言われたとき、絶対にやりたい!と思いました」。アーティスティックな店内はカウンター9席、テーブル席2席。天井まである棚に、アブサンのボトルがずらりと並ぶ様子は圧巻だ。2階の畳張りの空間はギャラリーとして貸し出しも行っている。

ガラス張りの路面店は明るい雰囲気。中に人がいれば明るい時間帯でも「今日は早いね」と近隣に住む常連客が挨拶に訪れる

内装は前の持ち主の世界観を活かしつつ、天井まで届く棚にアブサンをずらりと並べるなど夢を実現。資金はクラウドファンディングで得たという

店舗データ

店名 The Condition Green(ザ・コンディション・グリーン)
住所 東京都目黒区上目黒5-4-8

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アクセス 東急東横線中目黒駅、祐天寺駅、東急田園都市線池尻大橋駅から各15分
電話 050-1091-4424
営業時間 日~木16:00~24:00、金、土16:00~翌2:00
定休日 なし
坪数客数 約6坪カウンター9席、テーブル2席
客単価 3000円
オープン日 2022年5月8日
関連リンク The Condition Green(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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