お客として足を運んだ「汁べゑ」に憧れ、楽コーポレーションへ
「福味み」があるのは、恵比寿駅西口から恵比寿銀座通りを進み、恵比寿南二丁目交差点に建つビルの2階。道路側に広く窓が設置されているからか、空中階ながらも開放感がある。「この物件を見つけるのも、見つかってからもなかなか大変だったんですよ」と笑う福留氏は宮崎県出身。料理人を目指して18歳で上京し、調理師専門学校を経て日本料理店に就職したものの、働く環境に満足していなかった。そんなときに、お客として訪れた楽コーポレーションの「汁べゑ 渋谷店」で感動したという。「僕が働いていた店は完全にクローズドキッチンだったので、お客さんと会話したり、目の前で魚を捌いたりしている様子を見て、いいなぁと思ったんです。自分もこんな仕事がしたいと思いながらもう1度行ったら、予約でいっぱいだからと系列の『BISTRO三十五段屋』に案内されたんです。そこで当時の店長が働く姿が本当に格好良くて。その場で『来月から働かせてもらえませんか』とお願いしました」。
23歳で入社し、初めて配属された「汁べゑ 下北沢店」を皮切りに、「サカバ ゑびす堂 恵比寿店」、六本木「東京ワイン倶楽部・楽」(現在は閉店)、神泉「楽椿」、「神楽坂 椿々」を経て退職。その後、六本木時代に親交があった創作海鮮料理店「魚輝」のオーナーに誘われ、2号店の立ち上げを手伝うことに。「魚輝で働くことになった背景には、居酒屋として生き抜いていくためにもうひとつ何か学びたいという思いがありました。さらに物件が見つかるまでの間は、楽の先輩である小嶋崇嗣さんが運営する『座魚場まるこ』でお世話にもなりました。結果的に、色々な業態の店で働かせてもらえたことは、貴重な経験でしたね」。
コロナ禍、さらに個人事業主ということもあって、恵比寿駅界隈での物件探しには相当苦労したという。ときには不動産屋で門前払いを食ったこともあったのだとか。物件探しを始めてから1年あまり、ようやく縁あって借りることができたのは、長らく美容院だった物件。駅から徒歩3分の好立地だが、空中階だ。この場所を選んだ理由を尋ねると「独立するなら、大きなターミナルでやりたいという思いがありました。恵比寿はいろんな場所との中間地点でもあるし、『恵比寿だったら行ってもいい』と思う方が多い街ではないかなと。僕は路面店にはこだわっていないんです。むしろ、目的を持って来ていただける店を作ることができれば、2階でも戦えると思いました」と福留氏。「A-SWITCH」の秋本純一氏の手により、ほどよく高級感がありながらも、肩肘張らずに食事が楽しめる、落ち着いた空間を作り上げた。
店舗データ
店名 | 福味み(ふくみみ) |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区恵比寿南2-3-15oakビル2F |
アクセス | JR恵比寿駅西口から徒歩3分 |
電話 | 03-6303-1654 |
営業時間 | 17:30~23:30 |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 14.5坪22~24席 |
客単価 | 7000円 |
オープン日 | 2022年9月13日 |
関連リンク | 福味み(Instagram) |