「ボトルキープ」を通じて、1本の酒をじっくり好きになってほしい
中目黒と池尻大橋を結ぶ、山手通りから1本入った野沢通り。昔ながらの喫茶店や定食屋などローカルな店が軒を連ねる一角に「BEEP/Bottle Keep Place(ビープ ボトルキーププレイス)」が開業した。実はこの物件も、ほんの少し前までうなぎ屋だった場所。「The World Gin&Tonic〔Antonic〕」(以下、Antonic)のメンバーにとっても、開業する前日に景気づけにうなぎを食べたという思い出の地だ。
「もともとジントニック専門店としての店舗展開は考えていたのですが、ご時世もあってもう少しゆっくりになると思っていました。そんな中お隣が畳むというお話を伺ったんです。それで、ぜひ私たちに挑戦させてほしいと申し出ました」とディレクターの武田光太氏。
まさかすぐ隣で2店舗目を開業することになるとは想像すらしていなかったが、これはご縁だと物件のオーナーにかけ合い、そのままスムーズに契約手続きは進んだ。
「ただ、コンセプトの前に物件が先に決まってしまったので、1からビジネスモデルを組み立てる作業が大変でした。この立地ならではのやり方があるはずだ…と考えて辿り着いたのが“ボトルキープ”です」。
かつて海外研修でイギリスやスコットランドのバーをめぐった際に、世界中のアルコール類が、地域によって高い輸送コストや関税がかかったりせず、適正価格で提供できる日本は他国と比べて珍しいことを理解したという武田氏。この恵まれた環境と、日本特有の文化である“ボトルキープ”を組み合わせ、「時間をかけて商品の魅力を伝える」ことを目指した。
「メーカー勤務時代、ウイスキーを飲み歩いている方の多くは、名前や産地は覚えていても、1本1本の特徴を言える方が少ないと感じていました。ウイスキーは同じ産地や原料で造られたものでも、蒸留方法や樽、熟成の違いなどでも味わいに違いが出るので、1杯ずつ飲み比べるだけではなかなか覚えられないんですね。でも、気に入ったお酒をボトルキープして時間をかけて1本飲んでいくと、味わいはもちろん、それぞれの製法や生産者の思いなどストーリーを自然と覚えてしまうものです。商品の魅力をしっかり伝えるには、このスタイルが最善ではないかと考えました」。
ボトルキープといっても、スナックのように氷やソーダを目の前に置かれてお客が自ら酒をつくるスタイルではなく、1杯ごとにバーテンダーが好みの飲み方に合わせて酒をつくり提供する。ホテルのバーをイメージしたという店内は、上質ながらも肩肘張らずに楽しめる空間だ。コの字型のカウンター席や個室からはセラーの様子を覗くことができる。
店舗データ
店名 | BEEP/Bottle Keep Place(ビープ ボトルキーププレイス) |
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住所 | 東京都目黒区東山1-9-13 |
アクセス | 東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒」駅より徒歩9分 東急田園都市線「池尻大橋」駅より徒歩10分 |
電話 | 070-8381-8591 |
営業時間 | 18:00~24:00(L.O.) |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 10坪14席(カウンター10席、個室1卓4席) |
客単価 | 3000円~ |
オープン日 | 2022年6月12日 |
関連リンク | The World Gin&Tonic〔Antonic〕(記事) |
関連リンク | BEEP / Bottle Keep Place(Instagram) |