飲食に興味を持ったIT起業家と、新しいことに挑戦したい料理人の思惑が合致
1923年の関東大震災後に開発が進み、戦後は渋谷の中心地として栄えた百軒店。今もなお多くの老舗が立ち並ぶが、最近では新興の飲食店も増えている。そんな百軒店にオープンした「KAMERA(カメラ)」が話題だ。青いネオンが妖しく光るファサード。立ち飲みを中心としたスタイリッシュながらもカジュアルな造りで、渋谷の大人達が気軽に立ち寄れるスポットとして認知が広がっている。
運営はgood-eye。同社の代表で、IT分野で活躍する目良慶太氏と、三軒茶屋の「Bistro Rigole(ビストロ リゴレ)」オーナーシェフの亀谷 剛氏がタッグを組んで生まれた店だ。目良氏は、新卒で入社したサイバーエージェントに7年間勤務し、その後は複数のIT企業の立ち上げに関わるなど活躍してきた起業家。一方の亀谷氏は、数々の名店で経験を積んできた生粋の料理人だ。島根県隠岐島で食堂を営む両親のもとに生まれ、調理師学校を卒業後は、四ツ谷のフランス料理店「スクレ・サレ」(現在は新宿御苑に移転)で学ぶ。その後はフランスで3間修業。帰国後は古巣の「スクレ・サレ」や白金台の「ルカンケ」でシェフを務めたのち、2014年、三軒茶屋に「Bistro Rigole」をオープンし独立した。伝統的なフランス料理をベースにしつつ、亀谷氏なりのオリジナリティを加えた料理は評判となり、2018年、2019年にはビブグルマンも獲得している。
IT起業家と料理人、一見すると接点のなさそうな2人だが、出会いは20年前、池袋のフレンチ「GINTO」だった。目良氏は当時大学生で、亀谷はフランス修業に行く前のタイミングで渡仏資金を捻出するため、2人は同時期にアルバイトをしていた。その後、互いに異なる分野で活躍しつつも親交は続いていたという。今回ともに飲食店をオープンした理由について、目良氏は「私はもともと飲食に強い興味があり、大学卒業後は料理人になろうかと考えたこともあるくらい。結局、ITの道を選びましたが、事業を企画するのと飲食店を作るのに共通点は多い。昨年にはサイバーエージェント時代の友人、小柳津林太郎とヘルシービビンバのデリバリー業態『イテウォンボウルズ』の立ち上げを経験し、やはり飲食ビジネスは面白いと再認識。一方、亀谷も8年にわたり『Bistro Rigole』を切り盛りしていましたが、何か新しいことにチャレンジしたいという思いがあったようで。私が『一緒に飲食店をやろう』と声をかけました」と話す。
店舗データ
店名 | KAMERA(カメラ) |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-20-5 1F |
アクセス | 渋谷駅から徒歩5分、神泉駅から4分 |
電話 | 050-3552-4065 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 13坪33人 |
客単価 | 3000~4000円 |
運営会社 | 株式会社good-eye |
オープン日 | 2021年10月26日 |
関連リンク | KAMERA(Instagram) |