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月島に「ategatte(あてがって)」がオープン。30代前半の2人で立ち上げた、和食ベースの上質なつまみにワインや日本酒を“あてがう”カウンター割烹

2019年11月4日、月島に「ategatte(あてがって)」がオープンした。和食をベースにしたアテに、ワインと日本酒が楽しめるカウンター割烹だ。代表で料理人の松本洸和氏と、サービス・酒を担当する永友雅晴氏の30代前半の二人で立ち上げ切り盛りする。閑静な住宅街にありながらも、感度の高い地域住民を中心にじわじわと人気を集めている。

駅から徒歩1分ながらも薄暗い通りにひっそりと立地。近くには住宅街が広がり、タワーマンションもある
4ヶ月ほどデザイナーと議論を重ねて完成させた、1枚板のカウンターが映える店内。すし店のような高級感を意識し、極力シンプルな空間に仕上げた。カウンターのみだが、奥の折り返し部分で4名まで対面でテーブル席のように利用できる
内容はおまかせの「アテ盛り合わせ」。注文に迷ったときにおすすめだ
多くのメニューは日替わりだが、人気の「ゴロゴロベーコンとほうれん草のポテトサラダ」(900円)は常時オンメニューされる一品
写真左から代表の松本洸和氏と、永友雅晴氏

料理の経験を積み、同僚とともに2人で開業

酒にアテを「あてがう」ことから命名した「ategatte」。コンセプトは、「一言で言えば、僕が行きたい店」と代表の松本洸和氏は言う。同氏と永友雅晴氏、2人のセンスを詰め込んだ料理やドリンクが、夜な夜なカウンターから繰り出される。

松本氏が本格的に飲食の道に入ったのは、大学卒業後。大学時代は経済学部に在籍しながら居酒屋のアルバイトに打ち込んでいた。就職活動を経て証券会社に内定をもらうも、将来やりたいことを考え直そうと、入社前に辞退した。アルバイト先の大将に今後の身の振りを相談したところ「今まで最もお金を使ったことは何?」という疑問を投げかけられたという。「食べることやお酒を飲むことが好きだったので、そう答えました。大将からは、『じゃあ、それが興味あるということなんだから、その道に進んだらどうだ?』とアドバイスをもらって。それに、僕はお酒が好きで、飲みながらできる仕事がしたいとも思って(笑)。ホールだと顔が赤くなるとまずいので、キッチンなら!と、最初はそんな軽い理由で、料理の道へ進むことにしたんですよ」と松本氏は話す。

それから、海鮮居酒屋、フレンチ、鉄板焼き、ワインビストロで多様な経験を積んできた松本氏。当初は古くからの友人と2人で独立するつもりだったが、友人の家庭の事情により断念。1人で独立するつもりでいたところ、ワインビストロの同僚だった永友雅晴氏と2人で開業することに。永友氏はバーやレストランでサービスやワイン、マネジメントなどを経験してきた人物。松本氏と永友氏は年齢も1つ違いということもあり意気投合した。

地元の人の助言から月島エリアに焦点を定め、苦難の末に物件を契約

開業の地に選んだのは月島だが、「縁もゆかりもなかった」という。「当初は馴染みのある中央線沿いで物件を探していましたが、永友の馴染みのお客様は港区や東京東部に多かったので、そちらにも範囲を広げて探しました。が、なかなか理想に合う物件はなかなか見つかりませんでした」と松本氏は振り返る。物件探しをする中、門前仲町で会場を借りて20日間ほどの期間限定で、開業準備を兼ねてコース料理とペアリングドリンクを提供するイベントを実施した。そこに来た地元のお客から「こういう料理と酒をカウンタースタイルで提供する店をやりたいなら、月島や勝どきが穴場ではないのか」とアドバイスをもらったという。

そこから同エリアで物件探しを開始。「ローラー作戦」と称して自ら街を練り歩き、空き物件を見つけて手当たり次第に交渉をした。その末に見つかったのが8.5坪の同物件だ。駅から徒歩1分ではあるものの、閑静な住宅街エリア。「人通りが少なく集客に不安はありましたが、かれこれ1年以上は物件を探し続けていたので、これ以上時間をかけたくなかった。神様からの試練だと思って、ここで頑張ろうと決めました」と松本氏は話す。

仕込みは最低限でオーダー後に調理。作りたての美味しさ&素材本来の味を訴求

松本氏が腕を振るう料理は、酒に合う冷菜が中心に約25品を日替わりで用意。手を加え過ぎず、素材そのものを楽しめる料理がモットーだ。仕込みは最低限にとどめ、できるだけオーダー後に作ることを重視。提供時間はかかるが、ロスがなく、なにより作りたてのおいしさを訴求できる。いずれもワインや日本酒に合わせることを前提とした“アテ”であることが信条だ。

アテの一例として、「カツオの酒盗 生からすみ和え」(700円)、「能登名産ぬか漬け盛り」(900円)、「朝採れの白子ポン酢」(800円)、「なまこの酢の物」(600円)、「白貝の酒蒸し バター醤油仕立て」(1000円)など。松本氏が能登出身であることから能登産の海鮮や、松本氏が好物だという白子や肝などのプリン体を多く含む食材が多用される。メインに用意する「A5ランク黒毛和牛ステーキ」(10g150円、100gから)は、赤字覚悟の品。リゾットやパスタなどの〆はメニューにはないが、リクエストに応じて用意する。

ドリンクのセレクトは主にワインやバーテンダーの経験が長い永友氏が担当。ワインは赤・白でグラスは各4品を用意し900~1800円、ボトルは4800円~。南アフリカのナチュールワインなど、和食の出汁に合う繊細なものを中心に揃えている。日本酒はワインのような味わいものなど、珍しい銘柄を中心にラインナップし、グラス600円~、一合900円~。加えて「サッポロ黒ラベル」(650円)や「ナチュールレモンサワー」(650円)、「お茶わり」(500円)、ウイスキーも用意する。

閑静な住宅街で、長く続く地域密着店を目指す

開業から約2カ月、近隣住民を中心に少しずつだがリピーターが増えているという。「開業してから感じたことですが、この静かな住宅街エリアで開業してよかった。駅をはさんで反対側には『月島もんじゃストリート』があり、観光客でにぎわっていますが、僕らが目指すのは地域密着店。1回きりで終わるのではなく、何度も通ってもらえる店でありたい」と松本氏。「店を繁盛させて儲けたいといった考えはありません。独立して自分達がやりたいことを自由に表現できるのが嬉しい。それを評価してもらえればこれ以上のことはないですね。無理はせず、長く続けることが目標です」とも話す。

(取材=大関 まなみ)

店舗データ

店名 ategatte(あてがって)
住所 東京都中央区佃2-8-5
アクセス 月島駅6番出口から徒歩1分
電話 03-3520-8671
営業時間 【月・水~土】17:00~23:00【日・祝】15:00~21:00
定休日 火曜(3月からは日曜定休)
坪数客数 8.5坪12席
客単価 6000円
オープン日 2019年11月4日
関連リンク ategatte(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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