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野毛に「大衆ホルモン酒場三代目 藤丸」がオープン。三重県の地元グルメ“味噌ダレホルモン”を武器に居酒屋激戦区で勝負。将来的には多店舗展開、FC化も視野に

8月16日、日ノ出町駅から3分、飲み屋街として知られる野毛エリアに「大衆ホルモン酒場三代目 藤丸」がオープンした。運営は、ベンチャー・リンク出身の木ノ内 謙氏が代表を務め、飲食店のプロデュースなどを行う5-DIMENSIONS(東京都港区)。三重県のローカルグルメである、味噌ダレを絡めたホルモン焼”味噌ダレホルモン”が名物の大衆酒場だ。多店舗展開やFC化を視野に入れたメニューと業態に注目したい。

看板で「大衆ホルモン酒場」「大衆酒場」、暖簾「たれ焼肉」「たれホルモン」を大きくアピール。大通りの向かい側からでも目につく外観で、ウィンズ横浜 JRAの利用客にも訴求
16坪27席。壁にポスターや短冊メニューを貼り、酒場らしい雰囲気を演出
名物の「和牛 藤丸ホルモン」は、希少な和牛ホルモン使用。オーダーがはいったときに自家製発酵味噌ダレを混ぜる
「和牛 藤丸ホルモン」はスタッフが焼き方をレクチャーし、最も美味しい状態で食べてもらう。お客とのコミュニケーションのきっかけにもなる
特製塩ダレを使用した「名物きゅうり」などサイドメニューも充実
左から店長の荒木 研治氏、代表の木ノ内 謙氏

(取材=福井 晶)


大手ベンチャーキャピタルで飲食経営を学び、新規店舗のプロデュース事業などを展開

代表の木ノ内氏は、FC展開を中心に企業支援を行っていた投資機関、旧ベンチャー・リンクに4年間勤務した後に独立した経歴を持つ。当時は、西日本を中心に飲食店の立地開発や開業支援、FC加盟店開発、SV業務に従事。同時に、全国の名店を訪れて食べ歩きながら、熱意ある飲食店オーナーとともに働くうちに、自身でも飲食で事業を立ち上げたいと思うようになったという。

5-DIMENSIONSは設立13年目。同社の事業は、新規店舗のコンサルティングやFC店の展開支援、ハワイで人気のガーリックシュリンプ店「ブルーウォーターシュリンプ」の海外ライセンス管理や中国でのラーメン店の展開をはじめ、JETROと手を組み貿易を行うなど、多岐にわたる。由比ヶ浜の海の家やラーメン店など、直営の店舗経営も手がけた実績をもつ。また、ここ数年は自社にデザイナーを抱え、店舗の内装やロゴデザインを含めたトータルプロデュースに力を入れ、多店舗展開するブランドのプロデュースでも成功を収めている。

味に惚れて10年の三重ローカルグルメ、”味噌ダレホルモン”で展開型の新業態を開発

「大衆ホルモン酒場三代目 藤丸」の開業は、これまで得たノウハウをもとに、自社での店舗展開やFC化ができる業態を作りたいという想いからはじまった。木ノ内氏は、今の時代の景気と、少子化による人手不足を考慮すると大箱での飲食店開業は難しいと判断。「家賃やオペレーションから、スタッフ2、3人で回せる規模の業態が展開しやすく、リスクも低いと考えました。加えて、重要視したのが専門的でリーズナブルな料理。これらが揃えば独自のマーケットが開拓できると確信しています」と話す。そこで業態のベースに据えたのが、同氏の惚れ込んだ三重県の一部で食べられるローカルグルメ”味噌ダレホルモン”だ。「味噌ダレホルモンは、肝となる味噌ダレを作り置きすれば、ホルモンに絡めるだけで提供できるため、職人なしでも営業ができます。会社員時代から、三重の有名焼肉ホルモン店に通って研究していたのが、10数年越しに日の目を見ました」と同氏。

業態を“焼肉ホルモン店”でなく“大衆ホルモン酒場”としたのは、周辺の客層を踏まえ、来店ハードルを下げる狙いがある。「美味しいホルモンを広げたい一心で、とにかく一度食べてもらいたいと考えました。この辺りはハシゴ飲みをするお客様が多く、サク飲みもできる店という印象を与えたかった」と同氏。ターゲット層は絞らず、老若男女が入りやすい酒場を目指し、客単価を3000円に設定。味噌ダレホルモンを武器とした”焼肉ホルモン×大衆酒場”の業態が完成した。

あえて飲食店激戦区・野毛に飛び込み、業態をブラッシュアップ

野毛に店を構えたのは、焼肉ホルモン店や居酒屋の激戦区であることが大きな理由だ。「このエリアは、舌が肥えていて、コストパフォーマンスを気にするお客様が多いです。あえて激戦区で揉まれることで業態をブラッシュアップさせ、店舗展開できる実力をつけたいと考えました」と同氏。

これまでの人脈もあり、店舗立ち上げを決めてから、約半年ほどの短い準備期間で開業できた。物件は駅から少し離れた大通り沿い。野毛の飲み屋街の終点で、道を挟んだ向かいには場外馬券場のウィンズ横浜 JRAもある好立地だ。近くに「大衆酒場 酒呑んで飯食って蛙之介 野毛店」など、20代に人気のある居酒屋も点在し、幅広い年齢層の来店も見込めるという。店舗は16坪27席。内装は元ラーメン店の居抜きを自社で設計デザイン。カウンターなどを取り払い、大衆酒場らしく改装。ロースターでホルモンを焼いても煙がこもりにくいよう設備を整えた。座席は丸椅子にすることにより、大人数のグループ客でも1テーブルで座れ、フレキシブルに対応できる。

名店直伝、青森産にんにくと八丁味噌の無化調ダレを開発

名物の「和牛 藤丸ホルモン」(680円)は、オーダーを受けてから特製の味噌ダレを肉に絡め、軽く発酵させてから提供。お客がロースターで焼いて食べる。特製味噌ダレは名店の指導を受け、試行錯誤の末、完成させた秘伝の味だ。無化調で青森県産のにんにくと八丁味噌などを混ぜ合わせ、体に優しく味が濃くても食べ疲れしない味に仕上げたという。ホルモンは独自のルートで仕入れた和牛のみを使用。大ぶりにカットし、脂身のぷるんとした食感と上質な口どけがお客の印象に残るよう仕上げた。木ノ内氏は「味噌だれはまろやかな味わいでありながら、塩分濃度が高く、ハイボールやチューハイが進む。酒好きの多いこのエリアの需要にマッチするはず」と話す。

焼肉メニューは他にも「醤油牛カルビ」(680円)、「朝取れレバ味噌」(480円)などの牛肉をはじめ、「味噌ダレ豚カルビ」(480円)、「豚ホルモン」(360円)などの豚肉、「塩ダレ鶏モモ」(360円)などの鶏肉も用意する。また、ご飯もの、スープ、サラダ、デザートなど焼肉店の定番メニューも揃えながら、大衆酒場らしく「名物きゅうり」、「自家製味噌ダレ肉どうふ」(380円)、「蛍烏賊の沖漬け」などの一品料理を18種類ラインナップする。

ドリンクは、ジャンボサイズの「男前生ビール」(760円)や、「ホッピーセット」(390円)、「ハイボール」(290円)をはじめ、サワー類や「かちわりワイン(赤・白)」(各390円)、日本酒、ソフトドリンクなどを幅広く用意し、ほとんどを500円以下で提供する。焼酎は「もぐら」「泰明」(各480円)など、常時6種類以上を用意。今後は”ホルモン×焼酎”のペアリングも訴求していく予定だ。

現在の平均の客単価は3000円ほど。休日はスタッフ3人で営業し、30万円以上の売り上げることもある。平日は地元住民、休日はウィンズ横浜 JRAの利用客や野毛へ遊びに訪れるお客が多く、老若男女が入り混じる。「ホルモン焼肉に馴染みのない女性にも好評で、女子会で使われることもあります」と同氏。当初の狙い通り、ハシゴ酒目的のサク飲みから、じっくり飲んで食べるお客までを取り込み、幅広い需要をカバーできているという。

目標は2020年中に、直営で2店舗開業

将来的にはFC化を目指しており、2020年は直営店を2店舗増やすことを目標としている。木ノ内氏は「直近は、リピート率をあげるノウハウを蓄えていきたい。ここをスタート地点に強いチームを作り、確実に店舗を広げていきたいです」と語り、しばらくの間は新たな業態を作らず、「大衆ホルモン酒場三代目 藤丸」ブランドの根が張るまで、じっくり育てていく予定だ。多くの業態を経験し、数々の店舗立ち上げに携わってきた同氏の意気込みが伺える。

店舗データ

店名 大衆ホルモン酒場三代目 藤丸
住所 神奈川県横浜市中区宮川町2-47

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アクセス 日ノ出町駅から徒歩3分
電話 045-326-6003
営業時間 17:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 16坪27席
客単価 3000円
運営会社 株式会社 5-DIMENSIONS
オープン日 2019年8月16日
関連リンク 大衆ホルモン酒場三代目 藤丸(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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