【新・外食ウォーズ】ホルモン焼肉「伊藤課長」、ステーキなど肉の専門店業態、海外展開で反転攻勢へ――居酒屋苦戦を受けて つぼ八 社長 塩野入 稔 15.05.11 Tweet
創業42年を迎えた「つぼ八」(東京都中央区豊海町)が伸び悩む主力の居酒屋事業の立て直しと、ホルモン焼肉「伊藤課長」、「牛たん ささ川」、ステーキ店「ニューヨーク ステーキ ファクトリー」など、肉の専門店業態を開発・展開し、反転攻勢に出ている。「つぼ八」は居酒屋の神様の愛称を持つ石井誠二が1973年に札幌市西区琴似で、洋風居酒屋「北海道つぼ八」(店舗面積8坪)を創業したのが始まりだ。78年に北海道でフランチャィズチェーン(FC)展開を開始した。82年に総合商社のイトマンと合弁で東京に「株式会社つぼ八」を設立、全国展開に踏み切った。イトマンは85年に「つぼ八」の経営権を確立した。後にイトマンはイトマン事件で破綻し、住金物産が93年に吸収合併した。住金物産は2013年に日鐵商事と合併、現在の日鉄住金物産となった。「つぼ八」はバブル時代に直営・FCで多店舗化を推進、バブル崩壊後の2000年には全国550店舗展開した。だが、その後競合の激化、道交法の改正、少子高齢化の進行、若者のアルコール離れなどの逆風が吹き荒れ、加盟店の減少と不採算の直営店が増加した。08年6月に社長に就任した塩野入は10年に直営の30店舗をはじめ、人員削減も含めた大規模リストラに踏み切った。その結果現在までに「つぼ八」の店舗数は260~270店舗まで減った。ちなみにFC化比率は約8割、FCオーナーは約140人。14年3月期の売上高は約88億円、経常利益は4億円。ヒット業態のホルモン焼肉「伊藤課長」などの多店舗展開で活路を拓こうとしている。…