飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

浅草橋に10タップのクラフトビールと炭酸5種×ウイスキー60種=300種のハイボールで勝負する「HICRA.」が開業。「KUHNS BAR」の2店舗目

浅草橋駅から徒歩3分。大きな斜めがけの暖簾が目印
8坪の店内。カウンター9席に、2名掛けテーブルが1台、外に7席、計18席を配置。立派な木製のカウンターとタップがこだわり
「ハイボール」。気軽に楽しめるようにウイスキーは350円〜、炭酸は100円〜とリーズナブルな価格設定
「ガーリックシュリンプ」(S 600円)、バーニャカウダー 冷製アンチョビディップ(S 550円)。クラフトビールとも、ハイボールとも好相性
写真左からスタッフの工藤綾音氏、上村龍徳氏。親しみやすいトークで店全体の雰囲気を盛り上げる

10月26日、浅草橋で「KUHNS BAR(クーンズバー)」を経営する千葉 潤一氏が飲食経営10年目にして、2店舗目「HICRA.(ハイクラ)」をオープンさせた。「KUHNS BAR」は自転車をテーマにしたスポーツバーだが、今回オープンさせた「HICRA.」はコンセプトを大きく変え、クラフトビール10タップと炭酸5種×ウイスキー60種で合計300種類のハイボールを提供する専門店だ。クラフトビールとハイボール、同氏が愛する2つのドリンクをコンテンツとして工夫を凝らし、新たな業態に挑む。

アメリカ、イギリス留学で得たクラフトビールとウイスキーの知識

千葉氏が飲食業界を志したのは、海外2カ国にわたる留学経験から。アメリカとイギリスの学校で学びながら現地のパブやスポーツバーで働いた。クラフトビールやウイスキーへの知見を深め、次第に飲食店経営という夢を抱くようになった。
帰国後は目標に向けてハードな日々を数年過ごす。朝の8時から夕方の6時までは家業である花屋の社長、7時から夜中の2時までは銀座のバーで働くこと週6日。寝る暇も惜しんで、飲食のノウハウを習得した。念願叶って「KUHNS BAR(クーンズバー)」を開業。オープンから10年が経ち、同店の経営が安定してきたことから、2店舗目をオープンさせた。

冷蔵設備はそのままに魚屋をリノベーションした店舗

「同じ浅草橋で至近距離に店を出すには、1店舗目とコンセプトを大きく変える必要があった。」1店舗目はアメリカのガレージをイメージしたスポーツバー。2店舗目の「HICRA.」はもともと魚屋だった物件をリノベーションし、外国人がイメージする日本料理店をテーマに店を仕上げた。“和”のイメージさせる斜めがけの大きなのれんと店構えは、浅草橋周辺のホテルに宿泊する外国人観光客も呼び寄る狙いも。外観や内装だけでなく、お店のメニューなども大きく変えたことで、相互に行き来するお客も多いという。
店内は8坪18席。内装は魚屋時代からあった刺身用のショーケースや流し台などの設備をうまく活かした。昔はマグロが入っていたという大型冷蔵庫にビール樽をそのまま保管するアイデアには脱帽だ。千葉氏は生まれが浅草橋のため、店舗をリノベーションするような今回の取り組みは、今後もやってみたいと語る。

クラフトビールの銘柄を入れ替えて顧客づくりのきっかけに

店の主力商品はなんと言ってもクラフトビールとハイボール。クラフトビールは、カウンター奥に10タップが揃い、S・M・Lの3サイズで提供。Sサイズは600円・650円、Mサイズは900円・1100円、Lサイズは1500円・1700円と2段階の価格で割りふられる。ラインアップは、千葉氏が好きなアメリカのブルワリーのものを中心にクラフトビール専門業者と相談しながらセレクト。「オープン前、スペースやオペレーション面を考えると『10タップは多いのでは』という声も聞かれた。常時入れ替わるため、定期的に足を運んでもらうフックになり、導入して正解だった」と千葉氏。「各ブルワリーで原価が違うため、同価格で10種類もの銘柄を維持しながら、利益が出るよう回転させるのは骨が折れる仕事だが、全体を見てうまくやっている」と笑いながら、新しいチャレンジの苦労も語ってくれた。

お客参加型で楽しめるハイボール

「HICRA.」のもう一つの魅力は、300種類のハイボール”が楽しめる点だ。炭酸は5種、ウイスキーはウイスキー5大大陸から各10種+@、合計60種の中から、それぞれ別で注文して自分好みのハイボールを作ることができる。この手法は昔からウイスキー好きだった千葉氏の“遊び”から生まれたという。同氏はここ数年、晩酌でハイボールを飲むのが日課。たまたま間違えて買った炭酸水でハイボールを作り飲んでみたところ、普段味わっているものとの違いに衝撃を受け、炭酸とウイスキーの相性の面白さに着目。30種類以上の炭酸とウイスキーを組み合わせ飲み比べた。「クラフトビールではビール好きしかこないし、ビールだけだとすぐお腹がいっぱいになってしまう。2店舗目を構想するにあたって、お店のウィークポイントにハイボールがうまくハマってくれた」

また、アルコールと割材が別で提供されるスタイルが面白さを倍増させている。炭酸を1本で約2杯分のウイスキーが楽しめ、複数人で炭酸をシェアして様々なハイボールを飲み比べるお客も多い。好みの濃さで飲み進められるのもポイントだ。当初はスタッフがカウンター内でドリンクを作って提供する予定だったが、居酒屋で提供されるホッピーをみて、同じスタイルを踏襲することを考えついた。これを取り入れたことにより、オペレーションも楽になり、“ハイボール”がよりお客参加型のコンテンツになった。

2大コンテンツをうまく組み合わせて客単価もアップ

店の客層は周辺に勤めるビジネスパーソン。1店舗目の「KUHNS BAR」は22時が混雑のピークで早い時間の集客が課題だったため、「HICRA.」ではクラフトビールを武器に気軽に立ち寄れて、“ちょい飲み”に入店しやすい店作りを心がけた。実際、同店は早い時間から混み合い、遅い時間はハイボールで“2軒目”の需要をカバー。幅広い時間帯で集客を維持し、狙い通りに推移している。2つコンテンツを用意することで、嬉しい誤算も生まれた。楽しみ方の幅が広く、予想以上にお客の滞在時間が伸び、客単価も想定より2000円以上高い5000円と好調だ。

フードメニューはアメリカンダイナーの味と和食をバランスよく

フードメニューは某人気アメリカンダイナーに監修を依頼。名物の「ガーリックシュリンプ」(S 600円/L1200円)「バーニャカウダー 冷製アンチョビディップ」円(S 600円/L 1200円)など、アメリカンダイナーのメニューをベースにし、クラフトビールとハイボールにぴったり合う料理を用意。他にも「HICRA風 なめろう」(500円)や、「HICRA風 牛のしぐれ煮」(600円)など、和食料理店の経験が豊富なスタッフによるメニューも取り揃える。

今後も“新たな試み”を思いつけば、チャレンジしたいと話す千葉氏。「もし次のお店を出すなら、2店舗経営しているので、浅草橋はもういいかな。下町生まれなので渋谷や新宿など大きい街でなく、神田などあくまで下町で勝負したい。今回の業態は店舗の面積も小さくて済むので、このビジネスモデルが成功すれば、他の土地でも戦えるのでは」と語った。同氏が名案を思いつくタイミングを待ちながら、次の展開に注目したい。

(取材=福井 晶)

店舗データ

店名 HICRA.(ハイクラ)
住所 東京都台東区浅草橋1-28-2
アクセス 浅草橋駅から徒歩3分
電話 03-3861-8575
営業時間 【月~土】16:30〜24:00
定休日 日曜日、3連休の月曜日
坪数客数 8坪18席
客単価 5000円
オープン日 2018年10月26日
関連リンク HICRA.(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

 >> 大きな地図を見る

ヘッドライン一覧トップへ

食べログ掲載店募集中

飲食施設の分煙環境整備補助金の取り組み
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.