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「ジョウモン」の暖簾分けで独立したベイシックス卒業生・ビッグスルー佐藤氏が、自身初のオリジナル業態「炉ばた 灯台」を溝の口にオープン

敢えて駅から遠い立地で、その周辺に住む人々に合った料理と店の雰囲気を提供しようと考えた佐藤氏。店舗は提灯や照明が煌々と輝き、少し薄暗い通りでも、その店名「灯台」のごとく、遠くからでもその存在を確認できる
囲炉裏を囲むコの字カウンター、テーブル席、小上がりの座敷を用意。ひとりでの利用や友人との飲み、家族での食事など、様々なシチュエーションに対応できるような店づくりをした
看板の炉ばた焼きの魚介は、川崎北部市場や北海道の漁港から、季節折々で旬のものを仕入れている。また、野菜や肉も揃え、囲炉裏で火にくべる
手前から、お通しの「出汁豆腐」(250円)、「冷たいフルーツトマト」(340円)、「肉みそピーマン」(400円)。他に、「だだちゃまめ」(400円)「黒もずく」(580円)など、故郷地産のつまみも
オーナーのビッグスルー代表・佐藤大介氏。スタッフが店舗で働くうえで良好な環境をつくることも強く意識し、しっかりコミュニケーションをとる

往来の多い溝の口駅前から徒歩10分ほど、人もまばらになる住宅地のそばに、7月13日「炉ばた 灯台」が開店した。カウンター内に設けられた囲炉裏で焼く炉ばた焼を看板に、多くの人に馴染みのある定番の居酒屋メニューも数多く揃えて地元住民の心を掴みにかかる。運営会社のビッグスルー代表・佐藤大介氏は、数々の繁盛居酒屋を手掛けるベイシックス(東京都港区、代表取締役:岩澤 博氏)に12年間在籍し、「てやん亭゛」「bird酉男man(バードマン)」など、数多くの店舗の立ち上げと運営を経験した。3年前の2015年4月29日に、同社の博多串焼専門店「ジョウモン」の暖簾分け店舗を溝の口で開業し、独立。今回の「炉ばた 灯台」は、自社ブランドとしては1店舗目となる。

 

佐藤氏は山形庄内地方の港町出身、実家は漁師の家系だ。高校卒業と同時に上京し、「とんかつ まい泉」へ就職する。3年目に差し掛かったころ、仕事終わりに表参道の「てやん亭゛」へ飲みに行ったとき、そこで見た光景に度肝を抜かれた。「そこで働く人たちがかっこよかったんです。舞台でパフォーマンスするみたいに”魅せる”ような接客で」と佐藤氏は振り返る。それまで料理を提供した後にお客の反応を見る機会が少なかった佐藤氏は、自身の飲食業に対する既成概念を覆された。自分も独立して、このような熱のある店を作りたいと、ベイシックスへの入社を決める。

 

2年ほど経ったころ、旅行で訪れ札幌すすき野で、炉ばた焼き居酒屋の「炉ばた焼き ウタリ」に立ち寄り、「地産の新鮮な魚を炉ばたで焼くと、こんなにうまくなるものか」と、その味に衝撃を受ける。加えて、店の雰囲気も、どこか自分の故郷を思わせ、火を眺めながらお酒を飲むスタイルも気に入った。「東京に帰って、ガンさん(ベイシックス代表・岩澤博氏)に写真を見せて『すごい店でした。いつか、炉ばた焼きの店をやってみたい』と話したんです。すると、ガンさんも気になったみたいでわざわざ北海道まで『ウタリ』を見に行って『やろうか』ってことになって」と、佐藤氏は語る。これがきっかけでベイシックスは、表参道に炉ばた焼きの店「おけやの鈴太郎」(現在は閉店)をオープンさせ、自身にとっては初めて店長を務める店となった。

 

当初は入社後2年ほどで全て吸収し、独立しようと考えていた佐藤氏だったが、このころ現場レベルでオペレーションをこなす店長と、それに加えて会社の経営や方向性を決める仕事が入る経営者との違いに気づき、もっと学ぶべきだと考えるようになる。「おけやの鈴太郎」のあと、西麻布の「てやん亭゛」も店長を務め、入社から6年ほど経った27歳には全店舗の統括店長も任される。「色々な経験をさせてもらいました。2年目の頃でガンさんのもとを飛び出していたら、独立はできなかったと思います」と、佐藤氏。店舗の立ち上げやリニューアルはもちろん、繁盛店から不振店の建て直しまで、さまざまな経験を積んだ。こうした下積みを経て、同社では初の暖簾分けとなる「ジョウモン」を溝の口でオープン。寿司屋のようにネタケースの中に串焼を入れるスタイルや、変わり種のネタ、小洒落た店構えは、焼き鳥激戦区と言われる溝の口でも他の店舗と差別化ができ、2年目を過ぎるあたりには月商550万円を超える繁盛店へと成長させる。この頃になると、予約がなければ入れないほどになっており、2店舗目の必要性を感じるようになっていた。スタッフから「もうひとつ、店やりましょうよ」と、後押しする声もあり、3年目は彼らに店を任せ、本格的に新店舗の準備に奔走する。

 

「やっぱり、『ウタリ』の味と雰囲気が忘れられなかったんです。カウンターで火を眺めながら飲むっていうコンセプトもはずせなかった」とは、佐藤氏。新店舗の看板メニューは炉ばた焼に決めた。川崎北部市場や北海道の漁港からの直送で仕入れた「開きトロ鯖」(1380円)や「鮭ハラス」(750円)、「真いわし」(530円)などの魚介をはじめ、「鳥取大山鶏もも焼」(860円)、「焼アスパラガス」(480円)、「肉厚しいたけホイル焼」(480円)など、肉や野菜も。さらに、「あじフライ」(460円)や「てづくりマカロニサラダ」(330円)、「茄子の揚げびたし」(360円)など、「品書きを読んだだけで何が出てくるかわかるような」(佐藤氏)定番の居酒屋メニューを40種ほど揃える。ドリンクは、「サントリープレモル生」(500円)、広島瀬戸内レモンを使った「生絞りレモンサワー」(450円)、「強炭酸 角ハイボール」(420円)などをはじめとし、焼酎や果実酒、ワイン、日本酒など、定番を30種用意。住宅街に近い立地を鑑みて、休日に、家族の食事の場にも選んでもらえるようにと、幅広いお客の好みに合わせるためのラインナップだ。

 

「炉ばた焼き 灯台」には、自身のやりたいことを全て詰め込んだという佐藤氏。今後は、スタッフが充実して働けるための環境作りを考えているという。「もし、新店を出すときは、スタッフがやりたいと言った業態を一緒に悩んで作りたいですね。ガンさんが、『おけやの鈴太郎』で僕にそうしてくれたように」さらに、独立を志すスタッフには自分が学んできたことを惜しみなく教え、ひとり立ちした時に感じる孤独感を和らげてあげられるよう、応援したいとも語る。そのために、1号店の約3倍という広さの「灯台」で平均月商1000万円を売り上げ、地盤を整えるのが当面の目標だ。

(取材=髙橋 健太)

店舗データ

店名 炉ばた 灯台
住所 神奈川県川崎市高津区下作延1-4-5琳和タウンコートD.E号室
アクセス JR南武線溝の口駅から徒歩10分
東急田園都市線・大井町線溝の口駅から徒歩8分
電話 044-455-7485
営業時間 17:00~24:00(23:00LO)
定休日 不定休
坪数客数 30坪 55席
客単価 3000~4000円
運営会社 株式会社ビッグスルー
オープン日 2018年7月13日
関連リンク ベイシックス(HP)
関連リンク 博多串焼ジョウモン 溝の口店(FB)
関連ページ ベイシックス初の暖簾分けで新風を吹き込む佐藤大介氏。博多串焼専門店「ジョウモン」が4月29日、溝の口にオープン

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