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入谷の人気居酒屋「オオイリヤ」の2号店「酒呑倶楽部 アタル」が北千住に。縁と運を味方に、繁盛店を生み出す當山夫婦の手腕

飲食店ひしめく「飲み屋横丁」中程にある店舗。「當」の字のネオン菅が目印
オープンから1カ月足らずだが盛況の店内。2軒目利用の客が多いという
「豚足煮込み豆腐」はコチュジャン、豆板醤を加えた味噌ベースのスープで煮込む
當山夫妻がリスペクトしているという、福岡の居酒屋「捏製作所(つくねせいさくじょ)」のつくねにヒントを得た「つくねの蒸籠蒸し」(写真は2人前)。つなぎを入れずよくかき混ぜて作るという
オーナーの當山鯉一氏と妻の由美子氏。夫婦二人三脚で繁盛店に育てる

北千住駅西口すぐ、飲食店ひしめく「飲み屋横丁」に6月1日、居酒屋「酒呑倶楽部 アタル」がオープンした。元は大家宅のガレージだったという店舗は、路地に面してガラス張り。袖看板はあるものの、夜になれば、ガラス戸の上に浮かび上がるネオン管の「當」の字の方が目立つ。その佇まいは潔く、どこかアジアの他の国にありそうな雰囲気だ。この店が台東区入谷の人気居酒屋「暮ラシノ呑処 オオイリヤ」の姉妹店だ。

経営はトーヤーマン(東京都台東区、當山鯉一(とうやまりいち)氏)。「オシャレなことに憧れて、20歳で故郷の沖縄から上京し、アパレル業界に入りました。その後、カフェブームもあり、私服で働けて様々な人と出会えるカフェ業界に興味を持ちました」と當山氏。中目黒のイタリアンカフェ「クープカフェ(現在閉店)」(運営:GTS)に入店。独立を視野に入れて、接客や店の空気作りなどを学んだという。そんな中、当時フーズサプライサービスで働いていた河内亮氏(現在、三軒茶屋で「三茶呑場マルコ」などを展開する2TAPS代表取締役)と出会い、河内氏の後押しで神泉のバル「椿堂BaRu」(運営:上昇気流/旧フーズサプライサービス、東京都渋谷区、代表取締役:笹田 隆氏)に移り、さらなる店作りの研鑽を積んだ。妻の由美子氏も、夫の飲食店出店の夢を応援すべく、OLから転職し、フレンチレストランや和食店などで働き、盛り付けなどを学んだという。

当初は上京以来住み続け、慣れ親しんだ中目黒での出店を希望していた當山氏。出店費用捻出のため、中目黒より家賃が手頃な千葉県松戸に引っ越し、北千住の居酒屋「あさり食堂」(運営:明珠、東京都足立区、代表取締役:島川一樹氏)に入店。由美子氏も北千住のバル「cocina&bar boqueron(クチーナアンドバー ボケロン)」(運営:チッタム、東京都足立区、代表取締役:高橋秀之氏)で働いた。「あさり食堂で2年働くうちに、それまで未開の地だった東京東エリアの昔ながらの雰囲気がとても気に入り、北千住での出店を考えるようになりました」と當山氏。しかし思うような物件が見つからない中、入谷の住宅街の物件を見つけた。しかし当初、由美子氏は難色を示した模様。「繁華街でもない住宅街で果たして上手くいくのか、と思いました。でも、何度も話し合い、物件を見学する中で、ここに夜、明かりが灯ったらとても素敵かな、と思うようになりました」(由美子氏)。妻の説得後、晴れて2015年10月に「オオイリヤ」をオープンした。

當山氏の地元・沖縄の食材を使ったメニューと人懐っこい店の雰囲気が功を奏し、坪月商45万円と、入谷屈指の繁盛店に上り詰めた「オオイリヤ」。「オオイリヤを回す人が揃ったタイミングで次の店を出したいと思っていた」と當山氏。2店舗目の出店を考える中、やはり物件探しが課題となった。しかし、そこで奇跡が起きた。由美子氏が、ボケロン時代の仲間で、現在も北千住で働く友人に物件相談の電話を入れたところ、なんと「(この物件に)10分前に張り紙が出された」という。「すぐに連絡して、内見も1番にさせていただきました。後から聞いたところ、どうやらその日のうちに後2件問い合わせが入ったようです。もしあの時電話していなかったら、少しでも時間がずれていたら、ここでは開店できませんでした」(當山氏)。人の縁を大切にすることで、運が味方し、大きなチャンスが転がり込む。そのお手本のような出来事だ。

「オオイリヤ」が木をメインとした、良い意味でごちゃ混ぜ感のある内装に対し、「アタル」はシンプルで潔い印象に設えられている。カウンター11席にテーブルは3卓・17席の計28席。メニューは、“枝豆とレモン”、“しらすと梅と大葉”など、主に旬の食材を混ぜ合わせた5種のつくねが並ぶ「つくねの蒸籠蒸し」(1人前880円〜)をはじめ、「オオイリヤ」でも人気な「鶏皮煮込み」(580円)、味噌ベースでピリ辛の「豚足煮込み豆腐」(580円)など、酒のアテにピッタリな料理がメインとなる。アルコールは「生ビール」(580円)を筆頭に、「オリオンビール」(瓶/650円)、「島バジルレモンサワー」(580円)、「自家製塩レモンサワー」(530円)の他、ハイボール、ワイン、泡盛、焼酎、果実酒がある。日本酒には特に力を入れていて、石川の「菊姫」、島根の「日置桜」など常温(580円)・燗(1合から/850円)で楽しめるものが6種、冷酒(580円)で提供するものが10種揃う。

「オオイリヤ」オープンから3年を待たずして、2店舗目に乗り出した當山氏。その胸のうちには、すでに3店舗目の構想もあるという。當山氏は「とてもいい流れでここまできている。この場所の特徴として、『アタル』は2軒目としての利用が多いため、ゆっくり過ごしてくれる1軒目利用のお客さんをもっと増やしてバランスを取りたい。そして『アタル』の運営が軌道に乗って安定したら、もう1店舗出店したい」と話す。その後の事業拡大について問うと「3店舗目までは運営したい、とずっと考えていた。しかし、自分たちがやりたいことが多店舗展開になることでブレたり、できなくなることは避けたい。そのため、4店舗目以降は、これからも良き仲間を増やして、『できる』と判断した後に」と話す。この先も當山氏の事業展開に目が離せない。

(取材=別役 ちひろ)

店舗データ

店名 酒呑倶楽部 アタル
住所 東京都足立区千住1-32-6 1F
アクセス JR北千住駅 徒歩3分、東京メトロ千代田線、日比谷線、半蔵門線北千住駅から徒歩3分
電話 03-5284-8667
営業時間 月〜土17:00〜24:00、日17:00〜23:00
定休日 不定休
坪数客数 12坪 28席
客単価 4500円
運営会社 株式会社トーヤーマン
オープン日 2018年6月1日
関連リンク 酒呑倶楽部 アタル(FB)

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