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産直野菜のマルシェ、ポークジンジャー専門の「Ginger」、サワー専門の「SOUR HOUSE」が一体となった3毛作業態「GRIP PROVISION」が南池袋にオープン

ロゴを配した白壁に、ガラスの大きな引き戸を取り付けた入口。天気がよければ引き戸を開け、客が通るたびに笑顔でスタッフが気持ちよく挨拶してくれる
厨房を囲うようにこの字型にカウンターを配置。限られた空間をうまく活かし、20席確保している
マルシェは店内の右奥に。季節ごとに農家から直送される野菜が並ぶ。取材日には、彩りのよい根菜類が種類別に陳列され、葉物などは冷蔵ケースに
「SOUR HOUSE」で出しているサワー。国産果実をたっぷりと使う贅沢なサワー。メニューを見るだけで季節を感じられる
日光生姜を使ったランチのポークジンジャー。写真は150gサイズ。これに白米、スープがつくのでボリューム感もたっぷり
スタッフは女性ばかり。写真一番左が女将の北奥京子氏。店の立ち上げから運営全般など、すべて彼女に任せられている

全国52の農畜産漁業生産者とつながり、有機・無農薬など安全な食材を使った丁寧な業態開発で、池袋においてドミナントで出店を続けるグリップセカンド(東京都豊島区、代表取締役:金子信也氏)。またしても南池袋エリアの東通りに新店舗「GRIP PROVISION(グリップ プロヴィジョン)」を11月13日にオープンした。ここは産直野菜のマルシェ、ポークジンジャー専門店「Ginger」、サワー専門店「SOUR HOUSE」を1つの店舗内でスペースと時間を区切って営業する、いわゆる3毛作店。同社代表の金子氏にこの特殊な業態の出店背景や開発理由について話しを聞いた。
現在運営する11店舗のうち池袋駅界隈に6店舗を構え、来年2月にも東通りに1階が和食業態、2〜3階には肉業態という新店オープンも控えている。一業態一店舗を基本にする同社は、既存店と被らない新業態について議論を重ねたという。

そんな折、鳥取県でつくられる「日光生姜」と出会った。この生姜は収穫後「生姜穴」と呼ばれる熟成庫で5ヶ月間自然熟成させる。すると水分が飛び、甘味や旨味が凝縮して辛さに丸みが出るのだという。また熟成期間を経ることで、通年で安定的に仕入れることもできるそうだ。古くから続く製法でつくられるこの生姜に惚れ込んだ同社は、「日光生姜」を使った主力メニューの開発に着手。山形産の豚肉と合わせたポークジンジャーが誕生した。ランチ営業のみの「Ginger」では、メニューは150g(1300円)、200g(1600円)の2種類のみ。発酵キャベツの漬物と季節の葉物サラダがついたワンプレートに、山形もしくは新潟(季節により変更)の無農薬米の白ごはん、温かい生姜スープがついてくる。「CLEAN EATING」、食べて体を浄化することを心掛ける同社には、体を温める生姜はうってつけのキー食材だったのだ。

一方の「SOUR HOUSE」は、国産果実を使った季節のサワーをメインにした酒場を、夜のみ営業している。近隣の「RACINE BOULANGERIE BISTRO(ラシーヌ ブーランジェリー ビストロ)」でもデニッシュやジャムなどで果実を仕入れているため、それをもっと活用する場を設けようと考えたようだ。今の季節、主力となっているのは、香川県観音寺市のフジカワ農園で作られるレモンを使ったレモンサワー。「搾りたてレモン」(580円)「麦香るレモン」(580円)「塩レモン」「はちみつレモン」「リモンチェッロ」(各600円)と5種もバリエーションがある。そのほか果実系だと徳島産柚子「柚香」、完熟桃、フジカワ農園の早生みかん「ゆら」、完熟苺「あまおう」などがある。また「大人の梅干しサワー」(580円)、「青唐辛子マルガリータ」や出汁とガスパチョを使った「和!ブラッディーメアリー」(各600円)なるものも。こうしたキレのあるサワーには広島県の郷土料理「美酒鍋(びしょなべ)」が醸す甘味や旨味がよく合うという。

また店内に常設されたマルシェには、根菜類の常温棚、葉物類の冷蔵棚、ソーセージやパスタソースなどPB商品の冷蔵ケースが並ぶ。いずれも基本的にはお客へ向けたマルシェだが、近隣店舗の食材庫としても機能している。お客にとっては有機・無農薬の野菜が産直である分、他店より安く購入できる利点があり、店にとっては、社で一括発注することで業務効率が上がり、食材を切らしたときにもすぐに取りにいける利点がある。加えて生産者にとっては、まとまった量を出荷できるありがたい販路になっている。今のところ、店頭に並べたものはきれいに捌けるようだが、万一売れ残ったとしても、店舗で鮮度が落ちないうちに使い切ることができるので無駄がない。まさに三方よし。「GRIP PROVISON」は単なる店舗という存在にとどまらない、非常に合理的な仕組みといえる。

最初の出店から14年間、この界隈を見続けてきた金子氏は「お叱りやお褒めの言葉をいただきながら、僕らは街と一緒に育ってきました」と話す。店舗以外にも、同社は南池袋公園で定期的にマルシェも開催している。「はじめは生産者にも来てもらっていましたが、地方から交通費かけて来ると、利益なんてほとんど出ない。何度も産地へ通い、話を直接聞いているから、今は僕らがお客さんたちに野菜の良さをしっかり語れるようになった。だから僕たちが売って、利益はちゃんと彼らに戻す仕組みに変えました」と話す。社内では各生産者に担当社員を1名ずつつけて、日頃から密なコニュニケーションを取り、情報収集・交換を行い関係性作りに努めているそうだ。

単に食材にこだわるだけでなく、その活かし方を考え、消費する場を作り、利益を生み出して地域へ還元する。先に述べた来年2月の新店舗オープンを持って、ようやくこの有機的でサステナブルな取り組みが1つの仕組みとして完成形を迎えるという。「儲かる農業を支える」こと、そして「奥池袋をエリアブランディングする」ことの実現を目指すグリップセカンドは、飲食店経営を超えたソーシャルビジネスなのではないだろうか。仕組みの完成以降、奥池袋というエリアがさらに発展的に姿を変えていくと思うと、同社の動きからますます目が離せない。

(取材=小野 茜)

店舗データ

店名 GRIP PROVISON
住所 東京都豊島区南池袋2-12-12
アクセス JR・地下鉄各線 池袋駅から徒歩5分
西武池袋線 池袋駅から徒歩6分
東武東上線 池袋駅から徒歩7分
電話 03-6903-1917
営業時間 【火~日】ランチ11:30〜14:00、カフェ14:00〜17:30、ディナー17:30〜22:30
定休日 月曜
坪数客数 18坪・20席
客単価 ランチ1500円、ディナー3000〜4000円
運営会社 株式会社グリップセカンド
オープン日 2017年11月13日
関連リンク GRIP PROVISION(HP)
関連リンク 株式会社グリップセカンド(HP)

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