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三陸シーフードと地場野菜の「三陸オイスター&ジャパニーズシーフード GARDENS(ガーデンズ)」が、GEMS神田に7月5日オープン。仙台スタイルスグループが新業態で勝負をかける

エレベーターを降りると、「本日の一本魚」で選べる鮮魚が並んでいる。その場で選び、調理してくれるフィッシュマーケットのような臨場感
ガーデンテラスをイメージした個室。開放感ある窓からは美しい文化遺産建築が眺められる
漁港から直送される「殻付きフレッシュオイスター 3銘柄食べ比べ〜4種のソースを添えて〜」。漁場によって違う食感や味わいを楽しめる
カフェクリエイトの八尋豊氏が考案した「GARDENSの活けバーニャ」は、野菜を生け花に見立てた盛りつけが見た目も華やかだ。こだわりの旬野菜は、どれも生のままでも濃厚な味わい
スタイルスグループ代表取締役 佐々木浩史氏(右)とGARDENS店長 鴇田香里奈さん(左)

(取材=望月 みかこ)


仙台飲食界の雄・スタイルスグループ(宮城県仙台市青葉区、代表取締役 佐々木浩史氏)の第二幕があがる。7月5日、三陸の朝どれシーフードと地場野菜をテーマにした「三陸オイスター&ジャパニーズシーフード GARDENS(ガーデンズ、以下GARDENS)」がオープンした。出店したのは、野村不動産が開発する飲食ビルGEMSシリーズ第4弾となるGEMS神田の6F。これまでの“三陸の魚”という軸はぶらさずに、トレンドとなりつつある“野菜”を準主役に迎えた新業態だ。“オヤジのハートを揺さぶる居酒屋”を店づくりの信条としてきた佐々木氏が、グループ18店舗目、都内4店舗目にして女性ターゲットに大きく舵を切ったのはなぜか。その理由を彼は、「『三陸の魚を広めたい』という強い思いは変わらない。もっと多くの人に届けるためには、女性客にもマーケットを広げていく必要があるんです。これはうちにとっても大きなチャレンジです」と語る。

3.11—。多くの尊い命を奪った東日本大震災。それは石巻出身の彼の生き方を大きく変えた日でもあった。「三陸の魚を広める、三陸の水産業を立て直す」。このミッションを背負い、これまで展開してきた居酒屋を、三陸の魚を提供する“鮮魚居酒屋”に切り替えた。そのときの気持ちを「多くの被災者、生産者と出会い、生かされた自分は彼らのために何かできることをやろうと決めた」と地元紙のインタビューに語っている。その想いはお客たちにも伝わり、次第に支持を得ていった。着実に県内で出店を重ね、2014年、「日本一の魚が喰える店 三陸 天海のろばた」で東京初出店。もっと多くの人に“三陸の魚”を知ってもらいたかった。現在都内では、人形町、門前仲町に鮮魚居酒屋を3店舗展開する。

都内4店舗目となる「GARDENS」は、これまで培ってきた三陸鮮魚という強みに、地場野菜という新たな武器が加わった形だ。野菜の選定から仕入れ、メニュー開発は、野菜業態の繁盛店を展開するカフェクリエイト(宮城県仙台市青葉区)代表の八尋豊氏が監修する。滋味に富んだ新鮮で良質な野菜の味わいを最大限に引き出しながらも、独創的な一皿に落とし込む。彼の野菜料理は、地元仙台でも女性を中心に大人気だ。魚と野菜、両面においてクオリティの高いメニューを“居酒屋価格”で提供し、これまで手つかずだった女性客の支持を確実に得ているようだ。

同店のメイン食材の一つ“三陸の牡蠣”は、1個(500円)からでも注文できるが「殻付きフレッシュオイスター 3銘柄食べ比べ〜4種のソースを添えて〜」(1400円)など、銘柄による味わいの違いも楽しめる。「本日の一本魚」(時価)は、入り口のアイスベッドに並ぶ鮮魚を、お客が選び、刺身、焼、揚、煮、アクアパッツァなど好みの調理法で仕上げてくれる。ほかにも「三陸ムール貝の白ワイン蒸し」(780円)や「漁港直送 ブリのレアカツ」(880円)など、地元生産者とともに歩んできた同社だからこそできる鮮度抜群のシーフードメニューが並ぶ。八尋氏が監修した注目の野菜メニューには、「GARDENSの活けバーニャ」(1200円)、「ネオハルオヤマ 生ケールサラダ」(780円)、「ガーデンズサラダ クレソン&パクチー/ルッコラ&蔵王和豚の生ハム」(680円/880円)など、産地から直送される旬の野菜をふんだんに使ったメニューを用意。味だけでなく盛りつけや彩りにいたるまで、驚きが隠されたメニューが揃う。

「GARDENS」という店名の通り、ヨーロッパの庭園をイメージした内装デザインは、同社本部デザイナーの藤田斉宏氏によるもの。デザイナーを外部から迎え入れも内製化をすすめている。やわらかい白を基調に、植物の緑を効果的に取り入れ、優しく可愛らしい空間をつくっている。エレベーターを降りると、新鮮な牡蠣や魚が溢れんばかりに並べられたアイスベッドが目に飛び込んでくる。店の中央にはオープンキッチンを設け、目の前で魚がさばかれ、盛りつけられていくなどライブ感を演出。その奥にはテラスをイメージした個室があり、有形文化財にも登録されている丸石ビルディングの美しいロマネスク建築を眺めながら食事を楽しむことができる。

「この店は新たなステージへの足がかり。これまでの居酒屋業態にパターン化したくはなかった。そこを打破していくための新店です。ご協力いただいている生産者や地元の方々にも、これだけ多くの人に届けられるというアピールになればうれしいです」と話す佐々木氏。来年7月には、新橋に新業態店のオープンが決定しているという。「これからも“三陸の魚”という軸はぶらさない。それがうちのミッションだから。それがうちの強みだから」。大きな使命に貫かれたスタイルスグループが、生産と飲食の世界を少しずつ変えつつある。

店舗データ

店名 三陸オイスター&ジャパニーズシーフード GARDENS(ガーデンズ)
住所 東京都千代田区鍛冶町1-9-19 GEMS神田6F

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アクセス JR各線、東京メトロ銀座線 神田駅から徒歩5分
電話 03-6262-9898
営業時間 ランチ11:30〜14:30
ディナー17:00〜24:00
定休日 日曜日
坪数客数 35坪・55席
客単価 ランチ1000円、ディナー4000円
運営会社 株式会社スタイルスグループ
関連リンク 三陸オイスター&ジャパニーズシーフード GARDENS(FB)
関連リンク スタイルスグループ(HP)
関連ページ 日本一の魚が喰える店 三陸 天海のろばた(記事)
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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