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注目の牛タン業態、看板メニューは「牛タン焼きしゃぶ」。練馬の手羽先ダイニング「KIZUNA~魂の手羽先」のインダストリアルが、2015年8月28日オープンした2号店「牛タン酒場SHIRUSHI 高円寺本店」が好評

「牛タン酒場」の文字が印象的な外観。店舗はビルの1階半分と2階部分となっている
木製のカウンターにはずらりと焼酎の一升瓶が並び、店内の椅子はすべてビール樽。隠れ家感のある内装は全て自社によるもの
看板メニューの「牛タン焼きしゃぶ」(2354円)。牛テールとタンから取ったスープに肉をくぐらせて食べてもらう。タレは自家製かつおだしと合わせぽん酢の2種類を提供する
ボリュームたっぷりの「炭火焼き牛タン~自家製ゆず香る白菜漬け添え~」(1058円)と、酸味が強く肉料理に合う塩川酒造の「COWBOY」山廃純米吟醸原酒
店長の岸 竜貴氏。一人客の来店も多い同店を細やかなサービスで切り盛りする

(取材=中村 結)


JR高円寺駅南口から徒歩約3分。一日を通して賑やかな人々の往来が絶えないパル商店街脇の小路沿いに、昨年8月28日、高円寺にオープンした「牛タン酒場SHIRUSHI 高円寺本店」が地元周辺客から好評を集めている。同店は、練馬に2010年オープンした手羽先ダイニング「KIZUNA~魂の手羽先」に続き、インダストリアル(東京都練馬区、代表取締役 菅野一志氏)が新たに展開する2号店。全国有数の生産者が育てた穀物肥育牛を中心に、厳選した牛のタン部分のみを使ったさまざまなメニューで魅せる「牛タン酒場」という新業態に挑戦し着実な成果を見せつつある。

練馬駅からやや離れた隠れ家的立地で営業する1号店の「KIZUNA~魂の手羽先」は、鳥取県産大山どりを使用した手羽先料理や、徳島県産阿波尾鶏の串なし焼き鳥といった一品料理を、プライスレンジ500円~700円でリーズナブルに提供するダイニングバー。オーナー自ら蔵元に足を運び直取引で仕入れる日本酒の豊富な品揃えや、カウンターメインの小体なスタイル、距離の近い接客などを武器に口コミで常連客を掴んできた。そして昨年、1号店のオープンから5年目で高円寺を拠点にスタートした「牛タン酒場SHIRUSHI 高円寺本店」では、日本人が最も好む代表的な食材の一つであり、牛肉の中ではヘルシーな部位として女性のニーズも高い「牛タン」に特化。穀物のみの餌で100日以上肥育された穀物肥育牛の中から、品種や産地、牧場や屠殺場に至るまで、各生産工程にこだわった国産の牛タンを中心に仕入れ、味とボリュームを重視。牛タン専門の酒場として高円寺周辺の飲食店と差別化を図っている。

同店店長の岸竜貴氏は、もとは1号店のお客という立場から意気投合しインダストリアルに入社。お客とのコミュニケーションを最優先する営業スタイルを貫き、オーナー菅野氏と共に1号店を繁盛店へと導いてきた。「2号店は安全を採って同じ手羽先業態でスタートするという選択肢もあったのですが、代表の菅野が仙台出身なこともあり、“どうせなら新しいことをやろう”と牛タンに特化して舵を切りました。いざスタートしてみると、“牛タン”という食材には予想以上にファンが多く、1号店からの常連さんや地元の方、周辺の同業者など、実に多くの方から非常に好反応をいただいています。思い切ってこの業態に挑戦してよかったですね」と笑顔をみせる。

元は不動産屋の店舗兼住宅だったという木造の店内は、1Fと2F、小上がり(現在工事中)の三層で構成。同社では飲食部門のほかに店舗内装工事部門を併設しており、解体からカウンターの造り付けに至るまで、店舗造作のほぼ全てを自社で賄っているという。現在の客単価は約4500円。看板メニューは、お客の8割~9割がオーダーするという「牛タン焼きしゃぶ」(2354円)だ。このメニューは鉄鍋にもやしや水菜などの野菜を敷き、その上にスライサーで極薄にカットした牛タンを並べ、中央に牛テールスープ入りの陶器を置いたもので、コンロにかけて提供する。温まったスープに肉をサッと通した後、しゃぶしゃぶスタイルで食べるもよし、下の鉄鍋が熱くなるのに併せてタンや野菜をソテーして食べるもよしの、見た目のインパクト大なアイテム。また、肉や野菜、〆のうどんなどを追加でオーダー可能なため、客単価の向上にも貢献している。そのほか、厚切りの牛タンを15時間煮込んだシチューと共に提供する「牛タンシチュー」(1220円)や、US産のタン元を豪快に約200g使用し備長炭でじっくり火を通した「炭火焼き牛タン~自家製ゆず香る白菜漬け添え~」(1058円)など各種メニューを用意。主力アルコールには焼酎を約40種類取り揃え、全て500円で提供。内容を定期的に入れ替え常連客のニーズに応えている。

今回の出店は「酒場としての接客やサービス力だけでなく、飲食店という意味でいかに総合的な顧客満足を育むことができるか」という組織としての新たな挑戦でもあると語る店長の岸氏。カウンターメイン10坪の1号店からカウンターに加えテーブル席もある20坪の2号店へと規模を拡大し、客単価も向上。同店の今後の主な課題は40%を超える高原価に対し、サービスや客席回転率との兼ね合いを精査していくことだという。岸氏は「1号店と同様、店とお客様とのつながりを第一にしつつも、牛タン酒場としてもっともっと進化してきたい。高円寺という街に、その“印”を残していければいいですね」とこれからの意気込みを語る。都心部を中心に徐々に専門店化の兆しが見える注目の牛タン業態を高円寺でいち早くスタートを切った同店の今後に期待したい。

店舗データ

店名 牛タン酒場 Shirushi 高円寺本店
住所 東京都杉並区高円寺南3-46-7

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アクセス JR山手線 高円寺駅から徒歩4分
電話 03-5377-0095
営業時間 18:00~翌01:00
定休日 無休(年末年始休)
坪数客数 20坪 40席
客単価 4500円
運営会社 株式会社インダストリアル
関連リンク 牛タン酒場 Shirushi 高円寺本店(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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