低単価の店舗を運営する中で、自社の店づくりの方向性を模索。既存店よりアッパーな層をターゲットに新店立ち上げへと動く
「ろばた翔」、「ろばた結」の売上がともに好調な推移を見せるなか、新たな客層の開拓を考えた國利氏は、2020年、新宿の思い出横丁に「酒場 くにや」を開業した。「『ろばた翔』と『ろばた結』が単価5000円ほどだったことに対し、『酒場 くにや』は単価1000円台の業態にしようと考えました」。しかし、始めてみると思わぬ苦戦を強いられ、2021年末には「酒場 くにや」を閉店する決断をした國利氏。次の店舗の構想を練り始める。その際、キーとなったのは「酒場 くにや」で店長を務めていた作田聖和氏の存在だ。「ろばた結」開業時に入社した作田氏は、飲食店未経験ではあったが、どんなことでも愚直に一生懸命取り組む性格で、國利氏も期待と信頼を寄せていた。「ある日、彼の人生のビジョンを聞いたら、30歳を目前にして悩んでいる様子がひしひしと伝わってきました。私自身、今の彼と同じ歳の頃、絶好調から独立すべきか悩んでいた。その時の自分と作田が重なってしまって」。國利氏は、絶好調代表の吉田氏から背中を押され、独立を決意したという。「見たことがない世界を半ば強制的に見せてもらって、その結果、私は今、とても充実した毎日を送っている。作田にも、そんな体験を味わってほしいと思ったんです」。國利氏の熱い想いを受け取った作田氏は、独立を視野に入れた次店舗の開業に同意。業態は焼鳥に決めた。「『酒場 くにや』では色々なアイテムを試していました。その中で、作田の焼く焼鳥が絶品で、お客様からの反応もとてもよかった。姉妹店が炉端焼きなので、相性も良いだろうと思いまして」と、國利氏は語る。
今年の5月に入り、物件探しを開始。当初、新宿の中心街と比べて賃料が低く、競合となる飲食店も少ない東新宿でリサーチするも、なかなか見つからなかった。しかし、親身に対応してくれた不動産会社から新宿三丁目で35年続いた焼鳥店の物件を紹介された。「駅から近いし、前の店舗が35年続いたという実績もある。ひと目見て、ここにしようと決めました」。既存店よりもワンランク高単価を狙うべく、まずはスケルトンに。濃いグレーを基調とした、隠れ家風の外装、内装に仕上げ、基本的には予約制を敷いて会食やハレの日の需要を狙う。ハード面とソフト面、両方のテーマを固め、9月12日、「焼鳥さく田」がオープンした。
店舗データ
店名 | 焼鳥さく田 |
---|---|
住所 | 東京都新宿区新宿3-17-21川元ビル2F |
アクセス | 東京メトロ副都心線新宿三丁目駅B5出口から徒歩1分 |
電話 | 050-5447-0795 |
営業時間 | 17:00~24:00(L.O.23:30) ※予約制、22:00以降はBARタイムでアラカルトのみの注文が可能 |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 約15坪 18席 |
客単価 | 8000円 |
運営会社 | 株式会社國屋 |
オープン日 | 2022年9月12日 |
関連リンク | 焼鳥さく田(HP) |