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“都市特化型フードデリバリー”として進化中、Chompy(チョンピー)の躍進に注目!デリバリー戦国時代を勝ち抜けるか

DeNA出身の大見周平氏が率いるSYN(シン、東京都目黒区)が運営するフードデリバリーサービス「Chompy(チョンピー)」。“人から人へ「おいしい」をお届けする、温もりを感じられる国内発のフードデリバリーサービス”を目指し、2020年2月にβローンチされて以来、注文数、ユーザー数、加盟店舗数など順調に業績を伸ばしている。コロナ禍もあり混沌を極めるフードデリバリー業界で堅調な成長を見せている同社に、目指すべき方針や今後のデリバリー業界について伺った。



フードデリバリーサービス「Chompy」
https://chompy.jp/
個人店を中心とした飲食店の商品が楽しめるフードデリバリーアプリ。単に商品を注文する機能だけでなく、店長の顔写真やコメントを記載して店自体の魅力もアピールでき、“温もりを感じられるプラットフォーム”として訴求。グループ注文による配送コストの押し下げや、ホスピタリティある配達員も特徴。

■フードデリバリー戦国時代に新たなプラットフォーム「Chompy (チョンピー)」が登場。DeNA出身者が仕掛ける“温もりを感じるフードデリバリー”が業界の勢力図を変える!?(記事)


(シン代表 大見周平氏)

―これまでの経緯を教えてください。

「Chompy」は、インターネット関連企業、DeNAの新規事業として出発し、現在は私が代表としてシンという会社を立ち上げ、運営しています。日本発のフードデリバリーとして、作り手の顔が見えるこだわりの飲食店の料理を届けるサービスです。2020年2月にローンチし、渋谷から半径3キロ圏内を配達エリアとしてサービスを開始しました。

―ローンチから半年、業績はいかがでしょうか。

順調に業績を伸ばしています。ローンチ当時から比べて加盟店舗は100店舗から500店舗に、ユーザー数は100名から2.5万名規模に増加。リピート施策や、「Chompy」が大切にしている店のこだわりの魅せ方などの成果が出ているのかなと思います。

―9月には配達エリアの拡大をしましたね。

はい、サービスの成長に合わせ、9月に初のエリア拡大を行いました。これまで渋谷駅から3キロ圏内だった配達範囲が4.5キロ圏内になり、三軒茶屋・下北沢・初台・新宿・四ツ谷・六本木・麻布十番・目黒・学芸大学なども入りました。実は当初、エリアはもっと早い段階で拡大していく予定だったんです。ですがやっていくうち、エリア拡大にこだわるよりも、今、対象としているエリアにより特化したサービス内容にしていくことの方が重要ではないか?と考えるようになりました。我々は後発組。他と同じことをやっていても勝ち目はありません。漠然とエリアを広げるのではなく、現在、使っていただいている人によりコミットしたサービスにしていくことを優先しました。限られたエリアで展開している強みを生かし、より「都市特化型サービス」となることを目指しています。

今までのフードデリバリーは利便性重視、「注文したらすぐに届く」ことに重きを置かれていましたが、今、特に都心では使い慣れたユーザーの数が増え、ニーズも次第に変化しているように思います。デリバリー慣れてきた人にとって、「すぐに届く」というサプライズある利便性よりも、次第に、価格面でも使いやすくて日常生活の中になじむ、インフラとしてフードデリバリーが求められているフェーズに入っていると考えました。

―具体的にはどのような取り組みを行っていますか?

そのための施策のひとつが「らくとく便」。1時間前までに注文しておくだけで毎日の昼食・夕食を決まった時間帯に送料無料で配送するサービスです。エリアごとに、配送の中継拠点を設けて配送効率を上げる仕組みを作りました。“すぐ届く代わりに配送料が割高”よりも、“あらかじめ注文をすれば配送料を抑えられる”ことの方が、私たちが目指す「日常生活の中になじむサービス」ではないかと考えました。

また、東急百貨店と協業し、デパ地下のお惣菜をデリバリーする実証実験も開始しました。渋谷スクランブルスクエア内「東急フードショーエッジ(デリ)」の19店舗のお惣菜を「Chompy」が1時間以内に配送するというもの。百貨店では賃料に加えて売上に対する歩合制など独自の商習慣があることや、配達員がデパ地下に商品を取りに行く際の景観上の理由などで実現が難しかったのですが、東急百貨店と協業してその問題をクリアするシステムを構築しました。

一般のお客様がいるフロアを通らず裏口から配達員が商品を受け取れるオペレーションを組み、デパ地下の19店舗から注文できるので、1回で複数店舗の品を注文することも可能。例えば家族それぞれが食べたいものを選ぶこともできるので、通常のデリバリー利用とは異なる客層を獲得できます。3か月の実証実験で、反応を見ていきます。複数の店舗が集積していることを利用した施策ですが、これはデパ地下でなくても繁華街のような飲食店が集まっている場所であれば同じことを再現可能ですね。

―今後のフードデリバリー業界はどのようになると見ていますか?

すでに日本では外資系デリバリーサービスが10社ほどは参入していますし、国内発のサービスもどんどん後発が登場している。LINEが出前館に出資するといった大きなお金の動きもあります。ここ3~5年はマーケットの拡大と激しい競争が続くと見ていいでしょう。いずれは自動運転による配達や、料理以外のものの配達も出てくるのではないでしょうか。今は前哨戦。そこから、世界の状況を見ていると、最終的には2~3社に絞られていくのではないかと思います。その2~3社に入るには、それまでにどういう顧客基盤を作るかが重要。先ほど述べた都市型デリバリーサービスに特化し、よりターゲットとしているユーザーにとって使いやすいサービスの追求や、「Chompy」の創業時からのミッション「飲食店をエンパワーメントする」に取り組んでいきたい。飲食店が「Chompy」を使って売上を上げていくことで、「Chompy」も成長する。飲食店とともに成長できるサービスでありたいですね。

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