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仏三ツ星レストラン出身、敏腕料理人の新提案「WINE & BISTRO Eme エメ」が武蔵小山にオープン。緑のアーケードの先には上質な食空間

緑あふれる「TRANSHIP」をぬけた奥に、洗練されたハイセンスな食卓がひろがる
店内はアンティークな雰囲気、オーナー武藤氏のコレクションもバランスよく配されている
本場バスクの職人Pierre Oteizaさんの作る「バスク豚のサラミ2種&生ハム」、エメの自家製「鶏ハム&パテドカンパーニュ」等盛合せプレート
生ハムからのしっかりしたフォンをベースに、野菜とお豆を煮こんだ具沢山スープ「ガルビュール」はバスクの代表的な郷土料理
人との繋がりを大切にしてきた武藤恭通氏。大切な人と大切な時間を過ごしていただける店づくりを心掛けている

目黒駅から東急目黒線で2駅、再開発のすすむ武蔵小山駅。駅から徒歩2分の立地に「WINE & BISTRO Eme エメ 」は5月16日にオープンした。オーナーは料理人兼ソムリエの武藤恭通(ムトウ ヤスユキ)氏。代官山の名店「タブローズ」をスタートに、フランスの三ツ星レストラン「Lameloise(ラムロワーズ)」など多くの調理の現場を経験してきた。渡ったのはヨーロッパだけでなく、オーストラリアや台湾など幅広い。ジャンルを超えて磨いた料理の腕と、各地での人との繋がりを武蔵小山の地で表現している。

武藤氏は学生時代から「手に職を持ちたい」「海外の空気を感じたい」と将来を描いていた。様々な「職人」といわれる仕事から「お客さまの笑顔が間近で感じられる」と、「料理人」という仕事を選ぶ。以降はこの道一筋、料理と向き合いながら興味のわく場所へ迷わず足を運んできた。そして食に関わる多くの人たちと繋がりを重ねてきた。

日本のレストランで数年修業その後、海外に渡る。最初の海外経験の舞台となったのはニュージーランドの「Rikka」。当時24歳の武藤氏はここで約1年間、日本料理中心の「ジャパニーズダイニング」に携わる。その後、台湾の「台北立花」でフランス料理に和を融合させた新ジャンルに触れ更に3ヶ月を過ごす。日本に一旦戻ると「独立するために菓子製造の技術は必要」と考え、パティスリーの現場「横浜ガトークラシック西洋菓子店」に入る。続けて六本木「コジト」に勤め、同グループの店舗では料理長経験を積み、経理業務にも関わる。独立に向けて必要なスキルをひとつずつ実践で積み重ねた時期である。その後、1年半の渡仏。パリやブルゴーニュ地方をまわり、街場のレストランから三ツ星レストランまで、様々な格式の店を経験する。料理技術を身に付けるだけではなく心掛けたのは、現地でしか味わえない空気感の体得である。休みの日は生産者に会い、またレストランキッチンのみならず肉の加工食品製造の現場経験も積んだ。

ソムリエ資格も有する武藤氏、ブルゴーニュ地方のワイナリーへも多く趣いた。人の顔がみえて「手仕事」が感じられる美味しいワインは、同店のワインリストにも多く名を連ねている。価格はボトルで4,000-6,000円台が中心。カウンター席の後ろ一面は、趣きのあるワインセラーでレアなアイテムまで地域も含めて幅広く、その数トータルで200種ほどにも及ぶ。
料理はビストロ料理が主、中でも南西部バスク地方の料理は同店のウリでもある。「シャルキトリーの盛り合わせ」(1,500円~)は現地の職人がバスク豚を原料に作る逸品と、エメのオリジナル料理の両方が味わえてストーリーが感じられる貴重なひと皿。料理に使用されているタスマニア産の「粒マスタード(ヒル・ファーム)」やカリマンタン島の生胡椒を原料にした「純胡椒(仙人スパイス)」などは、店内で購入も可能。これらのアイテムも武藤氏の繋がりの中でセレクトされた品々となっている。今後はエメのオリジナルの惣菜等も物販に増やし、中食でも楽しめるような提案も考えているという。また野菜と豆と生ハムで出汁をとった具沢山スープ「ガルビュール」(1,300円)は、毎年現地でこのスープのお祭りも催されるほどの長く慣れ親しまれた料理。お祭りでは皆がテーブルを囲みスープを食べ、同年のチャンピオンを決めるという。武藤氏の話を聞いていると、ホッとする優しい味わいと共にその風景までもが思い浮かんでくるようだ。

武蔵小山という場所との縁は、この「物件」が繋いでいる。武藤氏は独立を視野にいれてから、「料理」「内装」「ファザード」等のイメージをデッサンで描き留めてきた。それは10年以上も前から続いていて、何枚も何冊にも及ぶという。その中に「緑に囲まれた店内」「大きなカウンター席」「オープンキッチン」等、この店と重なる風景があった。「(自宅でも)テーブルに花を飾ると豊かになります。そういった感覚は常に私自身も持っていて、お客さまにも何か小さくてもひとつ、素敵な気持ちになれる提案をしていきたいのです」とビジョンを語る武藤氏。目黒区、渋谷区などのエリアを中心に歩きながら、軸を変えずに探してきた結果、2年ほどを経て「入り口が花屋でその奥に広がる飲食店」という、この場所に巡り会う。「店を持った時に置こう」と長年集めてきたインテリア雑貨も、ぴったりとその雰囲気におさまった。

「この街はまだ出来上がる前です。変化しているその途中で私たちも入っていける場所があると感じました。もうすぐタワーマンションが出来、企業の出店も当然多くなると思います。でも逆にこだわった個人店も必ず求められると思っています。武蔵小山にはそのポテンシャルを感じます」(武藤氏)と、街の未来のイメージについても聞かせてくれた。また武藤氏本人も、ケータリングシェフや他社のプロデュース案件を受けることが今も多く、今後も変わらずそれらにも意欲的。「店にこもることなく各地に出向き、他社の新規案件にも積極的に取り組みたい。そしてそれらは必ず店にいきると思っている」と生彩を放つ。

店名である「エメ」はフランス語の「-を愛する」「-を好む」「-を大切にする」という他動詞「aimer [ɛme]」が語源。オーナー武藤氏の「エメ」で満たされたこの空間は、集う人たちの時間を演出し、ここから更に新しい繋がりを紡いでいくだろう。

(取材=國井 直子)

店舗データ

店名 WINE & BISTRO Eme エメ(ワインアンドビストロ Eme エメ)
住所 東京都品川区小山3-11-2 1階奥
アクセス 東急目黒線武蔵小山駅から徒歩2分
電話 03-5751-7636
営業時間 11:30~23:00
定休日 月曜定休
坪数客数 20坪28席
客単価 ランチ2500円、ディナー7,000円
オープン日 2018年5月16日
関連リンク WINE & BISTRO Eme エメ(FB)
関連リンク WINE & BISTRO Eme エメ(HP)

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