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池袋の繁華街を抜けた静かなエリアに佇む、地域密着型ワインバー「escravo」。だしや味噌も使った“他にはないけど本格的”なメニューと厳選ビオワインで人気

池袋東口から徒歩10分。正面が明治通りから池袋駅までの抜け道のため「通りがかりに見つけて入った」というケースも多い
元はラーメン屋だった店舗をスケルトンで取得。ラーメン屋時代の席数を半分に減らし、カウンターやテーブルを広く取って居心地がよい
大人気の「ハマグリのお茶漬け オリーブオイル仕立て」。魚介だしが効いている。だしや味噌を使ったものなど、同業他店にはないメニューが売り
あえてクセの強いマトンを使い、トマトベースのソースとクミンで仕上げた「オーストラリア産 羊のバーガー」。小ぶりでワインのつまみにも好相性。「イベリコ豚のチーズバーガー」もある
オーナーシェフの長谷川淳氏。「常連さんがほとんどです。メニューの完成も手が回らず、口頭でお伝えしているのが現状。お客さまとの密なコミュニケーションに日々助けられています」2009年にはJSA認定ソムリエ取得

西武百貨店やPARCOのある池袋駅東口から徒歩10分。繁華街から一転、明治通りから一歩入った、細い路地で静かに営まれているのがワインバー「escravo(エスクラヴォ)」だ。ウッドのファサードに、ロゴと店外の黒板メニューがひっそりと浮かび上がる。注意しないと見落としてしまいそうな外観だが、今年2月19日のオープン以来、近隣の住民が通い詰める「地域密着型飲食店」として着実にポジションを築いている。
オーナーシェフの長谷川淳氏は24歳で飲食業界に入った遅咲きだが、赤坂のイタリアン「マルーモ」や、ゴダック(東京都中央区、代表取締役:荒谷公彦氏)直営のシーフードとワインの専門店、銀座「KAZAN」などで調理中心にサービスも経験し、13年のキャリアを積んで独立。今年2月に「長年携わってきたワインと、自分の好きな料理を楽しんでもらいたい」と同店を開業した。最初の出店を池袋に決めた経緯は、独立直前に務めた割烹が池袋にあったこと、長谷川氏自身も長く池袋に住んで土地勘もあり、マーケットの特性も把握していたことからだ。また池袋の中で、飲食店が華やかに並ぶ西口側よりも、落ち着いた東口側を中心に物件を探し、広さや家賃などの希望条件に合った現在の立地に落ち着いたという。

escravoのコンセプトは、「(客の要望に応じて)ワインと洋風料理を楽しめるバー」。「通常のバルで出すようなメニューは極力避けました。料理が好きで、ありきたりのものでは僕自身がつまらないのです」と長谷川氏が言い切る通り、メニューには大人気の「ハマグリのお茶漬け オリーブオイル仕立て」(700円)をはじめ、「オーストラリア産 羊のバーガー」(900円)、「パルミジャーノと黒トリュフの茶碗蒸し」(780円)など、目新しいユニークな料理が並ぶ。また、味噌や漬物を使った「フォアグラと奈良漬けお味噌の狂宴」(900円)や「砂肝のコンフィ 辛子醤油」(580円)など、和のテイストも含んだ料理もある。「岩中豚の低温調理ステーキ」(1600円)も注文が多い。現在、長谷川氏はすべてのオペレーションを一人でこなすため、調理方法については特に工夫している。キッチンに付きっきりにならずに提供できる低温調理が最適で、専用の機材が導入されていた。低温調理のステーキは独特のやわらかさや歯ごたえが好評で、テイクアウトをする近隣の客もいるという。

ドリンクメニューの柱はワインだが、南仏などヨーロッパのビオワインを中心に、常時8種類ほどをすべてグラスで飲めることがこだわり。ワインリストは特にないものの、好みに応じて赤・白・スパークリングワインをグラス売り1杯700〜1200円で出している。要望があれば、高価格帯のワインでも「グラスで出しちゃいましょう」と躊躇せず提供しているそうだ。ワインのほか、ビール(580円)、ハイボール(600円)、日本酒(600円〜)、キール(600円)やキティ(600円)などワインベースのカクテルも揃う。

店名の「escravo(エスクラヴォ)」は、長谷川氏が長年ファンだったというブラジル人ピアニストのポルトガル語の曲名から取っている。店内のカウンターやテーブルは、快適に過ごしてもらえるよう広めの作りにこだわった。さらに開放感が出るよう天井はぶち抜き、カウンター上部には、ワインバーにありがちなグラスホルダーや棚などもあえて設置していない。

半年で常連客も付き、一見順調に見えるが、実はオープン直後に大きな壁にぶつかったと長谷川氏は言う。当初目指していたのは「素材にこだわったアイスクリームと、グラッパやコニャックなどのハードリキュールを楽しむ店」。しかし店を訪れる人には「甘いものと酒」というコンセプトがまったく受けず、立地のニーズとのギャップに愕然とした。「自分が表現したいものではなく、実際に来る人が欲しているものを出そう」と、コンセプトを大きく変え、長谷川氏の調理技術を生かした食事メニューを増やした。ドリンクもワインから日本酒まで幅広く扱う、現在の形に行き着いた。

来店客の年齢層は20代から70代のシニアまで。地域の住人が自宅からサンダル履きで気軽に訪れるなど、カジュアルに利用する常連客で連日にぎわっている。また居心地のよい雰囲気で女性の一人客も多く、全体の半数を占める。終電を気にしない近隣住民が多いため、ピークタイムは夜の0時。また池袋周辺の飲食店関係者が、店じまいをした後、食事をしに寄るケースもあり、閉店の朝4時まで客足は絶えない。次の課題は、パスタ類などの食事メニューを充実させること。それによってピークタイムを深夜からディナータイムへ移して客単価を上げ、店舗運営をさらに安定させたいと言う長谷川氏。人も雇い、さらなる繁盛店へ成長するのが今後の目標だ。悪立地であってもこだわりをもって、客のニーズを深く堀り下げ、挑戦を続ける長谷川氏の進化を今後も見届けていきたい。

(取材=浅野 陽子)

店舗データ

店名 escravo(エスクラヴォ)
住所 東京都豊島区南池袋1-7-20 大同ビル101
アクセス 山手線・埼京線・丸の内線 池袋駅から徒歩10分
副都心線 池袋駅から徒歩15分
電話 03-6912-9255
営業時間 ディナー【月~土】18:00〜翌4:00(客入り状況により閉店時間は変動)
定休日 日曜(連休の場合は連休最終日)
坪数客数 9坪・12席
客単価 3000円
オープン日 2017年2月19日

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