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秋田純米酒×秋田キュイジーヌを提案する「秋田純米酒処 恵比寿店」がGEMS恵比寿に開業。コンセプトを徹底的に深堀りした、強い店づくりに注目

恵比寿駅東口から徒歩2分、飲食店の複合ビルGEMS恵比寿の地下1階に入居する
シンプルでシックな店内。カウンターテーブルの材質には、チロリなどの酒器にも使用される錫を使用
写真左は、50年以上もの間、酒蔵で使用されていた槽を活用したテーブル。写真右は、-10℃まで温度管理が可能な生酒を保管する氷温庫だ
秋田産の比内地鶏を炭焼きにした「手羽先」。秋田の上質な素材に、フレンチのエッセンスを加えた料理がそろう
「いぶりがっことクリームチーズのガトー仕立て」。居酒屋定番の素材を、まるでプチガトーのような美しい仕立てに
写真右がオカシオ代表取締役の小笠原伸也氏、写真左がシェフの末長直健氏

野村不動産が手掛ける複合ビルGEMS。現在、渋谷や神田など、都内に5棟を展開し、今後も各地で続々と開業の予定を控えている、今、注目の飲食ビルブランドだ。そのGEMSシリーズの中のフラッグシップともいえるGEMS恵比寿の地下1階に、9月7日、「秋田純米酒処 恵比寿店」が開業した。秋田産の食材をフレンチの技法で仕立てた料理と、秋田の純米酒のペアリングを提案する日本酒ダイニングだ。経営は本家あべや(東京都新宿区、代表取締役:阿部一茂氏)、運営母体はオカシオ(東京都渋谷区、代表取締役:小笠原伸也氏)。秋田の比内地鶏をウリにした「あべや本家」など、都内を中心にグループ全体で14店舗を展開している。

同ブランドの既存店として、東京駅構内にある「本家あべや 北町ダイニング店」の店内にカウンター10席ほどの小体な店舗「秋田純米酒処」を展開している同社。ここでは、屋号があらわす通り、秋田の蔵元の純米酒にこだわって提供している。「日本酒は星の数ほどあれど、秋田の純米酒という縛りを付けると数は限られてきます。業態で扱うアイテムのバリエーションが広がらないとなると、自然と深堀りする方向へ向かいました。蔵元と向き合い、秋田の素材を追求する。そうして“秋田純米酒”というコンセプトを深く掘り下げて、体現したのが当店です」とオカシオ代表取締役の小笠原伸也氏は開業のきっかけを話す。

選りすぐった秋田の純米酒は約50品(518円~1296円)を用意。火入れをせず、フレッシュな味わいの生酒にこだわっていることも特徴だ。店内に-10℃まで設定が可能な氷温庫を導入し、デリケートな生酒の温度管理を徹底。シチュエーションに合わせ、さまざまな酒器やグラスで提供する。それらの秋田純米酒に合わせる料理は、秋田の素材をフレンチの技法で仕立て上げた、いわば「秋田キュイジーヌ」。商品開発にあたっては、長年フレンチの経験を積んできた、同店のシェフを務める末永直健氏とともに、10日間、秋田の生産者を訪ねる旅を実施した。車にテントや調理器具を積み込み、養鶏場や漁場、農家などを訪問。その場で採れた素材を使って料理を実演し、生産者にふるまった。生産者から直に素材について見識を深められたのはもちろん、生産者は実際に自らの生産物が、店舗でどのように調理をされているのかを体感し、双方にとっての理解の場となったという。もともと末長氏は秋田にゆかりがあるわけではなく、秋田の素材に関しては門外漢。しかし、予備知識がなかったからこそ、この訪問を通して、ユニークな発想を生み出した末長氏。たとえば、秋田の名産であるしょっつるは、バルサミコとにんにくを合わせ、比内地鶏の炭焼きメニューに添えるソースとするといった具合で、独創的な発想が料理の随所に散りばめられている。秋田県産の比内地鶏を炭火焼きにした「手羽先」(994円)、「比内地鶏のムネ肉の瞬間スモーク 野菜のピュレ添え」(1274円)や、秋田県産の山菜をコリアンダーとしょっつるで炒めた「山菜のグレッグ」(886円)、居酒屋の定番をまるでプチガトーのように仕立てた「いぶりがっことクリームチーズのガトー仕立て」(842円)など、秋田の素材を使用しながら、フレンチをベースとした個性的な品々がそろう。「末長シェフが以前活躍していた店は、“有機野菜を使用し、箸でいただくフレンチ”というコンセプト。このように、コンセプトという縛りがある中で実力を発揮するのが得意な料理人でした。当店は、秋田の素材を生かしたフレンチがコンセプト。末長シェフはこのコンセプトに沿った限られた素材を使って、素晴らしい料理を開発してくれました」と小笠原氏。

店内は、奥へと長く伸びるつくりで約25坪の広さ。入口付近には、秋田の老舗蔵元の新政で50年以上、日本酒を絞るために使用していた槽を譲り受け、それを造作したテーブル席が鎮座する。ここには椅子は設けず、スタンディングとしての利用が可能だ。また、スタッフと対面できるカウンター席やテーブル席を用意。カウンターのテーブルの材質にはチロリなど酒器に使用される錫を採用し、メタリックな色合いながらも、ぬくもりを感じられる風合いだ。素材を生かした料理に合わせ、内装も奇をてらわず、シンプルな空間をめざした。

オープン直後の現在は、日本酒の持つイメージからか、想定以上に2軒目としての利用が多く、客単価は4000円~5000円で推移。今後は、料理の魅力をアピールし、お酒だけでなくしっかりと食事も楽しめる店として認知度を上げ、単価を7000円に引き上げたい意向だ。「今後は氷温庫を使用して、生酒のヴィンテージも作りたい」(小笠原氏)とも。

コンセプトを徹底的に深堀りし、唯一無二の業態として完成された同店。「縛りがあるからこそ、コンセプトの深堀りが可能になる」と小笠原氏。ますます飲食店の競争が激化していく昨今で、この発想は必要不可欠なものとなっていくだろう。

(取材=大関 愛美)

店舗データ

店名 秋田純米酒処 恵比寿店
住所 東京都渋谷区恵比寿1-11-5 GEMS恵比寿 B1F
アクセス JR、東京メトロ恵比寿駅から徒歩2分
電話 03-6277-0663
営業時間 【月~土、祝前日】17:00~27:00、【日、祝】13:00~23:00 ※日曜が祝前日の場合は17:00~27:00
定休日 なし
坪数客数 25坪36席+スタンディング
客単価 7000円
運営会社 株式会社本家あべや
オープン日 2017年9月7日
関連リンク 秋田純米酒処 恵比寿店(FB)
関連リンク 本家あべや

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