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80種以上の日本ワインと国産食材を個性的な料理でもてなす「SARU」。大手町の商業施設で仕掛けるワインビストロとは

思わず目を奪われる鮮やかな外装は横丁でひと際目立つ存在に
店のコンセプトにマッチした、デザイナーによるアート作品が店内の至るところに飾られている
日本ワインだって美味しくてリーズナブルであることを知ってもらいたいと、品揃えや価格にもチャレンジしている
リンゴの木で瞬間燻製にしたステーキは同店の名物!ぜひ試してほしい
地方食材を上手に取り入れたメニューの数々はまさにイートグッド
オーナーの猿田氏(一番右)とスタッフの皆さん。写真の笑顔からチーム力の高さやそれぞれの個性が伺える

(取材=小野 茜)


「大手町ホトリア」内の商業施設「よいまち」に、白金・代々木上原・学芸大学でビストロ業態を展開するRoot(代表 猿田 伸幸氏)が4店舗目となる「SARU -Wine・Japan・Bistro-」を2月23日にオープンした。これまでは街場で地域とともに店づくりを行ってきた同社が、初めて商業施設へ出店を決意した理由について尋ねると、オーナーの猿田氏は「大きくは3つある」と教えてくれた。1つは店の魅力に共感し、熱心にオファーしてくれたというデベロッパーの熱意。2つ目は「よいまち」のコンセプトや同じ”住人”となる出店テナントの構成。そして3つ目は、ビジネスエリアの商業施設は週末ではなく平日が稼働の軸となる点だ。週末が稼ぎ時の街場と比べ、スタッフのマンパワーを分散し人的リソースをバランスよく活用することができると考えたのだそう。加えて大手町という立地柄、リーシングや店づくりが男性目線であるのに対し、今回「日本ワイン」を主軸にした”ビストロスタイル”という、いわば大手町に対する逆張りを行くことも、猿田氏が勝負した”仕掛け”のひとつであるそうだ。

飲食店は全16テナントが集まる”都会の横丁”で、ひと際目を引くイエローを基調とした軽快な内装デザイン。付き合いの長いデザイナーによるアート作品が引き立つようにと考えられているそうだ。業態の個性だけでなく、空間そのものが店の印象を一層際立たせている。店の中心には大きな食事テーブルが置かれ、”美味しい!”をシェアできるターブルドット的役割を担っている。と同時に、オフィスビルに隣接する商業施設ゆえ、団体利用の需要に対応するための大型テーブルでもある。合理性と店の世界観づくりを兼ね備えた造りに配慮されている。

同店の売りである日本ワインは、山梨や長野のほか、鳥取や島根、京都や広島など、あまりお目にかからない産地のものも含め泡、白、赤、ロゼで80種以上。グラスは500円〜、ボトルは3000円〜4500円を中心にラインナップしており、価格帯のカジュアル化にも挑戦している。これらのワインは、十勝・さらべつチーズ工房の国産チーズや「やみつき間違いなし!能登宮本さんの牡蠣を何とスモークペーストに!」、「銚子越田商店の”ものすごい鯖”の香熟漬けと白インゲン豆のフムス」(いずれも500円)などアミューズ類と合わせていただきたい。前菜は「田無ニイクラファームの色んなハーブと温野菜のサラダ、山梨バルサミコドレッシング」(1050円)、「千葉・大多喜町の末吉さんが育てる風味が♡な原木椎茸は白身魚とカルパッチョに!」(900円)、「横須賀野菜のスチームバーニャカウダ ひしおトンナートソースと」(S:950円、M:1500円)など。メインディッシュは「SARU一番人気!脂身も美味!安曇野放牧豚のステーキ」(1900円)や「銚子一山より、ヤリイカいハーブを詰めて丸々で!」(1600円)などが揃うが、どれもネーミングに生産者や食材の背景が見えるユニークなものばかり。そのほか、食材にこだわる同店らしく、ジュース類も充実。安曇野の白桃、シナノゴールドりんごジュースのほか、山形県上山市の木なりブドウジュース、尾瀬星野さんのアイコトマトジュースなどをすべて550円で提供している。

猿田氏が昨今肌で感じるという「国産回帰の波」。ワインにしても食材にしても、海外のハイクオリティと言われるものを一通り見渡し、実際に味わって理解を深めるほどに「自国の日本にだって良きものがたくさんある」という再認識。海外の文化を知っている人にこそ、日本の良さを新しい手法で打ち出せるのではと猿田氏は語る。そのような流れの中で、日本ワインのポテンシャルを自店でどう表現するべきなのか、まだまだこれからの課題と感じているようだ。

今後は出店ペースを加速させるというより、日本ワインコンテンツで出店の可能性を見つつ、既存店とは異なり、軽井沢や箱根、鎌倉など非日常感が味わえる立地で高級業態に挑んでみたいと話す。そのためには店の基盤となる人材教育に重点を置く必要があるという。自社店舗で戦力となることはもちろんだが、独立を考えるスタッフに対しても、息の長い飲食店経営ができる成功者になってもらいたいと語っていた。また、ワインのある生活をより楽しいものにするため、デリカテッセンを”街場に創る”ことにも意欲を見せる。ワインを基軸にあらゆる事業展開やモデルを構想する猿田氏には期待が膨らむ。外食、中食ともにさまざまな食のシーンをクリエイトする同社の動きはこれからもウォッチしていきたい。

店舗データ

店名 SARU -Wine・Japan・Bistro-
住所 東京都千代田区大手町1-1-1大手町パークビルディングB101

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アクセス 地下鉄 大手町駅より直結
電話 03-6273-4939
営業時間 月~金11:00-14:30、17:30-22:30、土 12:00-21:00
定休日 日・祝日
坪数客数 14.5坪・29席
客単価 昼1000円・夜4200円
運営会社 株式会社Root
オープン日 2017年2月23日
関連リンク SARU(HP)
関連リンク SARU(FB)
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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