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インタビュー

株式会社スプラウトインベストメント 代表取締役 高橋誠太郎氏


――そもそも5年前に、“魚バカ”シリーズを始められた理由は何だったのでしょうか。

当社はこれまで、投資という視点を主軸にしながら、飲食事業をはじめ、宅配事業やリラクゼーション事業などに事業投資してきました。目下、不動産・宿泊施設などの投資も研究しているところです。今後も国内外を問わず、M&Aや居抜き物件の再生など、幅広い事業領域において高いパフォーマンスを得られる投資活動を推進していく予定です。

そういった中で、当社では創業以来、次の二つの条件を満たす事業に取り組んできました。

  1. お客様に喜んでいただくことが、成功に直結する事業
  2. 一定の市場・地域におけるオンリーワンまたはナンバーワンになれる事業

――“魚バカ”シリーズはこの2点を満たしていたと。

ええ。でも、もちろんそれだけではありません。当社では“魚バカ”シリーズをスタートさせる前から、釣船茶屋「ざうお」や宅配寿司「銀のさら」といった魚介類をメイン素材とする飲食店を展開してきました。

こういった業態を投資のポートフォリオの観点から見ると、「ざうお」は店内の生簀でお客様が“魚釣り”を楽しめる点が魅力ですが、一方で、魚の管理など、運営が難しい面もあります。比較的、売上げにも波が生じやすいのです。

一方、宅配事業の「銀のさら」は、収益性は「ざうお」ほどでなくとも、当時(5年前)で対前年比売上高105%をキープしており、比較的、売上げも安定していました。これら二つのブランドを併行して展開することで、当社では経営を安定化させ、同時に収益性を高めることができたというわけです。さらに複数の魚系業態のノウハウを社内に蓄積させることで、両ブランドの商品力や接客力などを相乗的に高めることができました。

銀座 魚ばか

――そこでさらに、オリジナルの“魚バカ”シリーズを投入したというわけですね。

そうです。「ざうお」のメイン客層はファミリー客で、地域密着型の経営を心かげていますが、同じような地魚や活イカを、今度は本物志向の強い舌の肥えたお客様などに提供していこうと考えたのです。新宿や銀座のように、さまざまな客層を取り込める場所で。

――今後はどのように展開されるのでしょう。

まず、“魚バカ”シリーズだけで10店舗体制を築いていく予定です。活魚・地魚・活けイカ専門の卸売会社としてはトップクラスのポジションを確立できたところですが、供給の問題もあるので、“魚バカ”店舗をチェーン展開する予定はありません。2月16日には“魚バカ”シリーズ7号店となる「新宿いかセンター ぐるぐる」(西新宿)をオープンします。

――飲食12店舗の布陣となりましたが、今後は魚系業態以外の展開の可能性もあるのでしょうか。

当分は、メイン素材は“肉より魚”になるでしょう。BSE問題や鶏インフルエンザのことを振り返ってみても、肉類(牛、豚、鶏など)を扱うビジネスはリスクを伴うものだと思うからです。

それに魚介類には“痛点”がないと聞いたのも理由のひとつです。命をいただいていることにかわりはないのですが、“痛さの有無”というのは、日々それを業とするものにとっては大きなこと。大切なこととして捉えています。

魚介の種類はいろいろありますので、今後のビジネス展開の可能性はかなり広いと考えています。“魚バカ”シリーズ以外の第2のオリジナル業態も開発していく予定です。「Business=Ecstasy」というのが当社の企業理念。「ビジネスそのものがしびれるほど気持ちよくてたまらない」と私たちは日々感じているところですし、こういった企業理念を共有できるパートナーを今後も創っていきたいと考えています。

プロフィール

1974年生まれ、宮城県出身。慶応義塾大学法学部卒業後、(株)日本エル・シー・エーに入社し、マーケティング部門、飲食・FC部門に在籍。2002年に独立し、有限会社スプラウトを設立。現在は事業投資を主軸にしながら、「釣船茶屋ざうお」や「銀のさら」、「銀座魚ばか」、「新宿いかセンター」など、話題の飲食12店舗などを展開している。“ビジネス=エクスタシー”を企業理念に掲げてまい進中。

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