千駄木に「ataru BAKE（アタルベイク）」がオープン。北千住「アタル」など人気居酒屋を手掛けるトーヤーマンが初のカフェを出店。柔軟な働き方の実現、人材の多様性を広げる

育児と両立する女性スタッフの働きやすい環境づくりのためカフェ出店

以前から、居酒屋以外に挑戦したかったという當山氏。今回のきっかけは、同店の店長を務める鈴木宏美氏だ。鈴木氏は子育てと両立しながら昼の時間帯に居酒屋の仕込みスタッフとして勤務していた。「うちの会社の明るい雰囲気が好きと働いてくれていましたが、子育てがあるのでやはり夜の時間に働くのは厳しく、どうしても仕込みだけになってしまう。彼女は焼き菓子などが得意なので、いつかそれを生かした店をやりたいと話していました」。

とはいえカフェやスイーツで収益を出すのは、アルコール業態と比べて難しい。悩んでいたところ、ヒントとなったのが蔵前のマフィン専門店「Daily’s muffin」だという。店頭に並ぶ様々な種類のマフィンがテイクアウトで飛ぶように売れていく様子を見て、當山氏は「これだ！」と思ったそう。「色々な種類のお菓子に手を出すよりもアイテムを絞った方が効率がいい。とはいえマフィンならば具材でバリエーションが出せる。マフィンのテイクアウトを中心としたカフェをやろうと考えました」。

昨年夏ごろから物件を探し始め、当初はオフィスの多い東日本橋や馬喰町エリアで検討した。「意外にオフィスワーカーのまとめ買い需要が大きい」という話を聞いたからだ。しかし概して家賃が高く、同エリアでの出店は断念。一方で谷根千エリアにも「インバウンド含め観光客が多く、カフェがにぎわっている」と魅力を感じ、以前も焼き菓子店が営業していた千駄木駅近くの同物件を契約した。

白を基調としたシンプルな店舗デザイン。2階部分はストック場所として活用。オリジナルの包材が想像以上にかさばるので助かってるという

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