好きが高じて“レモンザムライ”に。瀬戸田レモンの美味しさを広める「尾道せとだレモン大使」も務める
飲み歩きに目覚めた大学生時代から、飲食店経営を夢見るようになったという鈴木氏。卒業後は渋谷のダイニングバーを経て、タレントのグッチ裕三氏がプロデュースする創作料理店「うまいぞお」(現在は閉店)へ入店し、深夜は西麻布のバーでアルバイトをしながら酒について学んだという。30歳で「もっと色々な経験を積んで、アウトプットできる場としての店を作りたい」と、いわゆる“昼職”へ転職し、就業後は各地の店を飲み歩く日々を送る。レモンサワーにハマりはじめたのはこの頃だ。「ビールやワイン、焼酎、ウィスキー、日本酒…と様々なお酒を飲んだり、勉強したりもしてきましたが、30歳を過ぎた頃から以前ほど飲めなくなってしまって。初めは、お茶の種類だけ可能性がある『お茶割り』を楽しんでいたのですが、次第にレモンサワーを飲むようになりました」。
鈴木氏がレモンサワーにのめり込んだ最大の理由は、飲みやすさや食事との合わせやすさに加え、定義の“曖昧”さだ。「日本ではレモンサワーというと炭酸を入れるのが当たり前ですが、海外でレモンサワーを頼むと、炭酸が入っていないショートカクテルが出てくるんですよ。一般的なカクテルの定義では“蒸留酒にレモン果汁、甘みを加えたもの”は全部レモンサワーなんです。ベースのお酒は焼酎でもウォッカでもいいし、炭酸を入れなくてもいい。その自由さにハマって、レモンサワーのレシピを開発したり、様々な店のレモンサワーを飲んではInstagramに上げたりと、自分なりに研究していました」。
ある日、同店の共同経営者である佐藤氏から「そんなに好きなんだったら、“レモンザムライ” という肩書きでレモンサワーを極めてみたら」というひと言をきっかけに、2017年から“レモンザムライ”としての活動がスタート。佐藤氏の「レモンサワーの枠を超えた、レモンの“コンシェルジュ”を作り出すことができたら面白いなと思いました。彼が発信するのではなく、みんなが彼にレモンのことを聞きに来るような。そこで、レモンのことなら何を聞かれても答えられるようになってほしいと伝えたんです」という言葉を受け、レモンについても研究をする中で出合ったのが広島県尾道市の生口島で栽培されている「瀬戸田レモン」だ。「農家さんが東京でワークショップを開催されるということで会いに行ったんですが、初めは『レモンザムライって何じゃ?』と言われてしまったんです(笑)。でも、SNSを交換して活動を知っていただいたことで、翌月には『君にはサムライとしての武器がないから、うちのレモンを扱って頑張ってみるか』と言ってくださって。瀬戸田レモンの卸販売を始めることになりました」。
以来、レモンザムライは「尾道せとだレモン大使」として、バックパックにレモンを入れて飲み歩き、名刺と一緒にレモンを手渡していたのだとか。この地道な活動が実を結び、現在は国内外100店舗以上の飲食店へ瀬戸田レモンを卸すほどに。さらに、レモンサワーイベントの開催などレモンサワーを極める中で、某バラエティ番組スタッフの目に留まり、「年間1000杯以上のレモンサワーを飲む男」と紹介されたのを機に知名度が一気に上がった。次のステップとして、全国各地に“美味しいレモンサワーが飲める場所”を展開するためのパッケージとして作ったのが「曖昧時空URBAN LEMONERY」だ。店があるのは自由が丘駅から徒歩5分圏内、築40年強の商業施設「もみの木ビル」の一角で、敷地面積はわずか2.6坪。狭いながらもキッチンを備え、手作りのつまみも用意する。
店舗データ
店名 | 曖昧時空URBAN LEMONERY(あいまいじくうアーバンレモナリー) |
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住所 | 東京都世田谷区奥沢6-33-14 もみの木ビル1F |
アクセス | 自由が丘駅から徒歩4分 |
電話 | 080-7626-9232 |
営業時間 | 15:00~23:00 |
定休日 | 日・月 |
坪数客数 | 2.6坪13名 |
客単価 | 5000円 |
オープン日 | 2023年12月4日 |
関連リンク | 曖昧時空URBAN LEMONERY(Instagram) |