「ポール・ボキューズ」など一流レストランで修業。その後、出張料理人としては引っ張りだこに
多くの飲食店が立ち並ぶ中目黒駅の高架下。その一角に「おばんざいBistroてんよう」はオープンした。「てんよう」とは、オーナー原 天賜(ひろし)氏の名前の音読みから命名している。そんな原氏は、子供の頃から料理が好きだったという。地元・長野の高校で調理科を卒業後は辻調理師学校へ進学。その後、フランス・リヨン郊外にある「ポール・ボキューズ」に半年間、留学した。フランス料理の巨匠、故・ボキューズ氏もいる環境で本場の技術を吸収し、料理人としての礎を築いた。帰国後は都内のミシュラン三ツ星のフランス料理店に1年、銀座の「ザ・グラン銀座」に2年ほど勤務。「ザ・グラン銀座」は宴会や婚礼などの部門に分かれるレストランで、後に部門シェフとしても活躍した。
その後、「新しいことに挑戦したい」と、料理人から一転、知人の誘いでIT企業に転職した。「それまでずっと料理の仕事をしていたのでパソコンに触ったことがなかった。パソコンの使い方からシステムや経営について学びました」。同時並行で、フリーランスの料理人としての活動もスタート。IT企業勤務の傍ら、土日には出張料理人としてお客の自宅に赴き料理を振る舞っていた。「そうこうしているうちにコロナ禍になりましたが、世の中の人が外食を控えるようになった代わりに、自宅で出張料理人を呼んでパーティがしたいというニーズは強まっていった。これを機に、出張料理人としての活動に注力しました」。宣伝や大きな告知をしていないにもかかわらず、原氏の出張料理は評判となり、じわじわと口コミで予約が増えていった。「最初は自分の料理にどれくらいの価値があるのかわからずやっていました。ですが、あるお客様が1人分のコース料理に3万円の価値を付けてくれて。それが大きな自信につながりました。やがて、有難いことに予約が取りにくい状況になっていきました」と原氏。
加えて、飲食店のコンサルや業務委託で運営にも関わるなどフリーランスで精力的に活動していた原氏。今年の1月には、浜松町のオフィスビル内で弁当店の立ち上げを行い、軌道に乗せた。その運営から離れた折にこの物件の話が舞い込んだという。「もともとここの隣の『港町バル』に業務委託で関わっていたのですが、前テナントのオーナーから移転したいという話を聞いた。だったら、僕がこの物件で店をやってみたい、とお願いし、開業が決まりました」。
店舗データ
店名 | おばんざいBistroてんよう |
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住所 | 東京都目黒区上目黒3-5-23 |
アクセス | 中目黒駅から徒歩3分 |
電話 | 080-4802-1888 |
営業時間 | 【月~金】16:00~24:00【土日祝】16:00~23:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 14坪15席+スタンディング |
客単価 | 7000円(想定単価は4000~5000円) |
オープン日 | 2022年10月1日 |
関連リンク | おばんざいBistroてんよう(Instagram) |