カジュアルでありつつ本格派も。目指したのは「大人の居酒屋」
齋藤氏が思い描いたのは「大人の居酒屋」。居酒屋のカジュアルさがありながらも本格的な料理をカウンターで気軽に楽しめ、かつ、しっかりと満足感のある店だ。「若い頃に勉強でミシュラン星付き店のような一人4万~5万円するような和食店を食べ歩きましたが、繊細な味わいは美味しいけれど、量が少なく何か物足りないと感じることが多かった。それだけの料金を支払っているのだから、味も量も満足いくものを提供したい。昔よりも味の濃いものが好まれる嗜好の変化もとらえ、最後はしっかり満足して帰れる店をやりたいなと。正統派の和食だけでない、型にはまらない自由なメニュー構成を目指しました」と齋藤氏。
料理は旬の素材を使いながら季節替わりだ。齋藤氏の様々な店の経験が生かされた品が揃う。特に斎藤氏が力を入れているのが、千葉県山武氏まで自ら足を運んだ斉藤完一さんの斉藤農園の無農薬野菜を使った品だ。「完一野菜プレート」(980円)は、農園から直送されるその時の旬の野菜を、素材を見てサラダ、佃煮、おひたしなどに調理して盛り合わせた「野菜で飲めるつまみプレート」だ。魚は天然物だけにこだわり、それぞれ魚種ごとに業者を分けて仕入れる。刺身は「天然・お造り盛り合わせ」(一人前1300円)のほか、マグロやその日の青魚、生エビなど単品(980円~)でも用意する。肉料理も充実し、特に人気なのが「カムイ豚のメンチカツ」(2ヶ800円)や、自家製の柚子胡椒を添えた「地鶏もも肉のパリパリ焼」(980円)。すぐに提供できるクイックメニューや、冷菜、揚物等も揃い、食事ものとしては、以前の銀座の職場で名物だった「鮮魚ゴマ茶漬け」(1380円)や、すし・細巻きも用意。銀座で味わうような本格的な和食がある一方、「キーマカレーライス」(1280円)のようなカジュアルなアイテムまで用意し、しっかりとお腹を満たしたい人も満足できるラインナップだ。齋藤氏はふぐの調理免許も保有し、9月からは活け〆トラフグ、すっぽん料理もウリにしていく予定。まさに「型にはまらない」を体現した品々だ。
ドリンクは日本酒を中心に、ビール、ウイスキー、サワー、焼酎、果実酒、クラフトジン、ワインと幅広い品ぞろえ。おおよそ1杯580~680円が中心価格帯だ。日本酒については、代々木上原の「笹吟」で勤務していた際に詳しく学び、利き酒師の資格も取得。その時の経験から常時15品(700円~)ほどの銘柄を選ぶ。「バランスよくを基本に、中にはワインのような造りものや熟成古酒など、お客様が喜ぶ珍しいものも交えながら用意しています」と齋藤氏。生ビールのサイズは中や小だけでなく大(1000円)を用意したり、サワー、ハイボールは+300円でビッグサイズにもできたりと、居酒屋のように気取らず飲んでほしいとの狙いがある。一方で製氷機の氷ではなくかち割り氷を使用し、ワンランク上を目指す。ワインは赤白など常時10品(グラス680円~)ほど。すべて斎藤氏が試飲して美味しいと思ったものを用意しているという。
店舗データ
店名 | MUGE (無碍) |
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住所 | 東京都渋谷区富ヶ谷1-9-20 リンデン代々木公園 1F |
アクセス | 代々木八幡駅・代々木公園駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6407-0916 |
営業時間 | 17:00~23:00(LO22:30) |
定休日 | 月曜(祝日の場合営業、翌火曜休み) |
坪数客数 | 15坪23席 ※現在はコロナ対策で21席 |
客単価 | 6000~7000円 |
オープン日 | 2021年7月6日 |
関連リンク | MUGE(Instagram) |