約20年にわたり和食を中心に修業。独立を目指し、多数の店であらゆる技術を吸収
何かにこだわることがなく、思考や行動が自由であること――そんな意味を持つ仏教用語「融通無碍」。代々木八幡にオープンした「MUGE」は、「障害のないこと」を意味する「無碍(むげ)」から取った店名の通り、型にはまらない、自由闊達な料理を提供するカウンター割烹だ。銀座で楽しむような本格京料理から居酒屋のような気軽なつまみ、炭火焼の肉料理、すし、〆のカレー品まで多彩な品をカジュアルに楽しめる。オープンから間もないが、地元を中心に密かに話題が広がっている。
店主は齋藤祐司氏。約20年に渡り和食を中心に料理の経験を積み、今回、独立に至った。齋藤氏は旅行関係の専門学校を卒業後、新卒で旅行会社に就職。ところがすぐに勤め先が倒産してしまったため、生活のために六本木のバーでアルバイトを始めた。そのバーが表参道に和食店を出店するのをきっかけに料理の道へ。そこから、京料理、懐石、くずし割烹、炭火焼きの居酒屋など、和食を中心に経験を積んだ。「表参道の店で料理を始めたのは21歳の時。調理師学校を出て修業を始めた人より自分は遅れていると自覚していたぶん、様々な店で多くを学びたいと思っていました。大人数の職場ではポジションが回ってくるまでに時間がかかる。親方と二人きりの店を選び、早いうちから直に技術を教えてもらったこともありました」と齋藤氏は振り返る。独立については、「子供の中学の入学式を見届けてから独立しようと考えており、それが今年の春でした。コロナ禍と重なってしまったものの、以前から決めていたことだったので、予定通り準備を始めました」と話す。
当初、物件は渋谷桜が丘や恵比寿などで探すも物件の空きが少なく、出合ったのが代々木八幡駅(代々木公園駅)から徒歩3分、多くの店舗が立ち並び、活気ある通りのビル1階だ。「思い描いていたのはオープンキッチンのカウンター。それが設置できる物件が大前提でした。代々木八幡の『魚まみれ眞吉』で店長を務めていた経験から、このエリアは客層がよく、1年を通して売上に波が少ないのが魅力。代々木八幡は住んでいる人も多く、コロナ禍を通じて地元のお客様を大切にする重要性は身に沁みていましたが、外から来る人もバランスよく混在しており、ここに決めました」と話す。
店舗データ
店名 | MUGE (無碍) |
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住所 | 東京都渋谷区富ヶ谷1-9-20 リンデン代々木公園 1F |
アクセス | 代々木八幡駅・代々木公園駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6407-0916 |
営業時間 | 17:00~23:00(LO22:30) |
定休日 | 月曜(祝日の場合営業、翌火曜休み) |
坪数客数 | 15坪23席 ※現在はコロナ対策で21席 |
客単価 | 6000~7000円 |
オープン日 | 2021年7月6日 |
関連リンク | MUGE(Instagram) |