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イタリアンで修業後、料理教室を主宰する女性オーナーが、ひとり飲み女子をターゲットにしたネオ小料理屋「酒とつまみ じょうご」を中目黒にオープン!

2月12日、中目黒に「酒とつまみ じょうご」がオープンした。オーナーはイタリアンで修業後、料理教室「Live Happier(リブ ハピア)」を主宰するshokoこと山田尚子氏。「料理教室で好評だったレシピを、お客様に提供して喜んでもらいたい」という思いからオープン。現在は料理教室の生徒など知人・友人で賑わうが、ターゲットとするひとり飲み女子をどう取り組んでいくのかその手腕に注目をしたい。

店名の「じょうご」は上戸下戸の上戸と、オーナーの名前「しょうこ」をかけ合わせてネーミングしたという
以前はビストロだった6坪のスケルトン物件を、内装業者とやりとしてデザインの方向性を決めていった。椅子やテーブルなどの什器類も山田氏自らがいくつかの店舗を回って選んだ
店主自慢の「ちょこちょこ盛り」(2000円)。「いろいろなものを少しずつ食べたい」という女性心理を汲んだもの
「牡蠣とほうれん草の和風クリームグラタン」(1000円)。燗酒との相性を考えて、隠し味として味噌を使っているという
店主のshokoこと山田尚子氏。ソムリエの資格を持ちながら、ご本人としては日本酒の燗酒にもこだわっていく方針だとか

(取材=松野 孝司)


幼い頃から料理の道を志し、友人の勧めにより料理講師の道へ

オーナーのshokoこと山田尚子氏は、東京都出身で幼い頃から料理づくりに目覚め、中学校入学時には、料理の道へ進むことを決意。調理師の資格を取れる高校を進学し、卒業後にはレストラン「青山美食倶楽部」に入店。当時は「女性は厨房に入るな」といわれた時代だったが、先輩男性がランチ後の休憩している間にも、山田氏は夜のデザートの調理を担当するなど、休む暇もなく働いたという。その後、イタリアンに興味を持つようになり、中野のイタリアンレストランに転職。イタリアンを学ぶうちに「本場の味を確かめたい」と思いイタリアに半年ほど留学。「そのとき食材の良さを引き出すイタリア料理の良さとワインのおいしさに目覚めた」という。

帰国後、修業を続けていた山田氏だったが、長年のハードワークがたたり体調を崩してしまったという。1年間の療養後、それまでと同じように厨房で働くことに不安を感じ悩んでいたときに、友人から誘われたのが料理教室の講師という仕事だった。いくつかの料理教室で講師を務めた後、13年前に日本料理の講師の西芝一幸氏と「いただきます」を立ち上げ、その後、料理教室「Live Happier(リブ ハピア)」を主宰。その間、大手家電メーカーショールームでの出張料理教室、テレビ番組の料理監修、レシピ本の出版などを手掛けた。

「料理をする過程を見てもらいたい」と業者を交えて、一から店づくりを

「料理教室のレシピは、どんなに美味しい料理も、生徒の前で披露すると役目を終えてしまいます。もっとたくさんの人に食べてもらいたい、という思いが沸いたのが今回の出店のきっかけでした。ひとり飲みの女性にやさしい店をコンセプトに、自分がひとりで飲むとしたらどんな店がいいだろうと、自問自答しながら店づくりを進めました」。

物件はなじみ深い渋谷区を中心に探した。「仕入れから調理、接客まで一人で切り盛りする」ことが前提だったので、10坪以下の物件に絞ったという。そんな中、見つけたのが、この中目黒から徒歩8分にある、以前はビストロ店が入居していた8坪のスケルトン物件だった。山手通りに面しているとはいえ雑居ビルの3階という立地は、視認性の面では劣り、フリーの客がフラッと立ち寄るのは不利な条件といえる。「料理を含めて気に入ってくれれば、隠れ家的な店としてリピーターになっていただけると気にはならなかった」と話す。

当初は京都の古民家をイメージした小料理屋にすることを考えていたが、内装業者などと打合せしているうちに、黄色とグレーを基調にした明るさと落ち着きを兼ね備えた空間に。席数はカウンター4席とテーブル席は4席と2席の合計10席。こだわったのはカウンターの高さ。業者からは、カウンター席から手元が見えない高さにしたほうがとアドバイスされたそうだが、「料理をする過程も見てほしい」という理由でやや低めにした。この見られることを意識した演出は、料理教室で培った山田氏ならではの自信の表れといえるかもしれない。

出汁がきいた日本料理と、燗酒 やオリジナルレモンサワーが好評

料理は旬の食材を生かした和食とイタリアンを中心にラインアップ。「本日の魚タルパッチ」(1200円)、「海老と春菊の白和え」(680円)、「出し巻き卵」(680円)といった冷製料理、温製料理、揚げ物などの一品料理の他、日替わりのオススメを6種類をセットにした「ちょこちょこ盛り」(2000円)、8種類をセットした「おまかせコース」(4500円)を用意。「ちょこちょこ盛り」で物足りないときは、途中から「おまかせコース」に変更することも可能だという。「リピーターの方は、『ちょこちょこ盛り』や『おまかせコース』を選ぶ方が断然多いです」。出汁にこだわり、毎日食べても飽きない味を心掛けているという。プレオープンやオープン当初は、料理学校の生徒や友人・知人が多かったが、オープンして1カ月も経たないというのに、週に2~3回通う常連客も多いという。

アルコール類は、「屋守純米中取り無濾過生」、「庭のうぐいすどぶろく」など全国の地酒(グラス一律480円、半合一律600円、一合一律1200円)で提供するほか、燗酒用に熟成純米酒を用意。ソムリエの資格を持っているだけにグラスワイン(880円~)やボトルワインも充実。なかでも評判がいいのは、「大人レモンサワー」と「サッパリレモンサワー」の2種類のレモンサワー(各780円)。前者は麦焼酎をベースに、後者はと大麦とトウモロコシなど穀類焼酎をベースにしたもので、どちらにも淡路島無農薬レモンが使われている。一人で13杯も飲んだ強者がいたという。

和風バルやイタリアンバルなど専門性が高い店舗を

ひとり飲みの女性客をメインターゲットにしているというが、現在のところ男性の一人客、2~3名客が多いという。3階という立地が、女性客にはネックになっているのかもしれない。「今後はインターネットなども利用して女性客への告知をしていきたい」という。

今後について、「料理教室との兼ね合いがあるので、不確定要素も多々ありますが、今回は和食とイタリアンの融合店だったので、できたら和風バルやイタリアンバルといった専門性が高い店舗を出店できればいいですね」と山田氏は話す。

店舗データ

店名 酒とつまみ じょうご
住所 東京都目黒区青葉台1-27-11 SEVEN VILLAGEビル 3F

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アクセス 中目黒駅から徒歩8分
電話 03-6452-2300
営業時間 18:30~23:30(LO23:00)
定休日 月・火
坪数客数 6坪10席
客単価 6000~7000円
運営会社 株式会社Yellow Dish
オープン日 2020年2月12日
関連リンク 酒とつまみ じょうご(Instagram)
関連リンク Live Happier (HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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