新宿駅南口から徒歩5分程度の西新宿二丁目エリア。オフィスビルや高級シティホテルが集中するこのエリアは、個性的な飲食店の出店がまだあまり目立たないブルーオーシャンエリアとして期待できそうな立地だ。昨年10月、この地に新しいスタイルの立ち飲みバル「新宿TRIBAR」がオープンした。経営母体は、新宿御苑にて長年、人気のイタリアンレストラン「ロッサーナ・ディ・サンタ」を経営していたロッサーナだ(「ロッサーナ・ディ・サンタ」は現在休業中で、新規移転先で再開予定)。同社オーナーは、新しいスタイルの立ち飲みバルをオープンする企画を長年温めていたが、西新宿二丁目の信号交差点に面したドラッグストア跡地の物件を昨年、偶然発見し、同店をオープンすることを決断したという。この甲州街道沿いは夕刻になると、オフィスから駅へ向かうOL、サラリーマンの足が続々と増え、また、駅からはホテルへ向かう外国人などの客足が深夜まで絶えない絶好の立地である。3階建1棟の物件をまるごと借り上げて、ドラッグストアだった1F部分ほか全改築を施した。設計を担当したのは、ドイツのバウハウスでの留学経験を持つ、新進気鋭の建築家、元松直治氏。黒のシックなファサードに、ペイントを施したドラム缶をテーブルにした店内は、ムダを極力省いたシンプルな造りになっている。立ち飲み屋にありがちな派手なネオンサインや看板もない、ごくシンプル&シックな店構えは、西新宿二丁目交差点では異彩を放ち、逆に目立つ存在となっている。 メニューは、本格的なイタリアンをベースにしたこだわりの料理に加えて、近隣オフィスのサラリーマンのニーズにも応えるよう、焼きとりやからあげなどの立ち飲み定番メニューをラインナップ。厨房を仕切るのは、イタリア料理出身の村井弘司氏だ。焼き立ての「ミニピッツァマルゲリータ」(480円)、「レバーのワイン煮」(380円)、そしてしっかりお腹を満たしてくれる「スパゲティナポリタン」(680円)などが人気メニュー。また、店一番のこだわりメニューは、大分県中津から直接仕入れた「大分中津からあげ」(450円)、ハーブで育てた若鶏を秘伝のたれにじっくり漬け込んで揚げたその味は、グルメな客も納得の味わいになっている。その他、備長炭で丁寧に焼き上げた、ネギマ、かしわ、レバー、砂肝、ナンコツ、皮、の焼きとり6種(各120円)も、店のイチオシメニューだ。 ドリンクは、生ビール450円、サワー類が380円、グラスワイン480円に加えて、ユニークなオリジナルドリンクを提供。それは、専用の水処理装置によって精製されたマイナスイオンをたっぷり含んだ炭酸水、スーパーイオンクリーン水によるハイボール「サンダーボール」(290円)、そして、フルーティな甘さのあるワインをスーパーイオンクリーン水で割った「ワインサンダー」(380円)の2つだ。どちらも通常の炭酸よりパンチのある炭酸水で、のど越しも爽快。このスーパーイオン水は胃腸を活性化させる働きもあるそうだ。現在の平均客単価は1500円前後で、ドリンク3杯とつまみ2品が楽しめる。そして、この秋には、ソムリエのセレクトによるワインメニューも充実させる予定だ。 また年内には、2Fのスペースをアジア諸国のカップ麺とアジアンビールを提供するBARとしてオープンする計画もあるそうだ。夜10時を過ぎても人通りが絶えない甲州街道沿いのこの店には、OLやサラリーマンに加えて、パークハイアットなどに滞在する外国人客も多く見られる。年齢や国籍に関係なく、幅広いコミュニケーションの場として立ち飲みバルにしていくことがコンセプト。2Fのアジアンビールの店のオープンも今後楽しみだ。
店舗データ
店名 | 新宿TRIBAR(トライバール) |
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住所 | 東京都新宿区西新宿3-1-1 |
アクセス | JR新宿駅南口より徒歩5分 |
電話 | 03-5323-0207 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 立ち席60名 |
客単価 | 1500円 |
運営会社 | 有限会社ロッサーナ |