フリースペースの使い方から家賃まで、テナントの話合いで決定。テナント主体の自治運営は飲食施設の新しいロールモデルに?
「+hacchi」は運営方法も特徴的だ。同施設を運営するにあたり、小嶋氏が参考にしたのは青森・八戸の「みろく横丁」だという。「みろく横丁」は、テナント同士の自治によって運営されている横丁だ。「+hacchi」でも、テナント自らアイディアを出し合い、話し合いで物事を決めていく。「フリースペースの使い方や家賃まで、すべてテナント同士で話し合い、お互い納得すればOK。大手デベロッパーがテナントを一律管理する商業施設とは一線を画すやり方です。退去時の違約金もありませんし、次のテナントがいればスケルトンにしなくてもよい。家賃も売上に応じた歩合はなく一律です。これらは全てテナントとオーナーである鉢嶺材木店との話し合いで決めました。視察に来た飲食店関係者からは、このやり方を見て『真似したい』という声も聞かれます。この運営方法は今後、施設や横丁の新しいロールモデルになるのではないでしょうか」と小嶋氏。
現在準備中の2階部分も、順次、本格稼働する。2階は鉢嶺氏のつながりから集まった6テナントが入る。バー業態が中心で、すでに11月に「へべれけBAR.」「囲-cacoi-」がオープンした。残りの4テナントも順次オープン予定だ。屋上はジャグジー付きのパーティスペースとなっており、今後、貸し切り営業などに使っていく。
地元老舗企業の地元愛に、志を持った全国の繁盛店オーナーが共鳴し生まれた「+hacchi」。ここを起点に那覇の街が面白くなりそうだ。
(取材=大関 まなみ)