新・編集長コラム

ガストロノミーと大衆酒場の融合「ガストロ酒場」が、外食マーケットの裾野を広げる

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


イギリスの「ガストロパブ」文化に学ぶ

「ポップガストロノミー レインカラー」取材の中で手島氏は、イギリスの「ガストロパブ」という文化について話してくれた。「ポップガストロノミー レインカラー」は、この「ガストロパブ」をインスパイヤしているとのことだ。

よく「料理がまずい」と言われるイギリスでここ数年食文化のレベルが上がっているという。その立役者が「ガストロパブ」。ご存じの通り、イギリスのパブ(パブリックハウス)は、日本で言うところの大衆酒場。「ガストロパブ」とは、パブの気軽さにガストロノミーの世界観を融合させたカルチャーのこと。これによってガストロノミーはより身近なものになり、結果、食の底上げがなされた。イギリスの大衆酒場がガストロノミーと融合するのならば、日本の大衆酒場がガストロノミーと融合するのもアリかもしれない。

日本の酒場マーケットにおいて、今ではネオ大衆酒場はすっかり浸透したが、もともと若者にとって大衆酒場はハードルの高い店だった。それを、「大衆酒場ビートル」をはじめ大衆酒場を現代的にアレンジした「ネオ大衆酒場」が大衆酒場のすそ野を広げた。今や若者にとって大衆酒場は身近な存在だ。同様に「ガストロ酒場」によってガストロノミーが若者にとって身近なものになるのではないだろうか。SNS全盛時代、高単価レストランはいわゆるインスタ映えするコンテンツのひとつになっているのも確か。SNSきっかけでレストランに憧れを持つ若者も増えている。レストランほどハードルの高くない「ガストロ酒場」は、初心者が一歩を踏み出すための入門になり得る。

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