「UDON」は「踊る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ」を大ヒットさせた香川出身の本広克行監督が「讃岐うどんを題材」とした作品でメガ ホンとったという。監督出身の中讃地区の「坂出」は大きな大きな盛り上がりをみせているらしい。しかし「讃岐うどん」、外食業界ではもう終わった業態。し かも、地元香川ではブームに乗った一部の「製麺所系」は規模拡大で傷を負い、いつもと変わらない「食堂系」がむしろ元気だった。 私の故郷、観音寺で加ト吉の加藤義和社長に会った。20歳で創業し、ちょうど50周年、自身満70歳を迎える。4月に「旭日中綬章」を受けた。地 元から育て上げた冷凍食品メーカーだが、いまや海外に21の生産拠点をもつグルーバル企業。50周年を記念して『海に学んだ青春経営』という著書を出版。 70代はまだまだ青春とばかりに、活力は漲っていた。新事業への意欲も盛んなようだ。 また、四国全体で「食のメガフランチャイズ」を展開している森フードサービスの森栄治郎社長にも会った。「KFC」「Pizza Hut」「牛角」「土間土間」「まいどおおきに食堂」「カプリチョーザ」等を展開している。事業意欲は旺盛でローカルで成り立つ「飲食FC」があれば積極 的に展開したいと言う。地元の人材調達は「高卒新入社員採用・教育」を主体にする。FCパッケージがある程度しっかりしていれば、「立地=想定売上」の経 験則があるだけに、人材さえいれば事業計画は立てやすいというわけだ。しかし、「新業態」導入には慎重だ。 実家の近くで大きな発見。なにげなく入った居酒屋に「骨付き鶏もも・子」(600円)があった。横浜に出店している丸亀「一鶴」は有名だが、こちら の地鶏(讃岐コーチン風)の骨付きもも肉を丸ごと焼いた鶏は、失神しそうなぐらい旨かった。地元侮るべからず!である。さらに、実家近くにできた「北海道 らーめん」。旭川から流れて来たという不器用な主人がつくる味噌ラーメンは逸品だった。「讃岐うどん」はそろそろ、もういい?
コラム
2006.06.02
久々の四国帰省
先週、故郷の四国・香川県に所用で帰った。地元では、小西真奈美主演の映画「UDON」の撮影が行なわれているとか、民主党党首の小沢一郎が香川入りしたとか、話題にはこと欠かなかった。私の従兄弟、岡田尊司の書いた『脳内汚染』も話題になっていた。
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。