麻布台ヒルズに“１万円居酒屋”の「居酒屋うちやま」が開業。MUGEN代表の内山氏が自ら現場に立つ！そしてもう一つの大きなニュース、マルハンにグループインした理由とは？

改めて現場に立ってスタッフに伝えたい大切なことがあった

理由については以下のように話す。「僕と一緒に現場で働いたことがある創業メンバーは、独立するなどしてもう一人も残っていません。そうした中で、今の居酒屋のメンバーたちに、僕が作りたい居酒屋の世界感を伝えたかったのです。これまでも口では説明してきましたが、それだけではなかなか伝わらない。自分が現場に立って実際に形にすることで、もっとリアルに伝えることができると考えました。また、高級業態の料理人たちには、この店を通して〈大切なのは料理だけじゃない〉ことも伝えたい。僕の修業時代がそうだったように、料理人は先輩から料理の心構えや技術は教わっても、それ以外の大切なことをちゃんと学んでいないことが多いからです」

料理以外の大切なこと、その最たるものの一つが接客だ。「オープンしたての今は、僕の知り合いが大勢来店してくれます。ありがたいことですが、スタッフに一番見せたいのは、知り合いでもなんでもない新規のお客様に対して僕がどんな接客をしているかです。若いお客様、年配のお客様、それぞれにどんな風に料理の提案をしているのか。ノリのいいお客様、ちょっと気難しそうなお客様にはどんなアプローチをしているのか。それを見てもらうことで、料理の腕だけでなく、お客様一人ひとりに寄り添うことができる接客力を磨いた料理人こそが、お店のファンを増やすということを伝えていければ」と内山氏は話す。

麻布台ヒルズは森ビルが11月24日に開業した複合施設。広大な敷地にオフィス、住宅、商業施設、文化施設、教育機関など多様な都市機能が集積しており、「居酒屋うちやま」は高層ビルの森JPタワー（64階）の商業施設・タワープラザの３階にある。出店の誘いを受けたのは2年前。「8000円～１万円の海鮮居酒屋をやって欲しい」と言われた。コロナ禍で居酒屋業界が打撃を受けていた時だけに、こうした誘いを受けたこと自体が励みにもなったというが、居酒屋で１万円の価格レンジとなると初めての挑戦になる。MUGENにとっても簡単な挑戦ではなかったからこそ、内山氏は「自分が現場に立ち、やりながらフィットさせていけば１万円居酒屋もやれる」と考え、「居酒屋うちやま」が誕生することになった。

従来の居酒屋よりも高級感のある19席のカウンターがメイン

店舗データ