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すする焼き魚のような味わい!?「もったいないプロジェクト」で注目度抜群のラーメン店!MUGENが「炭火焼濃厚中華そば 海富道」を神田に出店

5月15日、神田に「炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)」がオープンした。出店したのは炉端焼居酒屋の「なかめのてっぺん」などを展開するMUGEN(東京都目黒区、代表取締役:内山正宏氏)。同社にとって初のラーメン業態だ。炭火焼きにした魚を丸ごと余すことなく使った「炭火焼濃厚中華そば」は、「まるですする焼き魚」のような味わいで、同社が展開してきた、市場で買い手がつかない魚を有効活用する「もったいないプロジェクト」の新たな形としても大いに注目される。

銀座線神田駅の4番出口の目の前という好立地。ラーメンの居抜き物件に出店した
客席はカウンター席のみで14席。調理場奥に炭焼き場があり、店舗で魚を炭火焼きにしている
「炭火焼濃厚中華そば」はご飯との相性が良く、「定食」でも提供。写真の「鯖/さば」は、鯖の旨味や風味と炭火焼きの香ばしさが一体となった美味しさを堪能できる
MUGEN代表の内山正宏氏(右)とスタッフの小沢拓也氏

20年来の友人という信頼関係から誕生した「義兄弟店」

居酒屋業態を中心にすし店や天ぷら専門店など計21店舗を展開するMUGEN。同社が初のラーメン業態として出店した「炭火焼濃厚中華そば 海富道」(以下、海富道)は、昨年末に新橋にオープンして人気を博している「炭火焼濃厚中華そば 倫道」(以下、倫道)の「義兄弟店」である。「倫道」を立ち上げたのは、「立喰い焼肉 治郎丸」、「炭火焼干物定食 しんぱち食堂」などのヒット業態を開発したことで知られる江波戸千洋氏(いろはにほへと代表取締役)。内山氏と江波戸氏は20年来の友人で、「スタッフ力を最大の武器にする『てっぺん』から派生して属人的な店を作ってきた僕と、しっかりした仕組みで誰でもできる店を作るのが上手い江波戸君はタイプとしては相反するようで、互いが互いの持っていないものをリスペクトしている」(内山氏)という間柄だ。

内山氏は、江波戸氏が立ち上げた「倫道」の話を聞き、大いに興味を持った。「倫道」の魚を丸ごと余すことなく使う「炭火焼濃厚中華そば」が、MUGENの「もったいないプロジェクト」の方向性と合致するものだったからだ。「もったいないプロジェクト」は、規格外であったり、傷がついたりして買い手が付きづらい「もったいない魚」を無駄にすることなく活用することを目的とし、2015年に居酒屋の「築地もったいないプロジェクト 魚治」(丸の内)を出店。この「もったいない魚」を有効に活用でき、なおかつ、頭から尾まで余すことなく使ってフードロスを減らすことができるのが「倫道」の「炭火焼濃厚中華そば」だったのである。そして、実際に店に行って食べてみると、衝撃を受けるくらいに独創的で美味しかったことから、内山氏は「うちでもやらせて欲しい」と江波戸氏に頼んだ。内山氏いわく、完璧主義者の江波戸氏は、さらに完成度を高めてからFCなどの店舗展開を行う考えだったが、他ならぬ内山氏の頼みであり、情報発信力のあるMUGENが手掛けることで認知度が高まるメリットもあることから、特別枠のような形で出店を容認。こうして、通常のFC店とは異なる、江波戸氏と内山氏の信頼関係による「義兄弟店」の「海富道」が誕生した。

海の富を余すことなく活かし、「SDGs」を中華そばに

「倫道」は、「炭火焼濃厚中華そば」をベースとしながらも、店舗ごとに異なった個性=「道」を持つ店舗展開を考えている。その「道系ラーメン」の展開では、店名も同じである必要はなく、「道」を使うことだけを決まりにしていく予定だ。そうした経緯から新たに命名した「海富道」という店名は、同店が掲げる「海の富を余すことなく活かす道」というコンセプトが由来。「『どんな魚も心を込めて』炭火で焼いて無駄なくすする」。これが同店の合言葉のようなフレーズで、「SDGsを中華そばに込めた」というストーリー性も打ち出している。

さらに今は、コロナ禍で飲食店が休業や時短営業を余儀なくされた影響で、居酒屋などに魚を卸してきた業者の多くが在庫過多に陥っている。その新たなフードロス問題の解決に少しでも貢献していきたいという思いもあり、「海富道」で使用する魚貝は、MUGENが居酒屋業態で従来から取引してきた卸業者から仕入れている。

「鯖」「鰯」「鮭」「海老」「烏賊」の5種類のライナップ

「開発した江波戸君は天才!」と内山氏が絶賛する「炭火焼濃厚中華そば」のスープは、魚の頭から尾までを丸ごと炭火で焼いて特殊ペーストにしたものを、アゴ出汁の魚介スープと合わせる斬新な方法で作る。「まるですする飲める焼き魚」と評される濃厚なスープだ。この濃厚スープがご飯との相性も良いことから、麺の「単品」だけでなく、麺とご飯を合わせた「定食」スタイルでも提供。麺は濃厚スープとの絡みが良い特製のストレート麺を使用し、出来立ての熱々の状態でスープを味わってもらうためにトッピングを別皿にしているのも「炭火焼濃厚中華そば」のスタイルだ。

「海富道」の「炭火焼濃厚中華そば」は、「鯖/さば」(単品850円・定食1000円)、「鰯/いわし」(同850円・1000円)、「鮭/さけ」(同950円/1100円)、「海老/あまえび」(同850円/1000円)、「烏賊/いか」(同950円/1100円)の5種類。「倫道」では「鯖」や「鰯」、「鮭」の他に「マッシュルーム」も提供しているが、「海富道」は魚貝のみに特化し、「海老」と「烏賊」は同店で新たに開発した。5種類の「炭火焼濃厚中華そば」は、「鯖」は「鯖の干物を食べているかのような香ばしさ」、「鰯」は「こくと深みが強く、鰯独特のほろ苦さも活かす」、「鮭」は「マイルドな脂と鮭の風味がクリーミーで食べやすく、女性に人気」、「海老」は「みそが詰まっている甘エビの頭で作っているので旨味が凝縮」、「烏賊」は「イカの身と肝を贅沢に使った他に類がない個性ある逸品」とそれぞれに特徴があり、全品制覇したくなるライナップ。魚の炭火焼きは店舗で行っており、「海富道」ではさらにコハダやメヒカリを使った新作の可能性も探っている。将来的には、いわゆる「雑魚」と呼ばれる様々な魚を使った商品も開発し、よりフレキシブルに「もったいない魚」を活用したい考えだ。

店を繁盛させ、FC展開の一助になることが「恩返し」

6年前に出店した「築地もったいないプロジェクト 魚治」は、今でもテレビ取材などが少なくない。それもあって内山氏は、メディア戦略の強化という点においても、注目度の高い「もったいないプジェクト」を事業の柱の一つにしていきたいと考えていた。それだけに、江波戸氏が立ち上げた「倫道」と出会い、「もったいないプロジェクト」の新たな形として「海富道」を出店できたことは、MUGENにとって意義が大きい。江波戸氏への感謝の思いは強く、「彼に対する恩返しとしては、まずは『海富道』を繁盛させること。それによって『倫道』のFCがスタートした時、加盟したいという人を増やすことができれば」と話す。オープンに当たっては、スタッフのトレーニングも兼ねて6日間、100杯無料イベントも開催。大行列を作って一気に知名度を高め、その後も午後8時までの時短営業ながら(5月末の取材時点)、10坪・14席で1日160人、日商16万円という好調な集客ぶりを見せている。

コロナ禍の影響が大きい居酒屋業態を主力にするMUGENにとっては、スタッフの新しい活躍の場にもなっているのが「海富道」だ。居酒屋で磨いてきたサービス力を生かし、「美味しいだけでなく、感じがいいスタッフがやっているねと言われる店を目指したい」と内山氏は話す。「海富道」を出店した神田には、グループ店の「俺の魚を食ってみろ‼本店」があり、両店で人材や仕込みの連携を図ることで経営効率も高めていく。また、MUGENは、昨年12月に「鮨おにかい+1(たすいち)」(中目黒)を、今年5月に「鮨うらおにかい」(八丁堀)を出店。本格的なすしを1万円のコースで提供し、コロナ禍でも好調な「鮨おにかい」(中目黒)の姉妹店2店だ。さらに、今年7月には客単価4万円の日本料理店の出店(銀座)も予定している。今後もMUGENは、居酒屋の進化と業態の多角化の両方を推し進めながら、無限大の可能性があると信じる「飲食業」=「明日への元気、活力提供業」で、「心を満たせる『人』『食』『空間』創り」に挑戦し続けていく。

(取材=亀高 斉)

店舗データ

店名 炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)
住所 東京都千代田区神田鍛冶町3-3-2 床屋3ビル 1F

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アクセス 銀座線神田駅4番出口目の前
電話 03-6260-8558
営業時間 11時~23時(※要請により順次変動)
定休日 不定休
坪数客数 10坪14席
客単価 900円
運営会社 株式会社MUGEN
オープン日 2021年5月15日
関連リンク 海富道(Instagram)
関連リンク MUGEN(HP)
関連リンク 天麩羅 みやしろ/くずし割烹 おにかい(記事)
関連ページ 築地もったいないプロジェクト魚治(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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