「スタッフのやりたいこと」「街に求められるもの」を再考し“ワインと中華”に業態変更
国分寺を中心に居酒屋を展開する猿屋一家(東京都国分寺市、代表:藤野裕章氏)。「35歳定年制」を提唱し、若手の独立を促す社風のもと多くの卒業生を輩出している。2022年4月、「猿乃拳」をオープンして独立した栗原 遼氏もその一人だ。今回、の「一軒目中華salvador」の前身となる「#サカバサル」は、栗原氏が同社の在籍時代、立ち上げから店長として活躍した店だ。
リニューアルを行った経緯について、栗原氏はこう話す。「『#サカバサル』のコンセプトは“大衆酒場で中華”。中華テイストを交え、酒の進むつまみを揃えた気軽な大衆酒場業態で、金宮のボトルキープは2000円など手頃な価格設定で20代の若い人中心に集客していました。ただ、店長の内堀裕文は料理やお酒をとても熱心に勉強していて、次第に、もっと値段を上げてクオリティの高いものを出したい気持ちが高まっていきました。店が提供したいクオリティとコンセプトや客層が乖離していき、売上も伸び悩んでしまい、テコ入れが必要な状況でした」。
同時に、今後の店舗展開も見据えて実績が欲しかったという栗原氏。「東京の23区内、どこか情報発信地となるようなエリアに出店したいというのは独立前からの僕の夢で、2024年には実現したい。そのためには人と実績が必要です。去年4月に独立してから休みなく働いてきましたが、僕や、2人いる幹部はなかなか現場を抜けることができない。人を採用するにも、満足いく給料や福利厚生を用意できないのが現状です。そこから脱却するため、規模を拡大することはひとつの手段だと考えました。そこで、『#サカバサル』を引き継ぎたいと、猿屋一家の藤野社長にお願いしたところ、様々なタイミングも運よく重なり、僕に任せてもらえることになりました」。
そこで「#サカバサル」の全面リニューアルを実施。打ち出したのは“中華とナチュラルワイン”だ。「国分寺ではまだまだナチュラルワインの認知が低い。中華とワイン、両方を扱っているお店も少なく、中華目当てのお客様、ワイン目当てのお客様の両方を取れる。美味しくて楽しい店ならお客様は来る。加えて、僕らが得意とするSNS運用で広めていければ」。
店づくりで特に意識したのはショルダーネームにもなっている「一軒目中華」というコンセプトだ。「ちょい飲みではなく、一軒目に使える、この店だけで満足できる“一軒完結型”の酒場を目指しました。例えるなら、大衆酒場である『#サカバサル』が『日高屋』なら、一軒完結型の当店は『バーミヤン』のイメージです」。より料理にフォーカスし、前菜から〆まで多彩な品を用意し、“一軒目”使いでも満足できるラインナップを意識した。使う素材や調理法のグレードも上げ、単価3000円だった「#サカバサル」から、4000~4500円に引き上げ。内堀氏が表現したい価格帯にもハマった。「やっぱり、スタッフのやりたいことができる店が一番いいと思うんです」と栗原氏。
店舗データ
店名 | 一軒目中華salvador(サルバドール) |
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住所 | 東京都国分寺市本町2-8-4 |
アクセス | 国分寺駅から徒歩3分 |
電話 | 042-325-8686 |
営業時間 | 【月~木・日】18:00〜26:00【金・土・祝前日】18:00〜28:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 18坪32席 |
客単価 | 4000~4500円 |
運営会社 | 株式会社Roman |
オープン日 | 2023年3月1日 |
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