都内を中心に展開する超繁盛ブランド「アガリコ餃子楼」が、初の独立支援ロールモデル店舗を阿佐ヶ谷に開業。スタッフの家族の幸せに想いを巡らせる人情派経営スタイルで新たなフェーズへ

今後は独立支援に注力。スタッフの成長と独立、その先の幸せありきの展開を進める

清野氏は、店舗を展開するにあたっての人員確保を、自店のお客をスカウトするという手法をとっている。特に、店舗を任せる店長選びは重要だが、ここは成田空港での経験が役に立った。「空港の接客では、お客さまのグループの責任者やリーダーを見極める力が必要とされる場面が多いんです。そのおかげで、飲食業界に移ってからお客さまと話していても、『あ、この人はリーダーとしての資質があるぞ』という直感が働くことがあって。今までウチの店で雇用したスタッフや店長は、すべてその直感に従ってスカウトしています」。

そんな清野氏は、今後の展望として「経営者としての子ども、孫を育てていきたい」と語る。自身の店舗づくりや経営のノウハウを後進に引き継ぎ、独立支援を進めていく考えだ。今回の阿佐ヶ谷店も、石田氏の独立を後押しすると同時に、独立支援店舗のロールモデルとしていく目的もあり、そこには、「スタッフの家族も大切にできる会社づくり」という清野氏の想いが込められている。「ウチに入社したスタッフには、学んだことを活かして独立して、大黒柱として家族を食べさせるだけの人材になってほしいですね」。長期休暇中は、スタッフの家族と清野氏が顔を合わせて親交を深める「家族面談」を実施。その後、スタッフと家族が水入らずで旅行にいけるよう補助を出すという独自の福利厚生も行っている。「店舗展開は急ぎません。店舗を任せられる人と、その人の人生ありきで広げていくつもりです」と、清野氏は語る。

左から、代表の清野彰氏と阿佐ヶ谷店の店主となった石田氏。石田氏に対して清野氏は、入社時から独立を前提にして仕事をするよう伝えていた

（取材＝高椅 健太）

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