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代官山に「Sputnik(スプートニク)」が開業。カウンター越しの仕事に憧れた26歳の青年が行きついたのは、日常に溶け込むイタリアンバール。コーヒーとカクテルを1日を通じて提供

5月2日、代官山にカフェ&バー「Sputnik(スプートニク)」が開業した。スツールを置かないスタンディングスタイルで、昼でもお酒を、夜でもコーヒーを提供。カフェとバーの境目を作らないイタリアのバールをイメージし、1日を通じていつでも利用できる店を目指していく。“カウンター越しの仕事”に憧れ、「ポールバセット」「ファイヤーキングカフェ」などで経験を積み26歳で独立を果たしたオーナー・伊藤瑶起氏に、店づくりのポイントを聞いた。

駅の喧騒を抜けた、住宅街も多いエリアに立地。外からはガラス窓越しにエスプレッソマシンが見える
カウンターに寄りかかって飲むスタイルは、イタリアのバールをイメージ
人気の「FlatWhite(フラットホワイト)」(左)と、アプリコットやナッツを混ぜ込んだ店仕込みのアイスデザート「カッサータ」。ドリンクメニューはオーストラリアのカフェスタイルを踏襲
オーナーの伊藤 瑶起氏。自身をバリスタやバーテンダーではなく、あくまでカウンターに立つ仕事人として「カウンターマン」と定義する

「COFFEE HOUSE NISHIYA」のオーナーの仕事ぶりに憧れ、20歳で開業を決意

大学時代から飲食店でアルバイトをしていた伊藤氏が、“カウンター越しの仕事”に興味を持ったのが19歳頃。たまたま入った渋谷の「COFFEE HOUSE NISHIYA」で、オーナーバリスタの働きぶりに目を奪われた。「襟付きシャツとベストをピシッと着こなし、オーダーを手早くさばきながらも、窓から見える通行人に笑顔で手を振る姿に強烈な憧れを抱きました」と当時を振り返る。通ううちに、お客とカウンター越しにコミュニケーションを取る仕事に面白みを感じ、20歳頃には既に開業の決意を固めていたという。すし店、ラーメン店などカウンターの業態は世の中には多々あるが、「お客さんが毎日でも通えるような、長く親しまれる店にしたい」と、まずはカフェ業界でキャリアをスタートさせた。

バリスタ世界チャンピオンのエスプレッソカフェ「ポールバセット」で丸3年、バリスタとして経験を積んだのち、代々木上原で21年続く名店「ファイヤーキングカフェ」に入社。ここではバーテンダーとして腕を磨いた。その間オーナーに、経営や長寿店の秘訣などあらゆることを質問し吸収したという。

「オーナーからの教えで印象的なのは『お店をつくるならクラシックな要素をミックスさせなさい』という言葉。新品はいずれ新しくなくなるが、100年の歴史あるものは今後も残り続ける」と伊藤氏。この言葉が「Sputnik」の店づくりにおける基礎になっている。

その後、飲食店やホテルを手掛けるTHINK GREENPRODUCEに入社し店舗マネージャーや飲食店立ち上げ業務に携わりながらノウハウと資金を貯めた。開業にあたっては、神楽坂のバー「鎹(かすがい)」で店長を務めた経験をもつ友人のバーテンダー・板橋凛氏を誘った。現在は伊藤氏・板橋氏の2名で切り盛りするが、今後はアルバイトを採用し3~4名で回す予定だという。

クラシックな要素をミックスし、居心地の良い空間に

「Sputnik」は、代官山駅から徒歩約5分の路面にオープン。恵比寿駅も徒歩圏内で、近隣には住宅も企業も多い好立地だ。カフェとバーの両軸で運営するスタンディングスタイルで、昼でもカクテル、夜でもコーヒーを提供。伊藤氏は「一日を通じて気軽に利用できるので、生活の一部にしてもらえたら」と狙いを語る。

店内はイタリアのバールを思わせる、スツールなしのスタンディングスタイル。大きなカウンターと壁に据えたテーブルで最大12名を収容する。ゴールドの足掛けでシックさを出しながらも、床はタイルを剥がしてむき出しのコンクリートに。新しさの中にもクラシックな要素をミックスさせている。店奥には大きな鏡を設置。もとは奥行きを出すための策だったが、どの位置にいるお客も鏡越しに表情や手元が見えるため、コミュニケーションが取りやすいメリットを感じているという。

いつでも好きなように楽しめるよう、カフェとバーの境目をなくす

「どんなシチュエーションでも利用できるように」と、メニューに昼夜の境目はなく、どの時間帯でもコーヒーやお酒が注文可能。カフェメニューではオーストラリアのスタイルを踏襲しており、ドリップコーヒーは置かず、エスプレッソを主軸にしたドリンク構成になっている。「swim」のコーヒー豆を使用し、「ShortBlack」(300円)とエスプレッソをお湯で割る「LongBlack」(500円)、水出しの「ColdBrew」(500円)の3種類などを展開。その他、「CaféLatte」や「Cappuccino」(各500円)などラテ系が5種類、紅茶やジュースなどを用意する。開業当時の人気は、エスプレッソの風味が生きる「FlatWhite」(500円)。気温が上がってきた最近ではコールドブリューやアイスラテが良く出るという。

軽食はプレートで提供するパンやサラミ、チーズなど(800円)のほか、デザートも4種ほど並ぶ。お店で仕込むシチリア伝統菓子「カッサータ」(600円)に、親交のある西荻窪の「CICLO (チクロ)」から「ビスコッティ」(250円)なども仕入れている。

バーメニューでは決まった品はなく、クラシックカクテルを中心にお客の注文や好みに添った一杯を1000円から提供する。

同店では「あえての分かりにくさ」を打ち出しているのが特徴。カフェメニューは英語表記のみで写真はなく、お酒はバーテンダーと話さないと注文できない。これもカウンター越しのコミュニケーションを大切にしたい伊藤氏のこだわりのひとつだ。その代わりにサービスチャージは取らず、気軽にオーダーできるようにしたという。

長く愛される店にするため、さまざまなシチュエーションに対応

店名の「Sputnik」は、「同伴者」や「旅の道連れ」などの意味。伊藤氏は「人生の同伴者のように、お客の暮らしに溶け込んでいきたい」と考えている。開業から1ヶ月、店には近隣住民や在勤者ほか、SNSを見た若い層が訪れる堅調な滑り出しだ。今後は定休日を月に1度にし、バーテンダーの板橋氏が不在の日は“ワインの日”にするなどの試みを行っていく。伊藤氏は「すでに常連になってくださっている方もいます。毎日でなくても、1年に1回の来店でもいい。何十年も愛される店にしていくためには、生活のあらゆるシチュエーションに対応することが大切。いつでもお客様を迎えられる体制を整えたい」と話す。

(取材=田窪 綾)

店舗データ

店名 Sputnik(スプートニク)
住所 東京都渋谷区恵比寿西2-18-6

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アクセス 代官山駅から徒歩6分
営業時間 10:00~24:00(LO23:00)
定休日 第2火曜日
坪数客数 8坪 椅子なし(約12名+テラス4名程度)
客単価 カフェ500円~、バー1100円~
オープン日 2021年5月2日
関連リンク Sputnik(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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