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コロナで打撃を受けた戸越銀座のカラオケスナックが、おでん屋台×馬肉×日本酒の「ネバーランド宴」としてリニューアル。部分的FCを導入する店づくりに注目、ゴーストレストランとしても稼働!

6月21日、戸越銀座の「ネバーランド宴」がリニューアルオープンした。運営は、武蔵小山や戸越銀座で焼肉業態を展開するネバーランドアイ(東京都品川区、代表取締役:澤田泰広氏)。以前はカラオケスナックとして営業していたが、コロナ禍の状況を鑑みて店づくりを一新。店内では「おでん屋台×馬肉×日本酒」がコンセプトの酒場として営業。その一方で、同店の厨房では8つのデリバリー業態も営業するゴーストレストランの一面も持つ。時代の変化に応じた新たな取り組みを推進する店づくりに注目だ。

戸越銀座商店街のビル2階に立地。「お祭り屋台」を彷彿とさせるファサードに一新した
おでん屋台が2台鎮座する店内。そのほか立ち飲みスペースも有り。壁にはアーティストによるペインティングが施されている
屋台のおでん鍋を囲んでワイワイと酒席を楽しむ。お客が自ら皿にとるスタイルだ
「お酌 冷酒セット」(1280円)は、写真右の徳利に入った日本酒をお猪口に注いでそのまま冷酒として楽しめると同時に、リキュールや炭酸、カットレモンが入ったグラスに注いで日本酒カクテルとしても楽しめるドリンク
「馬喰ろう」から仕入れる馬刺し3種盛り。一番右は、馬肉ユッケに衣をまぶした「揚げない馬肉メンチカツ」
代表の澤田泰広氏。店前のフォトスポットにもなるアートの前にて

休業中はゴーストレストランとして営業、コロナの収束が見えずリニューアルを敢行

2014年、戸越銀座に「ネバーランド」を開業し創業したネバーランドアイ。加えて戸越銀座に「裏ネバーランド」、武蔵小山に「ネバーランド炉(いろり)」を展開する。今回のリニューアルの前身となる「ネバーランド宴」が開業したのは2019年10月のこと。至近にある系列店の二次会需要を見越してカラオケスナックとしてオープン。集客は順調だったものの、2020年4月、新型コロナの影響から、カラオケが感染拡大につながるとして休業せざるを得ない状況となってしまった。

休業中は、同社がかねてより取り組んでいたデリバリーに注力。通常営業をしていない「ネバーランド宴」の厨房を使い、サラダやカレー、スンドゥブなど自社開発の業態に加えて他社のFC業態も交えてゴーストレストランとして稼働した。代表の澤田氏は「もともとスナックという性質上、営業ピークは22時以降になる。それ以前の時間帯にも何か売上を立てられれば、とコロナ禍以前からデリバリーに取り組んでいました。そんな中でコロナ禍になり通常営業は休止しましたが、一方でデリバリーはピーク時、月商750万円を売ることもありました。しばらくはデリバリーを続けていましたが、コロナの収束も見えない中、今後もカラオケスナックとしての再開は難しいと判断。デリバリーに取り組む中で得たノウハウや、人とのつながりを生かしながらリニューアルすることにしました」と話す。

「東京おでんラブストーリー」や「そば助」、「馬喰ろう」と部分的にコラボした店づくり

まずは店内営業を「おでん屋台×馬肉×日本酒」をコンセプトにした酒場としてリニューアル。日本酒に合うおでんと馬肉を看板に、「お祭り屋台のようなワクワク感で、近所で気軽に“ハレの日体験”ができる店」を目指した。

店づくりでは、複数のFCを部分的に取り入れる実験的な取り組みを行っているのが特徴だ。店内には2台のおでん屋台を置き、お客は屋台に座り、大きなおでん鍋を囲みながらワイワイと酒を楽しめる空間となっている。これは恵比寿で人気の「東京おでんラブストーリー」とのコラボで、このコンセプトは同店と同じものだ。運営のスマート(静岡県富士市、代表取締役:深澤勇人氏)は、澤田氏が独立前に勤務していた古巣。その縁から実現した。

おでんの出汁には、醤油を使わない塩出汁そば専門店「そば助」の塩出汁を使用。工場で一括製造されたものが納品されるため、店舗で出汁を引く必要がなく品質も安定している。「大根」「たまご」「明太つみれ」(各150円)、「こんにゃく」「どんこ椎茸」(100円)など、1品100~200円の手ごろな価格のおでんを、お客がセルフで鍋から取り、食べたものを席に備えた紙に書いて会計するシステムだ。鍋から取るおでん以外にも、個別注文する「プレミアムおでん」と「天ぷらおでん」も用意。明石焼きをイメージし、たっぷりの出汁を吸ったたこ焼きおでんに大根おろしをかけた「みぞれタコヤキ」(350円)や、おでんのはんぺんなどを天ぷらした盛り合わせ「魚介の練り物」(500円)など。調理にひと手間をかけ、器にもこだわったワンランク上の仕立てのおでんだ。

もうひとつのキラーコンテンツである馬肉は、恵比寿などで人気の馬肉専門店「馬喰ろう」から仕入れるもの。肉は、店舗ではカットするだけの状態で納品。もともと「馬喰ろう」が手がける馬肉のデリバリー業態「馬Sashiクラフトマン‼︎」を運営しており、商品の品質の高さやオペレーションの軽さを実感していたため、店内でも提供を決めた。「特選 馬刺し3種盛り」(980円)をはじめ、注文を受けてから炊きあげるごはんに冷凍馬肉を削った「究極の馬トロ丼 ホースラディッシュと共に」(1680円)などがある。

セルフ飲み放題や日本酒カクテル、出汁割りなど日本酒の多彩な楽しみ方を提案

ドリンクの看板である日本酒は入れ替わりで常時10品。それぞれ単品で注文できる(一合1580円~)ほか、飲み放題1時間1500円(以後延長は30分500円)も。その際、店内一角にある日本酒コーナーからお客がセルフで取る方式だ。「日本酒を飲みなれない人にも魅力を伝えたい」と、バカルディのカクテルコンペティション入賞歴を持つバーテンダーとともに開発したオリジナルの日本酒カクテルも目玉で、「宴のSakeサワー」(980円)、「スモモーニ」(880円)、「日本酒生レモンサワー」(680円)など。おでんの出汁と日本酒を合わせた「だし割り」(780円)も用意し、日本酒の多彩な楽しみ方を提案する。日本酒以外にも、「生ビール(黒ラベル)」(580円)、「瓶ビール(赤星)」(680円)や「ハイボール」(480円)、焼酎(各種580円)などひと通りが揃う。

店内営業に加えてデリバリー8業態が営業、二本柱で収益をあげる

店内営業をリニューアルする一方、以前から行っていたゴーストレストランは引き続き稼働し、現在、店内で提供するおでんや馬肉の業態に加え、他社FCのサラダ、スンドゥブ、ポキボウルなど合計8業態を営業する。「カラオケスナックの厨房スペックでできる料理の幅は限られている。店内営業とデリバリーを並走させることを考慮し、おでん出汁や馬肉は他社の製品を導入することで省力化を図った。残った余力でできる限りのデリバリー業態を逆算して考えました」と澤田氏。厨房の効率化を図り、店内営業&デリバリーの二本柱で収益性の高いビジネスモデルを目指す。

また、同社では6月2日には武蔵小山の鶏焼肉業態「鶏ネバーランド」を「プチ贅沢」のシーンを狙った「ネバーランド炉」にリニューアルしたように、コロナ禍によって変化した状況に合わせた柔軟に対応を積極的に続けている。今後は飲食店に限らず、水耕栽培の野菜を販売する青果店にも挑戦したい意向だ。

(取材=大関 まなみ)

店舗データ

店名 ネバーランド宴(うたげ)
住所 東京都品川区戸越1-15-15 百番ビル2F

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アクセス 戸越駅から徒歩2分、戸越銀座駅から徒歩4分
電話 03-6426-8439
営業時間 17:00〜24:00(LO23:00)
定休日 無休
坪数客数 20坪36席
客単価 2500〜3500円
運営会社 株式会社ネバーランドアイ
オープン日 2021年6月21日
関連リンク ネバーランド宴(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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