女子会や合コンで使える女性客ターゲットの中華業態
グッドスパイラルの代表・熊谷光裕氏は、様々な大手外食企業で25業態を経験してから独立し、2007年に1号店の「串焼き もんじろう」を渋谷区桜丘町に開業。以来、渋谷を拠点に「魚専門 漁十八番」、「道玄坂 コックマン」、「道玄坂 漁 isari」、「串焼専門 佐五右衛門」、「宇田川 紫扇」、「IL Ritrovo PIZZERIA ROMANA e TRATTORIA」、「串焼き 末代」などの人気店を展開し、現在、7ブランド・11店舗を擁する。そんな同社にとって初挑戦となる中華業態が、神田錦町に全面開業した新複合施設・神田スクエアの1階・飲食店フロアに出店した「MODENチャイニーズ コックマン」だ。
熊谷氏は中華業態に着目した理由について以下のように話す。「中華は居酒屋などに比べると競合が少ない。しかも、老若男女に好まれるのでターゲット層が広く、いろんな利用シーンで使ってもらえる。中華の大手チェーンはいくつかありますが、どこもメインは男性客。女子会や合コン、デートで使ってもらえる女性客を意識した独自路線の中華業態にすることで差別化し、店舗展開も進めたいと考えています」。同社はこれまでも「女性客をターゲットにした焼鳥店」などで、坪月商が最低でも30~40万円という繁盛を実現してきた。「MODERNチャイニーズ コックマン」は、同社が得意とする女性客ターゲットの中華版だ。
スタイリッシュな空間と新発想のオリジナル中華料理
コンセプトは「ネオ町中華」。町中華のように食事でも飲みでも気軽に利用できるカジュアルさを魅力にし、想定客単価は夜でも2000~3000円とリーズナブルだ。しかも、洗練した空間やメニューにすることで、女性客が利用したくなる店づくりを行っている。まず空間は、とてもスタイリッシュな印象。「僕は客単価が3000円の店なら、デザイナーに客単価5000円の雰囲気の店を作って欲しいと依頼します」(熊谷氏)という言葉通り、ちょっとした高級感がある空間だ。それでいて、造作の資材は低コストのものを上手く活用するなどして、内装設備費は坪当たり約80万円に抑えている。
そして、何と言っても注目なのが、「ネオ町中華」と呼ぶにふさわしいオリジナル料理の数々。定番中華にオリジナルの発想を加えた味も見た目も斬新な料理がズラリと揃う。例えば、「ズワイガニのフワッと蟹玉クリームソース」(900円)は、甘酢あんが一般的なカニ玉を、カニ味噌を加えたクリームソース仕立てにアレンジ。ズワイガニもたっぷり使う。「ふわふわ卵の韮玉」も、ニラと卵を一緒に炒める通常のニラ玉ではない。炒めたニラの上に、ふわふわのオムレツをのせる。さらに、「濃厚!黒のエビチリソース」(1850円)は、ソースにイカスミを使用。「黒いエビチリ」は話題性抜群だ。「プリップリの海老マヨ 特製カリーマヨソース」(1350円)も、その名の通り、オリジナルのカレー味にしている。
アルコールはサワー類を充実。ランチもすでに大人気!
また、「麻辣‼濃コク麻婆豆腐」(レギュラー1250円・ハーフ800円)にいたっては、器から「こぼれるインパクト」を演出。チャツネやイチゴジャムなどの甘みも加えて作る麻婆豆腐は、辛いだけではない「濃コク」の美味しさを工夫している。他にも、紫キャベツも使ったカラフルな見た目が楽しい「2種のキャベツの回鍋肉」(950円)、ケチャップにスイートチリソースを合わせ、具に腸詰、麺にビーフンを使った「中華屋のナポリタン」(900円)…等々、ひとひねり、ふたひねりのアイデアが光るメニューが目白押しだ。
一方、アルコールは、「生レモンサワー」「リッチレモンサワー」「ほろにがレモンサワー」「自然のはっさくサワー」「博多あまおうサワー」「宮崎日向夏サワー」「鹿児島タンカンサワー」(各550円)など、女性客を意識してフルーツ系のサワーを充実。ランチは、「ルーローハン定食」(10食限定・650円)、「よだれ鶏定食」(700円)、「2種唐揚げ定食」(750円)、「ガーリック炒飯」(700円)、「カニレタス炒飯」(850円)、「特製黒醤油ラーメン」(700円)、「野菜たっぷり担々麺」(850円)などを揃えて、すでに大人気だ。今後はディナーでも、より食事利用がしやすい「夜定食」をさらに強化していく予定だ。
串業態&中華業態で本格的に多店舗化を目指す!
これまで多業態を展開してきたグッドスパイラル。しかし、今後は業態を絞り、本格的に多店舗化を目指していくという。「100店舗、1000店舗と店を増やしていくには、業態を絞り込む必要がある。先輩経営者からのアドバイスもあって、そうした方向に舵を切ることを決めました。その柱になるのが串の業態です。他の魚業態なども業績は悪くないので、すぐに閉めるわけではありませんが、基本的には串業態に特化していきます。すでに既存の串業態は、全店のメニュー内容やオペレーションを改革し、FC化できるパッケージに変えました。原価率も5%ほど下げて利益を出しやすくしました。そして、もう一つの柱として考えているのが中華業態です。今回、『MODERNチャイニーズ コックマン』を出店するにあたって招聘した有名中華料理店出身の2人のシェフにも、採用する際、100店舗を目指しているのでアルバイトスタッフでもこなせるオペレーションに落とし込んで欲しいと伝えてあります」(熊谷氏)。
9月4日にオープンした「MODERNチャイニーズ コックマン」に続いて、9月28日には串業態の新店「YAKITORI SAGOEMON」を西新宿7丁目に出店。コロナ禍で立て続けに2店舗を出店した点についても、「こういう時だからこそ、前に進むためにチャレンジしていきたい」と熊谷氏はポジティブに話す。また、将来的な店舗展開の進め方については、このまま串と中華の2業態で進めるのか、あるいは、どちらか一つに絞って単一業態にするのかを、今後の両業態の実績を見ながら判断していきたい考えだ。
店舗データ
店名 | MODERNチャイニーズ コックマン |
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住所 | 東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 1F |
アクセス | 小川町駅、淡路町駅、新御茶ノ水駅から徒歩3分 |
電話 | 03-5843-9383 |
営業時間 | 11:30~14:30 17:30~23:30 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 24坪・54席 |
客単価 | ディナー2000~3000円 |
運営会社 | 株式会社グッドスパイラル |
オープン日 | 2020年9月4日 |
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