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武蔵小山の「東京MEAT酒場」がリニューアル、「おっさんイタリアン」の大衆酒場から本格的なイタリアンバルへ転換。家族連れ、カップルなど新たな客層を開拓し単価&客数UP

10月23日、「東京MEAT酒場 武蔵小山店」がリニューアルオープンした。もともとは「ハイボール片手におっさんにイタリアンを食べさせる」をテーマにした大衆酒場業態だったが、今回はよりイタリアンに寄せた本格的な料理とワインが楽しめる、カジュアルバルへと転換。これまでターゲットにしていた中年男性から、変化する武蔵小山の街に合わせてファミリーやカップルなど新たな客層を取り込み、単価と客数アップに成功。スタッフのモチベーション面にも良い効果をもたらした。

武蔵小山駅から徒歩3分。グレーの外壁が目印。武蔵小山は同社にとって創業の地で、すぐ近くには創業店の「とすかーな」もある
1階はオープンキッチンのカウンター席が中心。以前はすべてカウンター席だったが、奥に2名掛けテーブルも配置した
2階は団体も収容可能なテーブル席のフロアに
人気の前菜の品々。写真左が「炙り牛のロースト」、右は「サーモンのマリネ」と「鶏と野菜のインボルティーニ」の盛り合わせ
昼はイタリアンのメイン料理に十六穀米とスープ、副菜が付いた定食を用意し、「街の食堂」として、アルコール需要だけでなく食事需要も満たす店を目指す
高い接客力を武器にお客をもてなすスタッフのみなさん。写真左から店長の酒出敬申氏、取締役の青木秀一氏、店長の熊谷達也氏。熊谷氏は「リニューアルで、今まで以上に料理の盛り付けに凝るようになりました。より料理が楽しくなりました!」と話す

より料理に力を入れた業態にすることで、スタッフのモチベーションUPも狙い

「東京MEAT酒場」は、「TOSCANA(トスカーナ)」「Quattro Cuori(クアトロクオーリ)」「TRiPPAiO(トリッパイオ)」などイタリアンを展開するイタリアンイノベーションクッチーナ(東京都渋谷区、代表取締役社長:四家公明氏)によるヒット業態。同社のロングセラー商品「日本一おいしいミートソース」を名物にした大衆酒場で、中年男性をメインターゲットに、あえてワインではなくハイボールとイタリアンの組み合わせを提案し人気を博している。2014年12月、浅草橋に1号店をオープンしたのを皮切りに、直営に加えFCも含めて現在は4店舗を展開。武蔵小山店は2016年11月に開業した。

今回のリニューアルは、同社の取締役営業本部長 兼 人事部長部の青木秀一氏が中心となって進めた。リニューアルに至った理由は複数ある。まずは開業から数年が経ち、業態として売上の限界が見えてしまっていたこと。加えて、スタッフのモチベーションの面でも、より料理に寄せた業態にしたかったことがあるという。「当社はどちらかというと料理人の会社。調理師学校を卒業して入社する人が9割を占め、料理の技術を学びたいという気持ちが強い人が多い。大衆酒場業態から単価を上げて、より本格的な料理に取り組める店にした方が、スタッフのモチベーションが上がると考えました」と青木氏。さらに、同店は二軒目利用が中心で、遅い時間から賑わう日が多かったという。一軒目にも利用できるしっかりとした食事を用意することで、早い時間帯から集客できる店にすることも狙いだ。

リニューアルにあたり、ターゲットも再設定。「これまでは飲酒をメインにした『おっさんの酒場』でしたが、近年、武蔵小山ではタワーマンションも建設され、富裕層も多くなっている。そうした街の変化にあわせて、カップルや家族連れも入りやすい、カジュアルながら本格派イタリアンが楽しめる店にしようと考えました」と青木氏は話す。

店舗デザインは「なんの店か」「昼も営業している」をアピールし入りやすさを

まずは外装・内装のハード面を大幅に一新。特に力を入れたのが外観だ。壁は全面グレーに塗り替え、シックな印象に。「以前は何の店かわかりづらかった」ことを踏まえ、ガラス張りの窓には外から見えるようワインボトルを並べてイタリアンとワインが楽しめる店であることを訴求している。「昼の部」と「夜の部」のそれぞれ2つのれんを用意し、時間帯で分けて掲げていることもポイントだ。「以前から昼も営業していたのですが、仕込み中だと思われて入りづらかったようです。夜はもちろん、『昼の部』と書かれたのれんを下げることで昼から営業していることをしっかりと伝えます」と青木氏。

店内についても、以前は提灯をぶら下げ、黄色の壁や赤いカウンターテーブルなど大衆酒場の風情から、モルタル調の壁に塗り替え、木目のカウンターに作り替えシックで落ち着いた雰囲気に。カウンターの幅は拡張し、多くの皿を置いてもゆったりと食事ができるように改装した。

料理は、居酒屋とイタリアンの比重をイタリアン寄りに変えた構成に

メニューもリニューアル。よりイタリアンに寄せた品を用意している。「以前が居酒屋:イタリアンが4:6なら、リニューアルによって7:3くらいのイメージでイタリアンを強めた構成にしました」。特に人気が「おまかせ前菜三品盛」(900円)、「酒場の肉ポテサラ」(580円)、「鹿肉の低温ロースト」(690円)など、以前のメニューの要素も交えながらバージョンアップしている。ほか、客席でバーナーの火であぶって仕上げる「ジャガイモとチーズのスキレットグリル」(780円)や、同じく客席でマッシュルームを削ってかける「生マッシュルームとハーブ野菜のサラダ~ブラッドオレンジソース~」(780円、ハーフ530円)、最後の一切れにはスタッフがトリュフオイルとチーズを振りかけて味変を楽しませる「炙り牛のロースト」(790円)など、お客を喜ばせるパフォーマンスある品も数多い。以前からの名物「日本一おいしいミートソース」(990円)をはじめ、パスタも用意。「料理を通して多くの人を幸せ(健康)にする」を理念にする同社では、同店含め全店舗で可能な限り無化調にこだわった料理を提供している。

ドリンクはワインを充実させた。イタリア産を中心に、赤・白・泡を10品ほど、グラス420円~、ボトル4400円~で用意。サワー系はイタリアの漬け込み酒「チェロ」シリーズがイチオシで、スタンダードな「リモンチェッロサワー」(440円)や、「塩リモンチェッロサワー」(530円)、ミントたっぷりの「モヒートチェッロサワー」(560円)など。生ビールは「プレミアムモルツ香るエール」の「泡あり」と「泡なし」の2種類(各490円)を用意。そのほか、各種チューハイやお茶割、サングリアなど取りそろえる。

ディナーだけでなくランチにも力を入れ、昼からしっかり食事ができる街の「食堂」としても訴求。メインに十六穀米とスープ、副菜3品を付けた定食がイチオシで、「松坂ポークの伊(イタリアン)ステーキ」「旗魚鮪(カジキマグロ)のソテー」(各1200円)などを用意。そのほか、パスタも用意し、990円~。夜と比べて品数は絞りながらも、昼飲みも可能だ。

リニューアルで売上UPに加え、お客が見違えるほどスタッフも変化

リニューアルから2週間ほどだが、現状で客数と客単価は確実にアップしている。「まず外観を変えて、入りやすさを強めたのが大きかったように思います。『美味しいものが出てきそうな店がまえ』を意識しました。今回のリニューアルで大切したのは、何より“自分が行きたい店”にすること。武蔵小山という住民も多い生活が根付いた街で、普段着で行ける店を目指しました」と青木氏は話す。

リニューアルによって、売上のみならずスタッフのモチベーションが向上したことも大きな成果だという。「料理へもモチベーションが上がり、皆イキイキと働いています。運営メンバーはリニューアル前から変わっていないのですが、あるお客様からは『スタッフ変わりました?』と言われました。それほど雰囲気が変わったということだと思うと、嬉しいですね」と青木氏は話す。

来年3月までにもう2店舗を出店、将来は飲食事業部を分社化

同社では2020年3月までにもう2店舗の開業を目指している。一つはテイクアウトにも注力した飲食店、もう一つは既存業態の「TOSCANA」を進化させた店を構想中だ。西荻窪、三軒茶屋、学芸大学など住宅地で酒場文化の強いエリアに目星をつけているという。さらに来春には飲食店事業部を切り離し、青木氏を代表に分社化する予定だ。創業社長の四家公明氏は、「日本一おいしいミートソース」やオリジナルの調味料の小売りや卸売の新規事業を中心に手掛け、飲食店事業を青木氏に託していく意向だという。青木氏は「分社化は、時代に合わせて変化と進化をしてさらに前に進むため。スタッフが自信をもって働ける場所を作りたい。当社にはやりたいことを持っているスタッフもいる。それをカタチにすることができたら。そのために結果を出していきたい」と意気込みを語った。

(取材=大関 まなみ)

店舗データ

店名 東京MEAT酒場 武蔵小山店
住所 東京都品川区小山3-23-18
アクセス 武蔵小山駅から徒歩3分
電話 03-5751-7887
営業時間 【月~土】11:30~23:00(LO22:30)【日】11:30~22:30(LO22:00)
定休日 無休
坪数客数 24坪56席
客単価 ランチ1720円、ディナー3350円
運営会社 株式会社イタリアンイノベーションクッチーナ
オープン日 2020年10月23日
関連リンク 東京MEAT酒場 武蔵小山店(Instagram)
関連リンク イタリアンイノベーションクッチーナ(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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