中国料理界の重鎮であり中国料理を伝承する一家という華麗なルーツを持つ
祖父はかつて大久保にあった「ホテル海洋」で中国料理長として腕をふるい、さらには日本中国料理協会を立ち上げ初代会長となった大城宏喜氏。父は「ロイヤルパークホテル」の中国料理長であり現代名工に選ばれた大城康雄氏だ。中国料理業界の重鎮であり中国料理を伝承する一家という華麗なルーツを持つ。そんな家庭で育った大城氏は、当初は違う道を考えていたが祖父から続く中国料理の血を絶やすことないようにと中国料理の世界を選んだのだ。大学で栄養学を学んだ後、名門ホテルの「グランドハイアット東京」へ就職し伝統的な中国料理シェフとしてのスタートを切った。同時に先輩達からの勧めもあり、伝統と創造をテーマとする「中華香彩ジャスミン」の厨房へ時間を見つけて通い山口祐介シェフの下で手伝いを始めたという。そして遂には「中華香彩ジャスミン」へ移り手伝いの期間を含めた8年の間に山口シェフからモダン中華を含めた中国料理の真髄や技を享受した。
子供心にも感動したフカヒレスープを作りたい。祖父の味を後世に残したい
研鑽を重ねるなかで将来の模索を始めた大城氏は自分なりの中国料理を形にしたく独立の道を選択。決め手となったのが幼稚園児の時に初めて飲んだ祖父のフカヒレスープにある。「子供心にも感動したフカヒレスープを作りたい。祖父の味を後世に残したいと強く思いました」という。さらには祖母が作る肉団子に父の餃子など大城家の食卓に並ぶ日々の潤いを満たしてくれた料理。特別な料理ではなく家庭に伝承される身近な味をプロの技で仕上げるのが大城氏の目指す料理なのだ。直径6、7㎝はあるかと思われる店自慢の「おじいちゃんの肉団子」(1330円)は大きさに反してふんわりとした口当たりは豆腐が決め手。父の味を再現した「大城さん家の焼き餃子5個」(600円)はたっぷりのキャベツと実に家庭的だ。定番の「麻婆豆腐」(1230円)や「黒酢の酢豚」(1400円)から塩、ニンニク、エビ味噌の中から味を選べる「季節野菜の強火炒め」(1000円)までも揃う。さらには「自家製北京ダッグ」(1/4羽2130円 半羽4100円)といった本格中国料理もしっかりとオンメニューされる。ほかにも本日のおすすめがある。
ドリンクの2大おすすめの一つは母の故郷である八丈島栽培のレモンで作る「菊池レモンサワー」(700円)と名産明日葉ベースの「明日葉ハイ」(550円)。もう一つが中国料理とのマッチングでその美味しさを知って欲しく数多く揃えた紹興酒。気軽に楽しめるのが「紹興酒飲みくらべ」(1100円)だ。「かめだし紹興酒5年」(グラス500円 デキャンタ1600円)から「塔牌紹興酒純十年陳花彫」(グラス1000円ボトル6000円)など10種類の中から3種類を選べる。ほかに大城氏の好きなワインは飲み易い白を軸に揃えている。
古典中国の路地を指す「胡同」に店名を重ねるほど昭和を色濃く残すまるよし横丁
ウルトラマンをランドマークとする祖師ヶ谷大蔵は何世代と続く住民も多い住宅地だ。駅前から伸びるウルトラマン商店街はいつも賑わい見せている。そんな商店街の中に、昭和を色濃く残すまるよし横丁がある。古典中国の路地を指す「胡同」に店名を重ねた所以だ。横丁には築60年以上という同店の物件をはじめ小さな飲食店が並び、地域のシニア世代が足繁く通う。そんなまるよし横丁の活性化を目指し、中国料理界を牽引する新星の今後に注目だ。
店舗データ
店名 | 胡同三㐂(フートンサンキ) |
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住所 | 東京都世田谷区祖師谷1-8-17まるよし横丁内 |
アクセス | 祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩1分 |
電話 | 03-6882-5530 |
営業時間 | 【火~金】11:30〜14:30(LO14:00 )18:00〜23:00(LO22:00)【土】17:30〜23:00(LO22:00)【日】17:30〜22:30(LO21:30) |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 23,5坪(1・2階合計)28席(1階20席、2階8席) |
客単価 | ランチ1000円、ディナー4000円 |
オープン日 | 2019年5月17日 |