飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

三軒茶屋に「GYOZA SHACK ちゃわん」が開業。食育の普及、若手躍進のため活動の場を広げる“第五世代”エース狩野氏の最新店舗は、和をテーマにした無化調ガストロノミーギョウザ

7月26日、三軒茶屋のすずらん通りに「GYOZA SHACK ちゃわん」が開業した。運営は、三軒茶屋でドミナント展開する和音人(東京都世田谷区、代表取締役:狩野高光氏)。もともと同社が運営する「ろんど」だった場所だが、同店を移転させることとなったため「GYOZA SHACK」ブランドとしてリニューアルした。旨みと香りにこだわる完全無化調・無添加、和をテーマにしたガストロノミックなギョウザを提供。ひいては食育の普及、飲食業界における若手躍進の場づくりなど、飲食業界の未来のために邁進する“第五世代”エースの狩野氏の動向に注目だ。

三軒茶屋のすずらん通りに立地。周辺にはチェーンの大衆店が多く並ぶ中、ピンクのネオンサインが異彩を放つ
内装は「ろんど」時代からほぼそのまま。“NYブルックリンにある和食レストラン”をイメージしたデザイン。飾り棚だった部分を立ち飲みスペースに作り替え、席が空くまでのウェイティングにも使用できる
代表メニューの「SHACK餃子」。全粒粉を配合したもちもちの厚皮の中には肉汁たっぷり粗挽き肉の餡が。付属のタレもギョウザごとにすべて自家製している
ギョウザ以外でオーダーしたいのが、山形県産の千日和牛と舞米豚を使った「本気の肉豆腐」
写真右から、メニュー監修を行った外食事業部 部長の大塚武史氏、代表の狩野高光氏、料理長で同社の若手有望株の又多龍世氏。自慢のギョウザとともに渾身のポーズで

(取材=大関 まなみ)


「ろんど」を完全予約制で移転、その場所で「GYOZA SHACK」ブランド2店舗目

2015年6月、代表の狩野高光氏が28歳の時に三軒茶屋で「月山」をオープンしたのを皮切りに、同じ三軒茶屋エリアで7店舗(今回の「GYOZA SHACK ちゃわん」を含む)を展開している。2016年12月、三軒茶屋のすずらん通りにオープンした3店舗目「ろんど」は、東京シャモを使った焼鳥店。ほぼ毎日、狩野氏自らが焼き台に立って地域の常連を中心に営業していた。集客は好調だったが、思った以上に新規客が多く訪れ、常連は予約が取りにくくなるという問題も起きていたという。「新しいお客様に来ていただくのは大変うれしいことですが、私が理想としている店のあり方とは離れてしまっていると感じ、この状況を改善するために移転することに決めました」と狩野氏。現在、物件を近隣で探している最中だが、移転後の「ろんど」は週3日のみ営業する完全予約の会員制にする予定だ。

残ったこの物件は、別業態としてリニューアルを検討し、同社が三軒茶屋の三角地帯で営業するギョウザ専門店「GYOZA SHACK」業態の2店舗目にすることになった。今後、「GYOZA SHACK」はFC展開も視野に入れるため、その前段階としての意味合いもあるという。

「風味の科学×旨味成分の最大化」をテーマに”香りのプロ“が手掛けたギョウザ

今回の開業に際して、同社 外食事業部 部長の大塚武史氏と料理長の又多龍世氏を中心に「GYOZA SHACK」のメニューのブラッシュアップを実施。大塚氏は、元はフレグランス関係の仕事から飲食に転身、フレグランスセールズアドバイザーの資格を有する”香りのプロフェッショナル“だという。その能力を生かし、”風味の科学“×”旨味成分の最大“をテーマに、素材と素材の組み合わせを吟味し、旨みと香りにこだわったギョウザを全13品用意した。

既存店の「GYOZA SHACK」が洋であるのに対して、同店は和を強く打ち出したギョウザを多く用意する。山形産舞米豚を使ったスタンダードな「SHACK餃子」(390円)をはじめ、ラム肉、舞米豚、さくらんぼ鶏の餡に自家製の赤ワイン塩で食べる「ちゃわん餃子」(780円)、山形名物「芋煮」の具材をペースト状にして餡に加えた「月山芋煮餃子」(680円)、舞米豚、さくらんぼ鶏など。「季節のスープ餃子」(780円、取材時の夏は「極み出汁の夏辛スープ餃子」)や、抹茶が香る「あやめティラミス餃子」(580円)など“ドルチェ餃子”まで揃える。

ギョウザの合間に楽しむサイドメニューには、「月山茶豆」(380円)、「熟成味噌チーズ」(480円)など軽いつまみから、「本気の肉豆腐」(880円)、「ちゃわんバンバンジーサラダ」(980円)、〆には「ちゃわんのラザニア」まで、全9品を用意する。

ドリンクも自家製にこだわった品が目白押しだ。「SHACK生レモンサワー」「ちゃわん梅干サワー」(各550円)、日本酒にフルーツを付けた「サムライサングリア」(550円)、自家製ジンジャーシロップの「サムライジンジャー」(550円)など。

日本酒は東京と山形の地酒を5品以上(90ml 500円~、180ml 880円)。ワインは自然派のみ、和音人のPBワインを含め13品用意し、グラス580円~、ボトル3200円~。加えてビールや焼酎、果実酒などを揃える。

調味料から完全無添加・無化調を実現。将来は飲食で若手が活躍できる土壌を整えたい

同店を含め、和音人の全店舗では無化調・無添加の徹底をしている。調理に化学調味料を使用しないことはもちろんだが、例えば醤油や酢などといった調味料も、成分を調べ、添加物が使用されていないものだけを厳選するこだわりようだ。「そういった食の安全を徹底することこそ、私が飲食業を通じて叶えたいミッション。将来的には、幼児教育から食育を取り入れるような世の中を実現したい」と狩野氏。

さらに9月からは「日本食文化百年研究会」という団体を発足させ、100年続く老舗企業とコラボして講演などを行うという。店舗運営に加え、こうした飲食業界の活性化につながる活動にも注力したい考えだ。「世界を見ると20歳前後で有名店のシェフとして活躍するような人達がゴロゴロがいる。一方、日本の飲食業界の地位はまだまだ低く、特に若い人たちが学べる環境が充実しているとは言えない。僕自信も飲食の仕事を初めてから独立するまで13年もかかった。『日本食文化百年研究会』や、飲食の若手経営者の集まり『5G』などの活動を通じて、これから僕らの下の世代が育っていくような、例えば日本でも20代のスーパースターが輩出されるような、そんな土壌を整えていきたい」と狩野氏は語る。

店舗データ

店名 GYOZA SHACK ちゃわん
住所 東京都世田谷区太子堂4-22-14

 >> GoogleMapで見る

アクセス 三軒茶屋駅から徒歩2分
電話 03-6805-5959
営業時間 【月〜土】17:00〜26:00(LO25:00)【日・祝】17:00〜24:00(LO23:00)
定休日 不定休
坪数客数 18坪22席+スタンディング4人
客単価 3500~4500円
運営会社 株式会社和音人
オープン日 2019年7月26日
関連リンク 第五世代による「外食5G」が発足!(記事)
関連リンク 雛音&華音(記事)
関連リンク 江戸前熟成 魚割烹 雫月(記事)
関連ページ 華舞㐂屋 ろんど(記事)
関連ページ GYOZA SHACK 巖(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.