ヘッドライン

日本酒×スペイン料理「和酒バルKIRAZ」の2店舗目、「BUENA VISTA TOKYO」が浜松町に開業。瀬戸内素材を使ったスパニッシュに、日本酒もワインも楽しめる使い勝手重視のバルが誕生

「BUENA VISTA TOKYO」は、瀬戸内をテーマにした商業施設「ポンテせとうみ」の2階に入居。他、2階にはうどんや鉄板焼きなどの飲食店が入る。1階には瀬戸内の特産品が並ぶ物販とカフェ
スペイン現地のバルに倣い、席はすべてハイチェア。馬宮氏の故郷徳島から取り入れた木材を使用し、都会で働く人の止まり木となるような癒しを与える空間を目指した
瀬戸内から直送される魚介を豪快にグリルした「シェフおまかせプレート」。身の締まった魚は、一口食べればその鮮度が実感できる
自慢の前菜を贅沢に盛り合わせた「タパス盛り合わせ」(一人前980円~)

オーナーの馬宮加奈氏

(取材=大関 愛美)


11月1日、浜松町駅から徒歩2分の場所に開業した複合商業ビル「ポンテせとうみ」。施設全体のテーマは、四国・瀬戸内で、瀬戸内にまつわる物販店や飲食店が入居する。その2階に入る「BUENA VISTA TOKYO(ブエナ ビスタ トーキョー)」は、日本酒が楽しめるスペインバルだ。同店は、2010年7月に目黒と恵比寿の間にオープンした「和酒バルKIRAZ(キラズ)」の姉妹店。実家は日本酒蔵であるオーナーの馬宮加奈氏が、日本酒×スペイン料理という斬新なコンセプトを打ち出したバルだ。「和酒バルKIRAZ」の開業9年目にして、待望の2店舗目を出店した。

スペイン料理と日本酒の相性に着目

馬宮氏の実家は徳島県三好市の日本酒蔵、三芳菊。もともと東京でOLとして働いていた馬宮氏だが、近年の日本酒の消費量の伸び悩みや、浸透度の低さなど、日本酒の置かれた状況に危機感を覚えていた。「日本酒をもっと世に広めたい」と、定期的に日本酒イベントを開催。しかし、思ったような手ごたえは得られなかったという。「イベント自体には毎回60~80人を集客していましたが、ただ『楽しかった』だけで終わり、その後に繋がらないことが多かった。そこで、飲食店を開いて継続的に日本酒の魅力を発信していこうと決めたんです」と馬宮氏。日本酒に和食を合わせるのは定番だが、日本酒の概念を変えて新しい層に知ってもらうには和食以外の強いフックが必要だ……と考えていた折、馬宮氏が出合ったのがスペイン料理だ。「スペイン旅行に行ったときに現地の料理を食べて、日本酒に合う!と直感しました。スペイン料理は素材を大切にしていて、素材で旨みを足していくところが、和食と重なったんです」。そうして、“スペイン料理×日本酒”という類を見ないコンセプトでオープンしたのが「和酒バルKIRAZ」だ。今でこそ、洋食と日本酒の店は見かけるようになったものの、「当時、そのような店はまったくなかった」と馬宮氏。駅から遠い悪立地ながら、“洋食×日本酒”のパイオニア的存在として日本酒シーンを牽引し、長く愛される店へと成長した。

2店舗目は日本酒に絞らずワインもありの幅広いメニュー

今回の「BUENA VISTA TOKYO」は、「ポンテせとうみ」のオーナーからの誘いがきっかけだ。「オーナーは香川県小豆島出身の方で、瀬戸内の魅力を発信する施設を作りたいということでした。私も徳島県の出身、その想いに共感し、出店を決めました」と馬宮氏。

1号店の「和酒バルKIRAZ」は最寄りの目黒駅から徒歩8分ほど、目的客を集める立地だったのに対し、「BUENA VISTA TOKYO」は浜松町駅至近、周辺はオフィス街でフリ客も見込める場所だ。日本酒×スペイン料理のバルという軸は変わらないものの、立地特性を踏まえ日本酒だけに絞り込まずワインも充実させ、より広いニーズを取り込める店を目指した。「同じグループで、日本酒を飲む人もいればワインを飲む人もいる。そんなシーンを思い描きました」と馬宮氏。日本酒は常時8~10品をオンメニューするほか、ワインはスペイン産にこだわり常時15品。そのときどきで日本ワインも少々ラインアップし、シェリー酒も取り揃える。

料理には、施設全体の理念に沿って瀬戸内産の素材を多く取り入れる。瀬戸内の漁港から直送の鮮魚は、「シェフおまかせプレート」(一人前1500円、2名分より)や、「サルスエラ‐魚介の煮込みスープ‐」(一人前1500円、2名分より)などにて提供。徳島県のさつまいもを食べて育った金時豚は、「金時豚で作ったロースハム」(1200円)や「金時豚のグリエ」(1680円)に仕立てる。さらに、現在スペインでブームになっているという「スペイン風カツレツ‐カチョボ‐」(Mサイズ2280円、Lサイズ3280円)のほか、各種タパスやアヒージョ、パエリアなど、スペインバルらしい品々がそろう。

東京五輪に向け、“世界に誇れる日本酒”をめざす

「2020年にはオリンピックで海外から多くのゲストが来ることが予想されます。海外の方にも、当店でワインと同等に日本酒が楽しまれている様子を見て、“世界に誇れる日本酒”と思ってもらえるように、まずは一歩一歩に進んでいければと思います」と話す馬宮氏。展開は焦らず、着実に店を育て、日本酒ファンを増やすことが使命だ。日本酒と洋食のペアリングで飲み手の裾野を広げてきた先駆者の新展開に、ますます期待がかかる。

店舗データ

店名 BUENA VISTA TOKYO(ブエナ ビスタ トーキョー)
住所 東京都港区浜松町2-6-5 ポンテせとうみ 2F

 >> GoogleMapで見る

アクセス 浜松町駅から徒歩2分、大門駅から徒歩3分
電話 03-5843-7030
営業時間 【月~金】11:00~14:30(LO14:00)、17:00~23:30(フードLO22:30ドリンクLO23:00)【土】15:00~23:30(フードLO22:30ドリンクLO23:00)
定休日 日曜
坪数客数 18坪32席
客単価 5000円
運営会社 ソアソリューションズ有限会社
オープン日 2018年11月1日
関連リンク BUENA VISTA TOKYO(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集