関西などで17店舗を経営するゴリップ(京都府下京区、代表:勝山昭氏)は常に新店がしのぎを削る渋谷・道玄坂にサムギョプサルをコンセプトにした「ベジテジや 渋谷道玄坂店」を2月20日、同25日には「池袋西口店」をオープン。満を持して東京に進出、飲食業界に革命を起こす。同社・代表の勝山氏は京都府京都市生まれ。「もともとは建築業に携わっていた」という同氏は2002年、サッカーの日韓W杯を観戦するため韓国へ。「そのまま放浪の旅に出た」という。韓国語は「まったくできなかった」そうだが、現地で韓国人の友人ができた。その後、縁あって日本製の中古ゴルフクラブを扱うショップをオープン。韓国では従業員にまかないを出す習慣がある。当時、勝山氏の店ではサムギョプサル(豚バラ肉をサンチュなどの野菜で包んで食べる韓国料理)をまかないとして多く出していたそうだ。常に「ほかにはない、No.1になれるもので勝負したい」という想いがあった同氏は、サムギョプサルをメインに据えた店を出そうと思い立つ。2005年、勝山氏は日本に帰国してゴリップを設立。「サムギョプサル専門店はほとんどなかった」2006年、「ベジテジや」1号店を京都・伏見にオープンした。日本では、豚よりも牛が人気。「だから豚が牛に負けないようなオリジナリティを追求したかった」と語る勝山氏。さまざまな部位の豚肉は20種、トッピングは30種を用意。「カボチャクリーミーチーズ」や「白黒オリーブのマリナーラ」(各200円)など、オリジナリティが光る。トッピングや包み方(サンチュや玄米クレープ等)を掛け合わせると「1万通り以上もの食べ方がある」とか。サンチュは「女性の手の平サイズ」に合わせて“13cm”。自家ファームで栽培するなど、こだわっている。サンチュとパチョレギ(ネギ)が食べ放題なのも、ヘルシーで女性にとってはうれしい。「ベジテジや」では、スタッフが「伝道師」となり、“サムギョプサルを一番美味しく食べられるように”とていねいに指南してくれる。通常の居酒屋での接客は2分ほどだが、同店では「平均14分」(勝山氏)。スタッフは「伝道師」となるべく、アルバイトを含めて「ベジテジカレッジ」と呼ばれるコースを受講する徹底ぶりだ。2月20日にオープンした「渋谷道玄坂店」は早くも満席が続いている。ガラス張りの外観は話題店が多い道玄坂にあって、一際目を引く。店内は明るい陽射しが差し込み、壁にはアート作品のような写真が飾られており、まるでカフェのような雰囲気が漂う。席と席との間は広く、オシャレな音楽がかけられ、ゆったりとくつろげる。コースはセンサムギョプサルや特製チゲ等7品が付いた「ベジテジコース」、パッピンス(韓国の氷菓子)ハーフサイズなど7品付きの「レディースコース」(各2500円、どちらも包み野菜食べ放題)等、どれも信じられないほどリーズナブル。しかも、飲み放題は4名以上、90分(飲み物の種類は70種)で1500円と格安だ。通常のドリンクメニューもマッコリに新鮮な生フルーツを漬け込んだ「カングリア」(デカンタ500ml)で980円、ノンアルコールドリンクの「丸ごとフルーツソーダ」(480円)と女性客がよろこびそうなラインナップが揃う。京都や大阪などの「ベジテジや」は「80%が女性客」(勝山氏)というのも頷ける。今後の目標は「2016年までに70店舗オープンすること」と勝山氏。「選ぶ楽しさ」「包む楽しさ」「スタッフと会話する楽しさ」を感じさせる「ベジテジや」が、東京の飲食店業界に新たな旋風を巻き起こすことは間違いないだろう。
店舗データ
店名 | ベジテジや 渋谷道玄坂店 |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区道玄坂1-19-12 道玄坂今井ビル1F |
アクセス | 各線渋谷駅から徒歩6分 |
電話 | 03-3461-1490 |
営業時間 | 17:30-25:00(日-木)、17:30-27:00(金土祝前) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 34坪・64席 |
客単価 | 3400円 |
運営会社 | 株式会社ゴリップ |
関連リンク | ベジテジや |