渋谷・明治通り沿いで、13坪500万円の月商を誇る繁盛店「KITCHEN TACHIKICHI(キッチン タチキチ)」(運営:フードイズム、代表:跡部美樹雄氏)。2009年のオープン以来、餃子とワインが気軽に楽しめるとあって、近隣のオフィスワーカーなどから親しまれている。跡部氏の2店舗目となるのが、六本木にオープンする「KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成」だ。新店舗では、国産肉を使用した熟成肉をはじめとする、国産野菜、国産ワインなど“日本にある良いものを再認識する店”として“ジャパンクオリティ”を発信する。 跡部氏が今回の業態を考えたきっかけは、美味しい熟成肉との出会いからだったという。「ドライエイジングの肉を食べたとき、衝撃を受けました。それから熟成肉を食べ歩いて、行き着いたのが『中勢以』さんでした。そこの熟成肉を食べ、さらに衝撃を受けて『これをやりたい!』と思ったんです」(跡部氏)。「中勢以」と出会って以来、店へ何度も通い、オーナーにノウハウを教えてもらえるまでの仲に。さらには、熟成庫がある京都・伏見まで足を運び、実際に目で見て学んだという。「そこで教わったことは、何ら新しいことをしているわけではなく、昔ながらの製法で作っているということでした。物流が今よりも発達していない時代、腐っていく肉を発酵、熟成させて美味しい肉にする。先人の知恵を受け継いでいるだけだと」と跡部氏は振り返る。こうした現場で学んだことが、同店には活かされている。 熟成肉は、山形牛の「ランプ」(1900円)、「シンタマ」(1600円)、「ウチヒラ」(1400円)、「ソトヒラ」(600円)と、米沢豚の「上ロース」(1200円)、「上バラ」(1200円)、「肩ロース」(1000円)、「ウデorモモ」(600円)を用意。「熟成中は高湿状態にし、できるだけ牛や豚が生きていたときと同じ水分を保つようにしています。急激に水分を奪う方法では、肉に負担がかかってしまうんです。なので、ゆっくりと水分を抜きながら30~40日間熟成します」(跡部氏)。この方法で熟成された肉は、甘い果実のような芳醇な香りを放つ。こうして丁寧に熟成された肉は、オーダーを受けてから炭火で表面を炙った後、中までじっくり火を通すために70~80度で低温調理。仕上げに再び炭火で焼き上げる。発酵食品には発酵食品が合うとの考えから、自家製の出汁醤油と併せて供する。脂身の甘みと、魚介が香る醤油との相性が良い一品に仕上げた。 野菜は、神奈川・平塚で栽培される契約農家「てるてる農園」から届くものを使用。野菜自体に免疫力をつけるために、農薬や肥料を一切使用しない自然農法を採用した野菜は力強い味わいで、熟成肉のトッピング(300円~)としても最適だ。この野菜が存分に味わえる「2度おいしい バーニャカウダ」(1500円)は、盛りだくさんの生野菜を提供。半分残ったところで一度キッチンに戻し、オーブンで焼くという異なる味わいが楽しめるメニューだ。肉、野菜以外には、和食職人であった跡部氏がつくる「トロサバのカルパッチョ」(700円)、「小鰯の鉄板焼」(750円)などを揃える。「肉も野菜も力強い味のものを揃えているので、どうしても疲れてしまうと思います。そこで、締めにサービスでみそ汁を出すことを考えました」(跡部氏)。肉を食べた後の匂いや胃の重さなどが、みそ汁を飲む事でスッと消え、リセットされるというから驚きだ。 「僕の口を通して、体内に取り込んだ熟成肉が納得するもので、サイドメニューを固めました。『美味しいもの』を追求したかたちが、この店に反映できていると思います」と跡部氏は語る。また、しばらくはディナーのみの営業だが、いずれはランチで熟成肉とサラダバーをやることが目標だと話した。
店舗データ
店名 | KITCHEN TACHIKICHI 旬熟成 (キッチン タチキチ シュンジュクセイ) |
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住所 | 東京都港区六本木5-11-31 |
アクセス | 東京メトロ麻布十番駅より徒歩3分、六本木駅より徒歩9分 |
電話 | 03-3497-8875 |
営業時間 | 17:00〜翌1:00(L.O.24:00) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 20坪・36席(カウンター6席) |
客単価 | 4500円 |
運営会社 | 株式会社フードイズム |
関連リンク | KITCHEN TACHIKICHI |